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ブックマーク / www.axis-cafe.net (15)

  • 憲法使いの弟子 - おおやにき

    「だまれ俺は芦部信喜教授の孫弟子の同期だぞ」ってのはどうか(挨拶)。憲法問題だから「ノモス主権論尾高朝雄教授四世の孫弟子」の方がいいかな。しかしその、尾高宮澤論争以来の敵対派閥(笑)だからというのではないが、天賦人権説というのもそうスジのいい議論ではないので切り札的にそれは天賦人権説否定ですねドヤアみたいなのもどうかと思ってちょっと書く。 というのは自民党の憲法改正案にまつわる問題で、それを進めている人々がtwitterでうかつなことを言っているのに対して怒っている人々がいるという話であり、いや個人的にも先般提案された改正案はろくでもないものになっていると思っているわけではあるがおそらく私が問題にしている箇所は人々が怒っているのとは違うし、いま問題にされているような論じ方が利口だとも思えない。というので少し書いて放っておいたら政治のほうが動き出したりしてどうしたものかと思っているわけだが、

    shiranui
    shiranui 2012/12/17
  • 変わる時代の(前) - おおやにき

    掲載されました。大屋雄裕「変わる時代の、変わらない視野(日弁護士連合会『デジタル社会のプライバシー:共通番号制・ライフログ・電子マネー』(航思社、2012)書評)」『図書新聞』3069号(2012年7月7日)、図書新聞社、2012、5面。なお最終部において「我ら国民がそう望むなら政権のあり方もそれが実現するものも変化する」と書いた上でどのように変化したかを語っていないあたりに春秋の筆法を読み取っていただきたい。 当然のことではあるものの紙幅には制限があったので、そこで書ききれなかった点について以下で多少補足を。 もちろん弁護士さんたちが書かれたものなので理論的な水準はイマイチだが事実が手広く調べてあって感心というのが相場的な評価であろう(後者の点は書評でも明確に書いた)。 一番よくできているなと(あくまで私の観点からだが)思う部分でも依拠しているのはレッシグの『CODE version

  • 公人 - おおやにき

    行く気どころか興味関心もないロンドン五輪についてなにやらこのような記事が出ているわけであるが(「IOC委員もブチ切れたヒースロー空港、当の"悪夢"はこれから?」MSN産経ニュース)。 ヒースロー空港と英国政府は、空港の職員を増員させて対応するとしているが、それにも限界がある。そして、最悪の"悪夢"は、ズバリ8月13日の月曜日。五輪閉会式の翌日だ。ヒースロー空港は通常、1日に9万5000人の出発客を扱うが、8月13日の出国客は13万8000人にも上るとみられている。出国審査がこれほどの人数をスムーズにコントロールできるのかは大いに疑問。当の"悪夢"はこれからかもしれない。 ヒースロー空港って出国審査ほとんどやってないような気がするんだけど。一応セキュリティチェックの先に窓口はあるけど閉まりっぱなしで、パスポートにスタンプも押さない。入国審査の厳しさとは対極的だよねえという評判もあるはず。

  • ダウンロード犯罪化の経過について - おおやにき

    著作権法を改正して音楽・動画の違法ダウンロードに刑事罰を導入しようという案件について。すでに2010年から違法行為との位置付けはされていたが、その際には見送られた犯罪化をしようという動きがあり、4月13日の自民党文部科学部会で改正案が了承され(山一太議員のブログ)、政府・民主党も「著作権者の許諾なしにインターネットのサイトから音楽や動画を違法ダウンロードする行為に罰則を科す方針を固めた」との報道である(47news)。 ここで書きたいのはこれがどういう経過を示しているのかということで、というのは「しかも今回、途中までは議員立法でやるという話だったものが、突然どさくさにまぎれて閣法に盛り込まれた。立法プロセスとしても相当タチ悪いよこれ。関係者呼んでヒアリングさせて「十分議論して進めますので」と宣言してから1カ月も経ってないのにこんな手段で通そうとする。ふざけんなよって話。」(twitter

    shiranui
    shiranui 2012/04/21
  • 自由と処分 - おおやにき

    オバマ大統領へのインタビューで「親密な外国首脳」として野田総理の名前が挙がらなかったという報道があったが、いや現総理の人格識見がどうこう言う以前にそりゃ一年一人ペースで代わってりゃ「親密」にはなりようがねえよなと思うのだがどうか(挨拶)。国家としての日との関係は外交を通じて、ということは人事に連続性のある官僚を通じて維持できるだろうけれどもさ。なお参考、「野田首相の名前出ず オバマ米大統領が挙げた信頼築いた各国首脳」(MSN 産経ニュース)。というわけで師走に忙しくしていたあいだの落ち穂拾い。 群馬大学教授の早川氏がtwitter上の発言によって大学から訓告処分を受けたという件について(参考、「群馬大教授「福島の農家はオウム信者と同じ」 訓告処分」asahi.com)。問題は大きく法的な層と「賢明さ」(prudence)の層に分けて考えるのがよく、法的な層については一般的な言論表現の自由

  • 概算要求 - おおやにき

    各省庁による平成23年度予算概算要求の提出期限(8月末)が迫るなか、要求額の確定時期を先送りする案が政府・民主党内に浮上してきた。(......)23日の民主党政策調査会の役員会では「概算要求を8月末に出すのは単なる習慣。守らなくてもいい」などと概算要求額を期限通りに確定する必要はないとの意見が相次いだ。」(「概算要求、期限先送り論噴出 党内に代表選の結果見極める動き」MSN産経ニュース、強調引用者) 財政法(昭和22年法律34号) 第17条第2項 内閣総理大臣及び各省大臣は、毎会計年度、その所掌に係る歳入、歳出、継続費、繰越明許費及び国庫債務負担行為の見積に関する書類を作製し、これを財務大臣に送付しなければならない。 ※これを受けて、財務大臣が「必要な調整を行い、歳入、歳出、継続費、繰越明許費及び国庫債務負担行為の概算を作製し、閣議の決定を経」ることから(財政法18条1項)、この「見積に

  • 傍論(1) - おおやにき

    自衛隊イラク派遣を違憲と判示した名古屋高裁判決(平成20年4月17日)に関連して、「傍論とは何か」という趣旨のご質問をいただく。前に書いたことなかったかなあと思って検索したがないようなので、あらためて一度書いておくことにしよう。こういうのは裁判官か実定法学者の人に書いてもらう方が当はいいんだろうけどねと思いつつ。 さて「傍論」およびそれと対をなすものとして使われる「判決理由」とは何かというと、順にobiter dictum (オビタ・ディクトゥム)でありratio decidendi (レイシオ・デシデンダイ)である(以下混同を避けるために、この意味で使う場合はそれぞれ《傍論》《判決理由》と書く)。なにを言っているかというと、これらの語が翻訳に基づく概念だということと、その由来はイングランドであるということだ。言語はご覧の通りラテン語だが、日におけるラテン語の読み方として一般的な古典式

    shiranui
    shiranui 2010/07/10
  • Winny事件二審判決 - おおやにき

    だいぶ遅くなったがWinny事件二審判決について。すでに報道されている通り、一審の有罪判決を覆して無罪、検察はそれを不服として上告する方向になったと、そういうことであった。問題は一審と二審のあいだで何が代わったかと言うことだと思うのだが、報道から見る限り実はあまり変わってないなというのが私の印象である。 もともとこの事件の論点は、法律的に見る限り概括的故意による幇助犯の成立を認めるかどうかということであった。つまり、「いつか・誰かが犯罪に利用するだろう」という予期と・「それでも構わない」という認容があることを刑事責任の基礎にしてよいかという問題である。というのは、幇助の対象である他人の著作物のアップロード行為が違法であることには疑いの余地がなく、それがそもそもよろしくないという(ヨーロッパにおける海賊党のような)主張は、件で有罪判決を出すことがソフトウェア開発を萎縮させるかどうかといった

  • 雑感 - おおやにき

    さあこれで年度末まで少し原稿を書く余裕ができたぞと思ったら次々とアポイントメントを入れられている件(挨拶)。忙しさに取り紛れて書き忘れていたのですが、名古屋大学法科大学院(大学院法学研究科実務法曹養成専攻)で私が開講している「情報と法」が、2009年度は南山大学法科大学院との共同開講科目になります。まあ私にとっては別に学生さんによその人も一定数混ざるかもしれないというだけのことで、授業も従来通り名大で一度やるだけなのでいいのですが(でも授業時間は(より遅い)南山に合わせるので45分遅れ)、これに伴い南山・名大の双方で履修に事前手続が必要になるようです(講義開始日にいきなり教室に来ても履修が認められません)。つまりその、LSの授業なので人数が一定数を超過するとまずいということらしい。履修希望のある人がここを見ていたらご注意ください。さて。 民主党・小沢代表の秘書が逮捕された件。まあ体の進展

  • 医療過誤問題管見 - おおやにき

    地元での用事を片付けようと合計30分くらいバイクでうろうろしただけで両腕の上半面が赤くなっているわけですがどういう熱帯ですかここは(挨拶)。さて気付いたら医療過誤の法的取り扱いをめぐるモトケン先生と小倉先生の議論にbewaadさんまで参入していたのだが、ええと、ちょっと「ITプロジェクトの実態とは!」あたりの話を思い出しましたね。 何が言いたいかというと、現時点までに医療関係者から出てきた主張の文言解釈としては小倉さんの方が正しいと私も思う。でもそれに何の意味があるのかはよくわからないということ。たとえば「業務上過失致死傷罪を廃止せよ」という文言が、医師である(とお書きである)NATROMさんの意図に反して当に故意が認定できる場合以外のあらゆる事例(血液型クロスマッチを行なわない輸血、が一例として挙がっているが)を免責することになってしまうという点については、bewaadさんご指摘の通り

    shiranui
    shiranui 2008/08/01
  • 虎ノ門の桜 - おおやにき

    ちょっと用事で虎ノ門に行ったら神社の境内で桜が咲いてました。これはホンモノ。しかし金比羅さんがこんなところにあるとは知らなんだ。 ところでなぜ珍しくそんなところに行ったかというに公開鼎談というものをしたからです。まあ「公開」といってもごく限定的な範囲だったようですが、「幸福とパターナリズム:自由・責任・アーキテクチャ」というテーマでお話ししてまいりました。『自由とは何か』の最後のところで安藤馨説に弱々しい反論をしてみたところに結構関心を持っていただけているようで、ありがたいことです。当日はもう少し具体的なというか、制度的なことに話がまとまったようにも思いますが、これもそのうち公開されるはずなのでそのときにでもご確認ください。 報告のあとの質疑応答とか、パネルディスカッションとかいうのはもちろんすでに何度もやったことがあるわけですが、こういう形式で何かするのは初めてなので結構緊張しましたね。

    shiranui
    shiranui 2008/04/09
    この前、特許庁に行く途中で同じ桜を見ました
  • 青少年ネット規制法案 - おおやにき

    というわけでいずこからか法案が送られてきたので検討してみたよ(挨拶)。この忙しいのに何でこんなことに orz と思わなくもないが、まあ心配している人多そうなので。とりあえずみんなが不安に思いそうなところは検討できたかと思うけど、必要があればこのエントリに加筆していきます。ので、特定時点での私の見解を確定させたい人はお手数ですが魚拓でも取ってください。削除の必要があれば見え消しでやります。 以下まず注意点。 私がもらった法案が物かどうか、私は知りません(偽物だという証拠もないが)。よそでやはり検討を加えている人と同じものを見ているのかどうかも、私にはわかりません。法案を見て気になっている人は、私が検討対象にしているものが自分の見ているものと同じかどうか確認しながら読むことを勧めます。 主として法技術上の論点に絞って検討します。また以下自民党案(とされているもの、以下略)を中心的に検討し、民

    shiranui
    shiranui 2008/04/06
    法案を見たおおや氏の意見。
  • 正当性と正統性 - おおやにき

    多分意図的なものではないと思うのであげつらう趣旨ではない。「Nature誌、「Wikipediaの記事は取り下げない」」(ITmedia News)という記事が「「Wikipediaとブリタニカ百科事典の精度は互角」という記事にBritannicaが反論したことを受け、Nature誌が記事の正統性を主張した。」と報道しているのだが、ここでの「正統性」の使い方がーー法学や哲学の観点からするとーー間違っているという話。 「せいとうせい」で我々が使うのは「正当性」と「正統性」という語である(「政党制」とかは出てくる文脈がまったく違うので無視する)。似たような話で出てくるので混同しやすいが、我々はこの二つを区別して使っている。どういう意味かというと、「正当性」(justness)は一階の正しさというか、あえて言うと今ここで正しい(just)かどうかを問題にする概念である。正しいことが証明できるかと

    shiranui
    shiranui 2007/09/05
  • あららの話(3・完) - おおやにき

    さて、こう書いてくると「しかし企業間の紛争じゃないだろう」と言いたくなるひとが増えてくると思うのだが、まさにその通りであってそこが指摘したいポイントである。つまり上記の通り唐沢氏側の対応はたとえば企業間紛争における法務担当者のものとしては非常に真っ当であっておかしくも何ともないと思うのだが、件の被害者である筆者氏は企業でもなく、法務担当者とか法律屋でもないわけである。ここでは紛争処理のルールの違うひとが相互に直面しているわけで、そのことがトラブルの最大の原因ではないかという気がする。 典型的には企業間紛争の特徴は、それが結局はカネの問題だということだ。筆者氏によれば唐沢氏側から提示された慰謝料は20万円だったということだが、まあこの金額が音なのか交渉過程でたとえば5割増しになることを見込んでの言い値なのかはわからない。わからないが、いずれにせよ財産的被害に対する補償としては結構な金額で

  • 健全な懐疑 - おおやにき

    竹熊健太郎氏が「ブログからの盗用疑惑」(Sankei WEB)と題して「サブカル作家でテレビ出演も多いK氏」の盗用疑惑について書いているのだが明らかに唐沢俊一氏のことであって隠すこともあるまいと思う。というか当に盗用したのか偶然の一致なのかの判断が著作物というものの性質上微妙なものであるとするならできるだけ個々の読者が直接に双方の著作物を比較してそれぞれの結論を持つべきなのであって、だとすればここは名前を隠してはいけないところだろう。 問題になっている記述について言うと、先に公開されていたブログ(漫棚通信)の記述と唐沢氏の著作の問題となった部分の客観的な類似性は否定できない、というかまったく同一の部分さえあるのでその点は明らかであり、問題はそれが故意の「盗用」なのか、参照したことを忘れたとか引用元を明記することを失念したなど過失の問題なのかという点に帰着するだろう。でまあその点については

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