株式市場等のファイナンスの世界を研究対象にする「ファイナンス理論」は数学が高度に応用されて発展し、投資実務でも幅広く使われているが、数式を多用するものが多く、論理的かつ精緻であり、難解なものも多い。そのため、投資をあまり知らない人からは極めて科学的に見えるらしい。 しかし「ファイナンス理論」は数学を高度に活用しているものの、物理の法則とは異なり、そもそも正確な株価予測等はできないのであるが、案外誤解している人も多いようだ。 そこで「ファイナンス理論」がどのように発展し、構築されているかを踏まえて、その特徴を知り、実際に投資をする上で、どのように利用すべきかについて考えてみたい。 まず、最初に「ファイナンス理論」がどのように発展して来たかを振り返ってみたい。 「ファイナンス理論」の誕生は実質的には1952年のモダンポートフォリオ理論で、歴史は結構浅いが、その後、コンピューターの性能向上ととも
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