広告最大手・電通の新入社員過労自殺を契機に、広告業界が「働き方改革」に取り組み始めている。業界2位の大手・博報堂は今月、残業を原則午後10時までとする社内ルールを定めた。やむを得ず10時以降も残業する場合は上司への事前申請を義務付けている。 同社広報室によると、試行段階で期限は設けていないが「実質的にはルール化。健康的な働き方は社会的な要請でもあり、自主的にやってみようということになった」と説明する。今後、午後10時以降の残業申請件数など実態を検証し、改善につなげていく方針だ。 業界3位のアサツーディ・ケイは2014年に週1回の「ノー残業デー」を設けた。人事部員が手作りの看板を持って各職場を回り、午後7時以前の退社を促している。 電通は自殺した高橋まつりさん(当時24歳)の労災が認定された翌月の昨年10月24日に本支社で「全館午後10時~午前5時消灯」をスタート。物理的に職場に残れな