増えない博士、低下する研究力 2020年は大学院や日本の研究力に関するニュースを多く目にした。例えば科学技術・学術政策研究所によると、2006年と比較して2016年の博士号取得者数が欧米の先進国や、中国と韓国といったアジア諸国では増加しているが、日本では減少している。また被引用件数が上位10%の論文シェアで、日本は1996~1998年の平均で世界第4位だったが、2016~2018年は第9位と順位を落とした。また上位10%の論文数も、中国などが急増させる一方で、日本では減少している。研究力の低下と増えない博士は無関係ではないと思われる。 日本ではなぜ、博士号取得者が増加しないのだろうか?一つの理由として、博士号を取得してもその後の展望が明るくないということがあるだろう。そこで本稿では、計量分析を用いて、大学院博士号のリターンを推定しよう(注1)。 修士を含めたうえでの、大学院のリターンは一橋
![やはりなかった博士の賃金プレミアム 茂木洋之|全国就業実態パネル調査「日本の働き方を考える」2020|リクルートワークス研究所](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/63bcb1c07c271abb6efb449baca7410e7b1ca61f/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.works-i.com%2Fcolumn%2Fitem%2Fjpsed2020.jpg)