林死刑囚の再審請求、地裁が棄却 和歌山カレー事件 和歌山市園部(そのべ)で1998年7月、夏祭りのカレーに猛毒のヒ素が混入され、4人が死亡、63人が中毒になった事件で、和歌山地裁(浅見健次郎裁判長)は29日、林真須美死刑囚(55)の再審請求を棄却する決定を出した。弁護団が明らかにした。大阪高裁に即時抗告する方針。 再審請求審で弁護団は、X線分析が専門の河合潤(じゅん)・京都大学大学院工学研究科教授の鑑定をもとに、林死刑囚の自宅などから押収されたヒ素と、事件現場のゴミ袋にあった紙コップ内に付着していたヒ素、カレー内のヒ素は「同一のもの」とは言えず、「当時の鑑定には『同一』と見せるための不正があった」などと主張していた。 さらに「林死刑囚が見張り中に、(調理中の)カレー鍋のふたを開ける不審な行動をした」という近くの住民の目撃証言も、次女と見誤った可能性があり、信用できないと訴えていた。