デビッド・ボウイ「ヒーローズ」 巨星が、墜(お)ちた。 ベルリン中心部ポツダム広場から数百メートルの「ハンザ・スタジオ」。15日、数百人が集まった。 10日に69歳で亡くなった英国出身のロックスター、デビッド・ボウイさんを悼むファンの集いだった。 東ベルリン出身の機械工、フランク・ラウベさん(58)は言った。 「あの時、壁越しにデビッド・ボウイの歌声をはっきり聞いた」 あの時――1987年6月6日、冷戦を象徴する壁のすぐ西側にある共和国広場で、ボウイさんは野外コンサートを開いた。 観衆は、壁と向き合うように立った。さらにスピーカーが、観衆と反対側の東にも向けて置かれた。 壁の向こうには、ボウイさんの歌声を聴こうと東独の若者が集まっていた。 ラウベさんも仕事を放って、ひとり壁に向かった。 「壁を倒せ」と叫ぶ若者が東独警察と衝突した、と当時の報道は伝える。だがラウベさんは「歌を聴くのに集中して
![ベルリンの壁越しに自由のロック D・ボウイさん悼む:朝日新聞デジタル](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/07053b5f32ef68209ba5e76d6a65437526209356/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.asahicom.jp%2Farticles%2Fimages%2FAS20160123001670_comm.jpg)