脳梗塞が疑われる右半身のしびれや左耳の難聴などの症状があるのに、大阪入国管理局(大阪市)に医師の診療を拒否され精神的苦痛を受けたとして、収容者のイラン人男性(47)が国に対し、110万円の損害賠償と適切な診療の実施を求める訴訟を29日、大阪地裁に起こした。 大阪入管では2月、「不適切な薬の処方をされる」「医師の診察を受けられない」などとして、医療や食事の改善を求め、収容されている外国人約50人がハンガーストライキを実施した。 訴状によると、男性はこれまでに複数回、脳梗塞を発症。昨年9月に大阪入管に収容され、同10月、以前から続いていた体のしびれがひどくなり、搬送先の病院で脳梗塞や一過性脳虚血の疑いがあると診断された。その後、耳が聞こえなくなるなど症状が悪化し、繰り返し診察を求めたが、職員に「片方の耳が聞こえなくても生活できる」と対応され、認められなかったとしている。