2020年09月15日23:16 カテゴリ経済 財政・金融政策の意図せざる革命 今年、財政政策には革命が起こった、とフィッシャーは論じている。今年、欧米の政府がばらまいた財政資金は、世界金融危機後の7年間の合計の2倍を上回る、平時では未曾有の規模だった。その最大の特徴は、政府が銀行を通さないで国民に直接給付したことだ。 第2の特徴は、財政と金融が一体化したことだ。中央銀行の独立性という原則は放棄され、政府支出を中央銀行が引き受ける大規模な「財政ファイナンス」が行われた。各国政府は意図していないが、これは1980年代にFRBのボルカー議長が不況期に金利を上げてスタグフレーションを止めたとき以来の財政・金融政策の革命である。 MMTは「自国通貨を発行できる国はデフォルトしない」というが、これは誤りである。名目債務のデフォルトは起こらないが、インフレになったら実質債務のデフォルトが起こるのだ。