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ブラックホール連星の検索結果1 - 23 件 / 23件

  • 「存在し得ないモノ」とブラックホールが衝突か

    「存在し得ないモノ」とブラックホールが衝突か2020.07.01 23:00179,083 George Dvorsky - Gizmodo US [原文] ( 山田ちとら ) 宇宙物理学界を揺るがす大ニュース。 ブラックホールがなにか得体の知れない天体と衝突した!との新しい研究が発表されました。 6月23日付で『The Astrophysical Journal Letters』に掲載された論文によれば、地球からおよそ800万光年離れているブラックホールがなにがしかの天体とぶつかり、その衝撃が重力波となってアメリカのLIGOとイタリアのVirgo干渉計に届いたそうです。 以下、ブラックホール(中央の大きな黒い円)が謎の天体(ブラックホールのまわりを螺旋状に落ちていく小さな影)を飲みこむ様子と、その衝撃が重力波となって伝わってくる様子を再現した映像をご覧ください。 Max-Planck-I

      「存在し得ないモノ」とブラックホールが衝突か
    • 途方もない重力波を検出、波長は数光年から数十光年、初の証拠

      2つのブラックホールがお互いの周りを回りながら近づく様子を描いた図。このときに重力波を発する。(ILLUSTRATION BY MARK GARLICK, SCIENCE PHOTO LIBRARY) 時間と空間が織りなす巨大な重力波が検出されたことを示す証拠が得られた。その波長は、なんと数光年から数十光年だという。新たに発表された研究によると、このような波長の重力波の存在を示す証拠が見つかったのは初めてで、最大で太陽の100億倍という質量をもつ超巨大ブラックホールどうしの合体によるものではないかと考えられている。今回の発見の詳細は、2023年6月29日付けで学術誌「Astrophysical Journal Letters」に掲載された一連の論文にまとめられている。 この波を観測したのは、「北米ナノヘルツ重力波観測所」(NANOGrav)の研究者グループだ。68個のパルサーと呼ばれる回転

        途方もない重力波を検出、波長は数光年から数十光年、初の証拠
      • 太陽1兆個分より明るい光の原因が、珍しい二重ブラックホールによるものである事が判明 | TEXAL

        太陽1兆個分よりも明るい謎のフレアは、実は2つのブラックホールが互いに回り合って発する光であることが、天文学者の新しい観測により確認され、数十年来の謎が解明された。 活動銀河の中心部には、超大質量ブラックホールが存在している。ブラックホールを取り囲むガスや塵などの天体物質が渦巻く円盤である降着円盤の物質が、ブラックホールから放射される電磁波を消費する様子を観測することで、ブラックホールについての研究は行われている。 地球から50億光年離れた、かに座にある銀河OJ287は、その中心に超巨大ブラックホール連星系が存在するのではないかと考えられてきた。つまり、ブラックホールがその中心で、お互いに回り合っているのではないかと言うのだ。 今回、研究チームによって、OJ287が、超大質量と小質量の2つのブラックホールが互いに回り合っていることを示す証拠を発見した。この研究は、フィンランド・トゥルク大学

          太陽1兆個分より明るい光の原因が、珍しい二重ブラックホールによるものである事が判明 | TEXAL
        • 「原始ブラックホールの中は別次元の宇宙」であり、それこそがダークマターの正体かもしれない - ナゾロジー

          ダークマターの正体? 原始ブラックホールブラックホールのイメージ。 / Credit: NASA/JPL-Caltech一般にはあまり聞き慣れない原始ブラックホールは、初期の宇宙で誕生したとされる天体起源ではないブラックホールのことです。 ビッグバン直後の宇宙は非常に高温高圧だったため、わずか30%程度の密度差で、その空間自体が重力崩壊を起こしてブラックホール形成したと考えられています。 この原始ブラックホールは、後にホーキング博士によって詳しく検証され、わずか 10−8 kg (0.00000001kg)という小さな質量でも形成可能だと理論的に示されました。 何の放射も起こさない見えない小さな重力源、それが無数に宇宙に散らばっているかもしれないのです。 それを聞くとピンとくる人がいるかもしれませんが、これは見えないけれど宇宙の重力の80%以上を占めているとされるダークマターの正体である可

            「原始ブラックホールの中は別次元の宇宙」であり、それこそがダークマターの正体かもしれない - ナゾロジー
          • 「一番近いブラックホール」の記録更新

            位置天文衛星「ガイア」による観測で、地球から1560光年の距離にブラックホールが見つかった。現在知られているブラックホールの中で最も私たちに近いものとなる。 【2022年11月10日 マックス・プランク天文学研究所】 米・ハーバード・スミソニアン天体物理学センターおよび独・マックス・プランク天文学研究所のKareem El-Badryさんたちの研究チームは、従来と異なる新しい手法を用いて、へびつかい座の方向約1560光年の距離に位置する、既知のブラックホールの中で地球に最も近いブラックホールを発見した。 これまでで最も近いとされていたブラックホールまでは約3000光年であり、その距離を半分程度縮めたことになる。2020年には約1000光年の距離にブラックホールが見つかったとする発表があったが、後に否定されている。 今回見つかったブラックホール「ガイアBH1」の想像図。重力レンズ効果で周囲の

              「一番近いブラックホール」の記録更新
            • 重力波望遠鏡「KAGRA」、観測開始 “宇宙誕生の謎”解明の手掛かりに

              重力波が地球に到達した際にはわずかに空間が歪むが、その変化は地球から太陽までの距離(約1.5億km)が水素原子1つ分(約0.1nm)変わる程度の極めて微小なもの。これを検出するために、KAGRAのプロジェクトでは光とハーフミラーを用いた「レーザー干渉計」という検出器を用意した。 KAGRAは「望遠鏡」という言葉から一般的に想像できる天体(光学)望遠鏡や電波望遠鏡とは異なり、レーザー光とハーフミラー(ビームスプリッター)を用いて“距離の差”を計測する。レーザーの発振器から放出された光は斜め45度に設置されたハーフミラーを通り、半分は直角に反射、もう半分は透過する。それぞれの光は3km先にある鏡で反射し、ハーフミラーに戻ってくる。2つの光はハーフミラーで「干渉」を起こすため、光検出器でその干渉縞(模様)を計測すれば光路長の小さな変化を検出できるという仕組みだ。 KAGRAは検出精度を上げるため

                重力波望遠鏡「KAGRA」、観測開始 “宇宙誕生の謎”解明の手掛かりに
              • 原始ブラックホールはインフレーション時にできた子宇宙か? - Kavli IPMU

                東京大学 国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)が、宇宙初期の加速膨張であるインフレーション時にできた「子宇宙」が、そののちに原始ブラックホールになったとする理論を提唱した。さらに、この理論で示されたシナリオが、ハワイのすばる望遠鏡に搭載された超広視野主焦点カメラハイパー・シュプリーム・カム(HSC)を用いた原始ブラックホール探索の観測で検証できることを示したことも発表された。 同成果は、Kavli IPMUのウラジーミル・タキストフ特任研究員、同・杉山素直大学院生、同・高田昌広主任研究者、米・カリフォルニア工科大学ロサンゼルス校のアレクサンダー・クセンコ教授ら、素粒子論、宇宙論、天文学者など多数の関連分野の研究者が結集した国際共同研究チームによるもの。詳細は、米物理学会が刊行する学術誌「Physical Review Letters」にオンライン掲載された。 1

                  原始ブラックホールはインフレーション時にできた子宇宙か? - Kavli IPMU
                • 人類がブラックホールの存在を知る8つの方法

                  ブラックホールは、光さえ抜け出せないほど強力な重力を持つ天体なので、可視光だけでなくX線や赤外線などあらゆる波長の電磁波を使っても、その存在を直接観測することはできません。そんなブラックホールの存在を知るために科学者たちが編み出してきた8つの方法を、科学系ニュースサイトのLive Scienceがまとめました。 8 ways we know that black holes really do exist | Live Science https://www.livescience.com/how-we-know-black-holes-exist.html ◆1:アルバート・アインシュタインの「確固たる予言」 「ブラックホール」という言葉が使われ始めたのは1960年代のことですが、1916年にはドイツの天体物理学者であるカール・シュヴァルツシルトによって、ブラックホールに相当する天体が宇

                    人類がブラックホールの存在を知る8つの方法
                  • 観測史上地球に最も近いブラックホール「Gaia BH1」を発見

                    一般に知られているように、「ブラックホール」はその強大な重力により、一定の距離 (シュバルツシルト半径) よりも近付いたものは光でさえ逃げ出すことができない非常に極端な天体です。 一方で、その極端な性質にもかかわらず、ブラックホールの存在はかなり一般的であると推定されています。太陽の5倍から100倍の質量を持つブラックホールは、天の川銀河だけでも1億個はあると推定されています。質量が太陽の数倍から数十倍の恒星質量ブラックホールに限っても、この宇宙に存在する普通の物質 (暗黒物質と暗黒エネルギーを除いた成分) のうち約1%を占めているとも推定されています。 しかし、 “黒い” を意味する言葉が示しているとおり、ブラックホールは単独では電磁波をまったく放射しません。近くにある別の物質が吸い込まれる過程で放出されるX線によって間接的に観測できるブラックホールもありますが、そのような活動的なブラッ

                      観測史上地球に最も近いブラックホール「Gaia BH1」を発見
                    • 輝くブラックホールのペア、世界初発見 千葉大などが成果 銀河の成長過程を捉えた貴重な例

                      千葉大学などが参加する国際共同研究チームは4月6日、光り輝くブラックホールのペアを遠方宇宙で発見したと発表した。ブラックホールの周りにある2つの銀河が合体する様子や巨大な質量を持つブラックホールが成長する模様を捉えた、世界初の成果という。 銀河の中心にはブラックホールの中でも特に質量が大きい「超大質量ブラックホール」が存在する。超大質量ブラックホールの質量は周りの銀河の性質と強い相関を持ち、それぞれ影響を与えながら成長すると予測できるが、その詳細はいまだに明らかになっていないという。最も有力なのは、銀河やブラックホールがお互いに合体を繰り返し、巨大銀河や超大質量ブラックホールに成長するという仮説だ。 これが正しい場合、合体中の銀河の周りには超大質量ブラックホールのペアが多数存在すると考えられる。そのブラックホールは、引力により集まったガスの影響で明るく輝く天体「クエーサー」として観測される

                        輝くブラックホールのペア、世界初発見 千葉大などが成果 銀河の成長過程を捉えた貴重な例
                      • ハッブル宇宙望遠鏡が「単独で存在するブラックホール」を史上初観測!(宇宙ヤバイchキャベチ) - エキスパート - Yahoo!ニュース

                        どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。 今回は「孤立した恒星ブラックホールを史上初観測」というテーマで動画をお送りしていきます。 2022年1月31日とつい先日、ハッブル宇宙望遠鏡によって「恒星と連星を成さず単独で存在する恒星ブラックホール」が史上初めて発見されたと発表がありました。 この発見の何が凄いのか、今回は解説していきます。 ●ブラックホール自体は光を放たない ブラックホールは一般的に太陽の30倍より重い超大質量の恒星が一生を終える際、星の核が自身の重力によって中心の1点に向かって際限なく押しつぶされる事で形成されると考えられています。 Credit:Sandstorm de ブラックホールの中心にあり、ブラックホールの全質量がそこに集中していると考えられている体積0の1点は、特異点と呼ばれています。 そんな特異点の周りでは重力が極めて強く、そこから脱出するために必要な速度(

                          ハッブル宇宙望遠鏡が「単独で存在するブラックホール」を史上初観測!(宇宙ヤバイchキャベチ) - エキスパート - Yahoo!ニュース
                        • 超大質量ブラックホールが3年以内に大規模な衝突を起こすおそれ

                          <12億光年先の銀河の中心にある太陽の約2億倍の質量を持つ超大質量ブラックホール連星(SMBHB)が大規模な衝突へと向かっているかもしれない、という研究が報告された......> 地球からおよそ12億光年先の銀河「SDSS J1430+2303」の中心から放たれている光のゆらぎは、太陽の約2億倍の質量を持つ超大質量ブラックホール連星(SMBHB)が大規模な衝突へと向かっている兆候なのかもしれない。もしこれが事実であるとすれば、この超大質量ブラックホール連星が3年以内に合体する可能性があるという。 活動銀河核の周期がどんどん短くなった 中国科学技術大学らの研究チームは、2022年1月に発表した研究論文で、「SDSS J1430+2303」の活動銀河核(AGN:ブラックホールの周りが明るく光っている天体)の周期が3年のうちにどんどん短くなり、1年から1カ月へと大幅に短縮されているという奇妙な現

                            超大質量ブラックホールが3年以内に大規模な衝突を起こすおそれ
                          • 最新の「重力波イベント」カタログ公開、初検出から6年で90個に到達

                            【▲中性子星-ブラックホール連星の合体のイメージ(Credit: Carl Knox, OzGrav-Swinburne University)】 日米欧の重力波望遠鏡によるLIGO-Virgo-KAGRAコラボレーションは11月7日、2019年4月~2020年3月に行われた第3期観測期間「O3(Observation Run 3)」で検出されたものを含む最新の重力波カタログ「GWTC-3(Gravitational-Wave Transient Catalog 3、突発的重力波カタログ第3版)」を公開しました。 2015年9月にアメリカの重力波望遠鏡「LIGO」(ライゴ、ワシントン州とルイジアナ州の2か所に建設)が史上初めて重力波イベントを検出して以来、LIGOと欧州の重力波望遠鏡「Virgo」(ヴァーゴ、イタリアに建設)は機器のアップグレードを重ねながら重力波の検出を続けてきました。

                              最新の「重力波イベント」カタログ公開、初検出から6年で90個に到達
                            • 「ブラックホール警察」、隠れたブラックホールを発見

                              ブラックホールとされる天体を精査しては何度も否定してきたことから「ブラックホール警察」と呼ばれる研究チームが、逆に自分たちで発見を成し遂げた。 【2022年7月25日 ヨーロッパ南天天文台】 ベルギーのルーベン・カトリック大学とヨーロッパ南天天文台の研究者たちを中心としたチームは、ブラックホールの可能性があるとされた天体を精査すべく追加観測を行っている。その多くを「ブラックホールではない」と否定していることから、研究チームには「ブラックホール警察」というあだ名が付けられている(参照:「「一番近いブラックホール」の存在、否定される」)。そんな風に偽物の指摘を続けてきたチームから、本物を見つけたという発表があった。 「警察」がとらえた「ホシ」は、天の川銀河の衛星銀河である大マゼラン雲にあるVFTS 243だ。大マゼラン雲内のタランチュラ星雲(NGC 2070)のあたりにある約1000個の大質量

                                「ブラックホール警察」、隠れたブラックホールを発見
                              • 【重力波とはなにか②】見るものでなく「聞く」重力波。ダークマターの正体はブラックホールではないかと探索中。 - カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)

                                こんにちは、カタツムリ系です🐌 凄そうではあるけれど、イマイチ、派手さに欠けるし、何がどう凄いのか分からないので、印象に残りにくい重力波。もっとも、一般相対性理論が有名だからと言って、一般に理解されているわけでないので、理解度=知名度というわけでもないでしょう。それにしても、今まで、なかなかブレイクスルーが現れなかった宇宙誕生時へのリーチが実現する可能性を秘める重力波。このことだけでも、十分凄いはず。 重力波とは何か アインシュタインが奏でる宇宙からのメロディー (幻冬舎新書) 作者: 川村静児 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2016/09/30 メディア: 新書 この商品を含むブログ (2件) を見る 出典はアマゾンさん。 前回の記事です↓ ———————————————————————— 【目次】 重力波は見るの?聞くの? ガンマー線バーストという波動砲のような威力ありそうな

                                  【重力波とはなにか②】見るものでなく「聞く」重力波。ダークマターの正体はブラックホールではないかと探索中。 - カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)
                                • 英と独の天文学者が、天の川銀河で新たな天体を発見

                                  イギリスやドイツの天文学者らが、太陽系のある天の川銀河において、通常のブラックホールよりも軽い天体を発見した。 最も重い中性子星か、軽いブラックホールか マンチェスター大学とボンのマックス・プランク電波天文学研究所の研究者らは、南アフリカにある 「MeerKAT 電波望遠鏡アレイ」を使用して、コルンバ(はと)座の南にある「NGC 1851」として知られる大きな星団を観察していたという。 その時、地球から4万光年離れた場所に、これまでにない天体を発見したそうだ。その天体の正体はまだ分かっていないが、これまでで最も重い中性子星か、最も軽いブラックホールである可能性があるという。 そしてこの天体は、ミリ秒パルサーと呼ばれる高速で回転する中性子星を、周回していることも明らかになったそうだ。 軽いブラックホールでも太陽の5倍 ミリ秒パルサーとは、1秒間に数百回も自転している中性子星で、中性子星は死ん

                                    英と独の天文学者が、天の川銀河で新たな天体を発見
                                  • 天文学界を沸かせた大発見「背景重力波」をわかりやすく解説 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

                                    発見された背景重力波は、超大質量ブラックホールのペアが合体する数百万年前、互いに周回していたときに発生したものかもしれない(Getty Images) 宇宙に「背景重力波」が存在する証拠を観測したという画期的発見のニュースは、みなさんもすでに耳にしたかもしれない。背景重力波は、2つの超大質量ブラックホールが、合体する前に短期間にわたり互いを周回した際に発生したものと考えられている。 これは宇宙の成り立ちの解明につながる重大ニュースだとされるが、多くの人にとっては複雑すぎて、自分の生活にほとんど関係ないように思える。そう考えたくなるのも分かるが、これは本当に驚くべき発見であり、理解のために5分間費やす価値があるものだ。 本稿では、背景重力波をやさしい言葉で説明したい。 背景重力波とは何か 重力波とは、宇宙のどこかで激しい出来事が起きた時、それにより時空に生じるゆがみが波動として広まる現象だ。

                                      天文学界を沸かせた大発見「背景重力波」をわかりやすく解説 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
                                    • 宇宙をさまよう「孤立したブラックホール」の直接的な証拠が得られた

                                      【▲ 星間空間をさまよう孤立したブラックホールの想像図(Credit: ESA/Hubble, Digitized Sky Survey, Nick Risinger (skysurvey.org), N. Bartmann)】太陽系から意外と近いところでも、ブラックホールはさまよっているのかもしれません。米国・宇宙望遠鏡科学研究所(STScI)のKailash Sahuさん率いる研究チームと、カリフォルニア大学バークレー校のCasey Lamさん率いる研究チームは、「いて座」の方向約5000光年先にブラックホールとみられる天体を発見したとする研究成果をそれぞれ発表しました。 見つかったのはブラックホールのなかでも一番軽いタイプの「恒星質量ブラックホール」(質量は太陽の数倍~数十倍)で、質量は太陽の5.8~8.4倍(Sahuさんのチーム)あるいは太陽の1.6~4.4倍(Lamさんのチーム※

                                        宇宙をさまよう「孤立したブラックホール」の直接的な証拠が得られた
                                      • 合体して光った?連星ブラックホール

                                        ブラックホール連星が合体すると重力波を伴うが、理論上、光は放たない。しかし、特殊な環境での合体により発生した可能性のある輝きが、重力波とともに検出された。 【2020年6月30日 カリフォルニア工科大学】 近年、連星ブラックホールや連星中性子星の合体に伴う重力波が次々と検出されている。このうち、中性子星同士が衝突する場合は明るく輝くため、重力波と電磁波で同時に観測できた例もある。一方、光を放たないブラックホール同士の合体は、そのままだと電磁波ではとらえられないはずだ。だが、環境次第では連星ブラックホールでも合体とともに電磁波で輝く可能性が、理論家たちによって提唱されている。そんなブラックホールの合体で放たれたと思われる光が、初めて観測された。 2019年5月21日に米・国立科学財団のレーザー干渉計型重力波検出器「LIGO」とヨーロッパの重力波検出器「Virgo」が重力波イベント「S1905

                                          合体して光った?連星ブラックホール
                                        • 総質量が太陽の280億倍もあるブラックホール連星 ある問題解決への糸口となるかも?

                                          ほぼ全ての巨大な銀河の中心部には「超大質量ブラックホール」があると考えられていますが、その中には最大で太陽の数百億倍という途方もない質量を持つものがあります。こうしたブラックホールもより小さなブラックホールが合体して生じたと考えられていますが、そのメカニズムを考えると「合体しているはずのないブラックホールが合体している」という奇妙な矛盾に突き当たります。これは「ファイナルパーセク問題」と呼ばれています。 スタンフォード大学のTirth Surti氏などの研究チームは、ジェミニ北望遠鏡による観測データから、活動的な銀河「4C+37.11(B2 0402+379)」にある超大質量ブラックホールの性質を分析しました。その結果、4C+37.11の中心部にある超大質量ブラックホールは、総質量が太陽の280億倍であることを突き止めました。4C+37.11の中心部にあるブラックホール同士はお互いにわずか

                                            総質量が太陽の280億倍もあるブラックホール連星 ある問題解決への糸口となるかも?
                                          • 活動銀河「OJ 287」で超大質量ブラックホール連星の“セカンダリー”の存在が実証される

                                            活動銀河「OJ 287」は、最も古い記録で1888年に観測されていますが、本格的に注目されたのはほぼ一世紀後の1982年ごろからでした。過去の観測記録を精査した結果、OJ 287の明るさは55年周期および12年周期という、2つの周期が複雑に絡み合いながら変化していることが分かったからです。 短いほうの12年周期で現れる変光を詳しく観測したところ、さらに短い間隔を置いて2回の閃光が生じていることがわかりました。こうした複雑な変光周期を説明するために、OJ 287の中心部には連星をなす2つの超大質量ブラックホールが存在する、というモデルが提唱されました。 【▲ 図1: OJ 287の想像図。プライマリーの周りをセカンダリーが公転し、セカンダリーは時々プライマリーの降着円盤を貫通する。これが地球では12年周期での変光として観測される(Credit: AAS 2018)】【▲ 図2: OJ 287

                                              活動銀河「OJ 287」で超大質量ブラックホール連星の“セカンダリー”の存在が実証される
                                            • 崩壊した恒星から直接形成された可能性があるブラックホールを新たに発見

                                              【▲ 連星「VFTS 243」の想像図(※ブラックホールによる時空の歪みは強調して描かれています)(Credit: ESO/L. Calçada)】ルーヴェン・カトリック大学(※)のTomer Shenarさんを筆頭とする研究チームは、天の川銀河の伴銀河(衛星銀河)のひとつである約16万光年先の「大マゼラン雲」(大マゼラン銀河とも)で、新たに恒星質量ブラックホール(質量が太陽の数倍~数十倍のブラックホール)を発見したとする研究成果を発表しました。 ※…研究当時、現在はアムステルダム大学 恒星質量ブラックホールは重い恒星が超新星爆発を起こした時に形成されると考えられてきましたが、近年では超新星爆発が起きずに直接ブラックホールが形成される可能性も指摘されています。今回発見されたブラックホールは、超新星爆発を伴わずにブラックホールが誕生することを示す証拠のひとつである可能性があるようです。 ■V

                                                崩壊した恒星から直接形成された可能性があるブラックホールを新たに発見
                                              • NASA小惑星探査機、偶然にブラックホール連星のX線バーストを観測していた

                                                小惑星探査機「オシリス・レックス」の想像図(Credit: University of Arizona/NASA Goddard Space Flight Center)小惑星「ベンヌ」からのサンプル採取を目指して準備を進めているNASAの小惑星探査機「オシリス・レックス」。オシリス・レックスに搭載されている観測装置のひとつが、偶然にも3万光年先から届いたX線バーストを観測していたことが明らかになりました。 ■捉えたのはMITとハーバードの学生や研究者が作った観測装置オシリス・レックスに搭載されている「REXIS」が捉えたX線バースト(中央の囲まれた部分)。右下にはベンヌの輪郭が示されている(Credit: NASA/Goddard/University of Arizona/MIT/Harvard)X線バーストが観測されたのは昨年2019年11月11日のこと。オシリス・レックスに搭載され

                                                  NASA小惑星探査機、偶然にブラックホール連星のX線バーストを観測していた
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