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山田航『桜前線開架宣言』という短歌アンソロジー本を読んだ。 桜前線開架宣言 作者: 山田航 出版社/メーカー: 左右社 発売日: 2015/12/24 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (6件) を見る 副題に「Born after 1970 現代短歌日本代表」とあるように、70年代以降生まれの若手歌人40人の歌を集めたものだ。 1人あたり50首以上載っているので、現代歌人にふれる入門編としてはかなりボリュームのある本である。 いくつか心に残った歌人と短歌をここで紹介したい 中澤系 70年生まれ。早稲田大哲学科卒。副腎白質ジストロフィーという難病に侵され、09年没。 3番線快速電車が通過します理解できない人はさがって いや死だよぼくたちの手に渡されたものはたしかに癒しではなく ぼくの死でない死はある日指先に染み入るおろし生姜のにおい 秩序 そう今日だって君は右足と左
誰が読むんだこんな本…。 といいつつ、買って読んで面白がっているのはぼくである。 地方議会で答弁するのは、首長(知事とか市長)だけじゃないの? と思う人もいるかもしれない。「いや市長だけじゃなくて担当の役人が答弁しているのをなんか見たことあるよ」と答えた人は、地方議会を何度か傍聴したり、テレビで関心をもってみている人であろう。「本会議では部長答弁、委員会では課長答弁」と答えたあなたは、ただのマニアである。*1 本書は東京・多摩市で副市長までつとめた著者が、こうした部長・課長クラスはもとより、その答弁準備をする部下たちのために書いた、実にニッチな本である。類書もあるのだが、実名でこの種のノウハウ本を書けるというのは珍しい。 「ご飯論法」が少し話題になったけど、安倍政権の答弁や話法のひどさは別格として、「昔からある役人の答弁術」というレベルの話でいえば、そのレトリックはどうなっているのかを学べ
私は「ネットロア」という語をかなり広義に捉えていて、噂や風説といったもの、そこまではっきりしなくても、「なんとなくぼやっと信じられてそうなこと」までも含んでおります。最近は世の流れで時事ネタを多めに取り扱いますが、私自身は「なんとなくぼやっと」のネタの方が、いつもワクワクしながら取り組めています。 というわけで、今回はその「ぼやっと」ネタの、「現代のむかしばなし、昔よりマイルドになってる説」です。 バアちゃん殺されないとか歴史修正主義者の暗躍がひどい pic.twitter.com/EfpqAPpY5Z — 新米先達mayan (@mayan1969) May 8, 2018 ずいぶん前のツイートですが、最近TLに回ってきたので、へえ、と思った内容です。最近の「かちかち山」は、おばあさんは殺されず、しかも改心したっぽいタヌキと和気あいあいと打ち上げパーティーのように終わるんだとか、そういう
国内の詩人で、いまだに好きなのは『吉岡実』。詩について述べるは容易ではないので、ここでは彼の詩をそのまま幾つか紹介しよう。 1 四人の僧侶 庭園をそぞろ歩き ときに黒い布を巻きあげる 棒の形 憎しみもなしに 若い女を叩く こうもりが叫ぶまで 一人は食事をつくる 一人は罪人を探しにゆく 一人は自涜 一人は女に殺される 2 四人の僧侶 めいめいの務めにはげむ 聖人形をおろし 磔に牝牛を掲げ 一人が一人の頭髪を剃り 死んだ一人が祈祷し 他の一人が棺をつくるとき 深夜の人里から押しよせる分娩の洪水 四人がいっせいに立ちあがる 不具の四つのアンブレラ 美しい壁と天井張り そこに穴があらわれ 雨がふりだす 3 四人の僧侶 夕べの食卓につく 手のながい一人がフォークを配る いぼのある一人の手が酒を注ぐ 他の二人は手を見せず 今日の猫と 未来の女にさわりながら 同時に両方のボデーを具えた 毛深い像を二人の
『魔女図鑑 魔女になるための11のレッスン』マルカム・バード∥作・絵 岡部 史∥訳 金の星社 『魔女・魔法使い大図鑑 魔女からの招待状』平林 知子∥文・絵 国土社 上記2点を貸出。 1.児童室のカウンターにて男の子に「魔法の本ありますか?」と聞かれる。詳しく聞くと、魔法が使えるようになりたいということらしい。お母さんと一緒に来館。お母さんもどう説明していいか困っているとのこと。年齢は6歳。ちょっと難しい本でもがんばって読む、と言う。 2.本を見てもらうことに。38の棚に案内し、魔女や妖精の本を一緒に見ながら探す。 『魔女図鑑 魔女になるための11のレッスン』、 『魔女・魔法使い大図鑑 魔女からの招待状』、 『魔法使いの秘密パーティー 魔法の世界を作って、みんなで遊ぼう 魔法使いが教える、パーティーの開き方』 を見てもらうと、魔法を使うためには修行が必要、ということが書いてあった。魔法のつか
こんにちは! ジモコロライターのギャラクシーです。ヘタなイラストを描きながら失礼します。 僕は学生の頃、マンガ家を目指してヤンマガやスピリッツに作品を投稿していました。結局一度も賞をもらうことはなく、今ではこうしてライターとして活動しているわけですが……。 そんな僕が人生の中でめちゃめちゃ気になってたことがあります。 それは2006年、京都精華大学に創設された、日本初(そして唯一)の「マンガ学部」! あぁ、自分が若い頃にこんな大学があれば……! 今頃マンガ家になってアニメ化され、ファンの要望で半年後に劇場化され、さらに1年後には実写化し「それは違う」って炎上してたかもしれないのに! というわけで実際に「京都精華大学」に来てみました。 マンガ学部以外でも、スチャダラパーのBoseさん、くるりの岸田繁さん、養老 孟司さんといった高名な教授陣を擁することでも話題になってますね。 ちなみに現在の学
最後まで読んだので前回に引き続いて『自閉症の世界』の翻訳についてです。 結論から言えば、原文はズタズタ、翻訳はボロボロで、即刻回収して全訳版をだしてほしいほどひどいです。 自閉症の世界 多様性に満ちた内面の真実 (ブルーバックス) 作者: スティーブ・シルバーマン,正高信男,入口真夕子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/05/17 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る 全体としては、こんな感じです。 章 カット 誤訳 序章 原型をとどめないほど 多い 1章~5章 そこそこ 多い 6章 とても多い 商品として成立しないほど 7章~9章 少ない 少ない 10章~11章 とても多い そこそこ 12章 少ない 少ない カットは、数段落をまとめて削除しているところもあれば、一段落削除してあるところもあります。段落の最後の一文だけとか、()の中を削除してある(だいたい
二日間ブログを更新してませんでしたが、活動をさぼっていたわけではない。 むしろ活動は活発だったのだ。 なにしろ作ったこのtogetterは20万アクセス、ブクマも500近い反響だった。 「同一世界観の物語をよそで描いてはいけない、と最近は出版契約に盛り込まれる」−ある作家のツイートに「クロスオーバーができないってこと?」と読者らが衝撃 - Togetterまとめ https://togetter.com/li/1117090 そのブクマ http://b.hatena.ne.jp/entry/s/togetter.com/li/1117090 この話は話で超重要で、ブログで論じたいが、それとは離れた話題などをコメントから抜粋する なにしろコメントなど膨大なので、普通に読んだらこの話に到達するかどうか。 gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan 2日前 【質問】まとめ内に
世に出でて花を咲かせた一冊の本の根本には、関わった多くの人間の苦悩と葛藤が埋まっている。それをうかがい知る窓が、あとがきである。 それゆえ、苦悩が大きければ大きいほど、葛藤が深ければ深いほど、あとがきは渋く味わい深いものとなる。 ということで、今回は吉野源三郎の話だ。 自由論 (岩波文庫) 作者: J.S.ミル,John Stuart Mill,塩尻公明,木村健康 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1971/10/16 メディア: 文庫 購入: 16人 クリック: 117回 この商品を含むブログ (58件) を見る 塩尻公明・木村健康訳『ミル 自由論』(岩波文庫、1971年)は珍しく、「訳者あとがき」のあとに、別個に共訳者の「解説」と、さらに別の「あとがき」がついている。さらに珍しいことに、その「あとがき」を書いているのは、担当編集者だった吉野源三郎なのだ。『君たちはどう生きるか』で
しかし、せっかく統合されるのだから、近代デジタルライブラリーにあった「明治以降に刊行された」という限定を外せるので、この機会に、近代以前の基本的な辞典類を合わせて、ラインナップをやり直すことにした。 結果として、日本の代表的な辞書の多くを自宅で居ながらにして参照できるようになったと思う※。 ※土壇場で『大日本人名辞書』を入れ忘れたのに気づいたりしたので、思わぬ遺漏はまだまだあると思うけれど。 これまでありがとう近デジ 今後ともよろしくデジコレ 以後は、こちらの記事をメンテナンスしていくことにする。 000 【総記】 100 【哲学】 200 【歴史】 300 【社会科学】 400 【自然科学】 500 【工学】 600 【産業】 700 【芸術】 800 【言語】 900 【文学】 000 総記 020 図書・書誌学 ◯書物語辞典 古典社 編 (古典社, 1939) 書物(図書、読
2024/03/02 戦争 92点追加 2024/02/16 書誌 149点追加 2023/11/27 食物 75点追加 2023/11/25 山・登山・冒険 44点追加 2023/11/23 児童・童謡 47点追加 2023/11/04 季刊銀花 101点追加 2023/10/10 絵葉書 720点追加 2023/07/28 刷物・一枚物・地図136点追加 2023/05/27 大型本 82点追加 2023/05/08 建築 83点追加 2023/05/07 美術 61点追加 2023/03/13 静岡県郷土史-富士・富士宮 180点追加 2023/03/06 静岡県郷土史-東部 293点追加 2023/02/24 静岡県郷土史-伊豆 140点追加 2023/02/21 静岡県 教育・学校関係198点 2023/02/13 郷土史‐静岡中部 91点追加 2023/02/08 遺跡発掘調査
最近は、時間があると上掲のシリーズ記事の下調べをしている。1960年の開高健訪中の記録である。 これ自体は全90頁程度の短い文章だけど、内容を詳細に解読するにあたって、訪中団の他の参加者の記録にも目を通している。他の参加者の記録を読むことで、開高健の見聞を多角的に検証できる…と思ったからだ。 そうすると、まず第一に目を通すのは、日本文学代表団の7名が共同執筆した『写真中国の顔ー文学者の見た新しい国』という本になる。 写真中国の顔―文学者の見た新しい国 (1960年) (現代教養文庫) 作者:野間 宏 メディア: 文庫 現在、アマゾンやヤフオクで古書が手に入る。 これを読むと、1960年時点で、7人の日本人がどのように中国を見たのかがわかる。そして、この7人の視点を通じて、訪中記を読んだ当時の日本人が、中国をどのような国だと認識したのか、時代の空気が読めてくるのではないか。 7人の記録の一字
高瀬毅『ナガサキ消えたもう一つの「原爆ドーム」』によると、浦上天主堂の廃墟が取り壊されることになったのは、長崎市長と長崎教区司教へのアメリカからの働きかけが大きな要因である。 1954年3月の第五福竜丸事件などがあり、アメリカは「教会ルート」と「市長ルート」ではたらきかけた。 「田川市長の「心がわり」のきっかけとなった姉妹都市提携と市長の渡米、山口司教による米国での天主堂再建の資金集めが、ほぼ同時期に行われた」 1954年7月、浦上天主堂再建委員会が発足する。 総工費は6千万円で、信徒たちの寄付は3千万円が限度。 山口司教は1955年5月~1956年2月までアメリカに渡り、再建資金を集めた。 一方、1955年、長崎市にはアメリカのセントポール市との姉妹都市提携の申し入れが持ち込まれた。 田川市長は1956年8月から9月までの一カ月あまり、アメリカ全土を訪問する。 訪米以降、田川市長の考えが
「やるおで学ぶ」方式を1回やってみたかった。文章と絵はどちらがより伝わるか等々。非常に極端な例かつ色々端折りましたが、大筋は合っていると思います。 その1で今の販売方法をざっくりおさらいし、その2で責任販売制の話になります。日販のSCM銘柄やTSUTAYAの思惑、責任販売制の今後の動向などに触れる予定。時間が出来たらまじめな文章のエントリーを書くかもしれません。肝心のその2の更新は来週末になるかと思います。 だめだAA崩れるし、収まらないorz 【従来の販売方式】 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; :::::....../| ̄| ̄
稀覯書(希少な古書籍)を古書肆(古本屋)やネットオークションで探し回ったり、在庫僅少の新刊書籍をオンライン書店で検索したり。買った後に山積みになった本を何とか管理しようとして書架(本棚)を整理したり。三度の飯より読書や書肆めぐりが好きで、活字中毒/本の虫/書痴/書狂/愛書家/書物崇拝狂/Bibliophilia/ビブロフィリア/bibliophile/ビブリオファイルの自分が役に立ったウェブサービスをまとめてみた。「Amazon ほしい物リスト」*1しか知らなかった人は是非試して欲しい。 STEP1 まずは読みたい本のテーマから類書を探す(またはQ&Aサイトで質問して探す) ■連想検索 想−IMAGINE Book Search *2 古書データベース(連想検索/キーワード一致検索) - BOOK TOWNじんぼう ■Q&Aサイト(knowledge community)のメタ検索 あの本
月にいちど、「おまかせ書店」という企画をUSTREAMで実施している。 「1000円で仕事に役立つ本」や「2000円以内で彼女が家に来たときにテーブルの上にあるとかっこいい本」などのリクエストに応じて本を送る企画だ。立川にあるオリオン書房ノルテ店を閉店後借りて行っている。 ちょっと狙って変わった本を選んだりするのだが、そうすると特定の出版社ばかりになることに気づいた。 国書刊行会という出版社だ。 (林 雄司) 変わった本を選ぶとたいてい国書刊行会 11月のUSTREAMできちんと紹介したのは20冊程度なのだが、そのうち3冊が国書刊行会の本だった。約1/6が国書刊行会である。メジャーな出版社をさしおいてこの比率の高さはなんなのか。 オリオン書房はよそで見かけない本が多いので買って帰ったり、気になってあとから買うことが多い。そうして買った本を家で見返してみたらやっぱり国書刊行会だった。
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