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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (27)

  • 結婚は素晴らしい v.s. 結婚は人生の墓場

    オススメを持ち寄って、まったりアツく語り合うスゴオフ。今回は「結婚」をテーマにした作品が集まったぞ。シーサー株式会社の一室を会場にして、結婚に夢を抱いている未婚の方も、結婚にだいぶ疲れた既婚の方も、生々しい話に及ぶ。 今回はいつもと違って、二つのアプローチから選んでもらった。すなわち、「結婚は素晴らしい」という肯定派と、「結婚人生の墓場だ」という否定派だ。 最初は、結婚のダークサイドな作品が中心に紹介されていたけれど、後半になるに従って、結婚をポジティブに捉えたが続々と出てくる。そういや、「結婚人生の墓場」という人には、「夜は墓場で運動会」と返しなさいって、ばっちゃが言ってた。 著者対決も面白い。林真理子のネガティブv.s.西原理恵子のポジティブを並べてみると、如実に出てくる。ゴジラ対ガメラの対決じみてて面白い。どっちに軍配が上がるかはレポートしているので、ご自身で判断してほしい

    結婚は素晴らしい v.s. 結婚は人生の墓場
  • なつかしい未来『月は無慈悲な夜の女王』

    とうとう読んでしまった、SFの最高傑作として名高い『月は無慈悲な夜の女王』。大事にとっといた一品をべてしまった、充実感と喪失感で胸一杯なところ。 地球からの搾取に苦しむ月世界人が、地球を相手に独立宣言をするストーリーラインに、テクノロジー、ハードサイエンス、ヒューマンドラマから、政治・経済・文化をてんこ盛りにしてくれる。 不思議なことに、未読のはずなのに既読感が激しい。どこを切っても「なつかしい」が出てくるのだ。 たとえば、“自我”を持つコンピュータ。自ら学び、自己生成プログラムを走らせる。人とコミュニケートし、自分を守るためにプロテクトをかけるあたり、『2001年宇宙の旅』のHAL9000や『わたしは真悟』を思い出す。そのコンピュータがきっかけで、普通の主人公が革命に関わってゆく様は、典型的な巻き込まれ型+召喚ヒーローもの。『マックス・ヘッドルーム』や『ジョウント』(スティーヴン・キン

    なつかしい未来『月は無慈悲な夜の女王』
  • 『レトリック感覚』と『レトリック認識』はスゴ本

    使い慣れた道具の構造が分かり、より効果的に扱えるようになる。これまでヒューリスティックに馴れていた手段が、一つ一つ狙い撃ちできるようになる。こいつ片手に、そこらのラノベを魔改造したり、漱石や維新を読み直したら、さぞかし楽しかろう。 レトリックというと、言葉をねじる修飾法とか、議論に勝つ説得術といった印象がある。もちろんその通り。アリストテレスによって弁論術・詩学として集大成され、ヨーロッパで精錬された修辞学は、言語に説得効果と美的効果を与える技術体系だ。 だが、「技巧や形式に走る」といって、棄ててしまったのが現代なのだと弾劾する。ものには名があるから、妙に飾らないで、名で呼ぶのがいい……そんな俗物的な言語写実主義の教訓が、私たちの楽天的すぎた科学主義=合理主義=実用主義と混ぜこぜになって、言語感覚を狂わせたのだという。 できあいの言語をじゅうぶん便利なコミュニケーションの道具と信じ、形

    『レトリック感覚』と『レトリック認識』はスゴ本
  • この「旅」の本がスゴい

    オススメを持ち寄って、まったり熱く語り合うスゴオフ。 今回のテーマは「旅」、様々な解釈ができるので面白い。地理的な移動をまとめた紀行文から選んでもいいし空想の旅もあり、「○○の旅」とタイトルから攻めても出てくる出てくる。まずは見てくれ、この旅の収穫。 鉄道 「旅マン」ほりのぶゆき(小学館) 「トラベル」横山裕一(Cue comics) チャリ・バイク・クルマ 「モーターサイクルダイヤリーズ」チェ・ゲバラ(角川文庫) 「がむしゃら1500キローわが青春の門出」浮谷東次郎(ちくま文庫) 「ああ、人生グランド・ツーリング」徳大寺有恒(NAVI BOOKS) 「スズキさんの休息と遍歴またはかくも誇らかなるドーシーボーの騎行」矢作俊彦 「行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅」石田ゆうすけ(幻冬舎文庫) 船旅 「星の航海師 ナイノア・トンプソンの肖像」星川淳(幻冬舎) 「KAZ

    この「旅」の本がスゴい
  • 「貧乏人の経済学」はスゴ本

    経済学者≒ソフィスト」と冷やかに観察しているが、書は例外。 なぜなら、後知恵の机上論を分かりよいストーリーに押し込んで一丁あがりにしないから。あらゆる問題を一般原理に還元し、紋切型に落とし込む発想を拒絶するから。解決策はランダム化対照試行(RCT:random control test)によって検証済のものだから。 紋切型の経済学者が唱える「銀の弾丸」はないものの、「こんな状況下でこういう対策を打つと、確かに効果が期待できる」といったシナリオは描ける。面白いことに、そのシナリオを支える理屈は、「いま」「ここ」にも適用できるセオリーであるところ。わたしが貧困の罠に陥っていない理由は、わたし個人の努力よりも、社会システムに依拠しているものが大であることが分かる。見えるもの(社会保険、公衆衛生、教育システム)だけでなく、そこからくる見えないもの(安心、安全)に二重三重に保護された「わたし」が

    「貧乏人の経済学」はスゴ本
  • 本好きが選んだ新潮文庫の160冊

    好きなを持ち寄って、まったりアツく語り合うスゴオフ。今回のテーマは「新潮文庫」。ジャンル不問・冊数未定でありながら、やってみるとむつかしい。 なぜと問うなら、自分の書棚と脳裏を浚ってみるといい。文芸、海外歴史、冒険、SF、純文、対談、ミステリー、ファンタジー、ドキュメンタリー、エッセイ、記憶から積山から、懐かしの一冊から流行りの新刊まで、いくらでも出てくるから。ありすぎて選べないのだ。 それでもムリヤリ選んだのが、「この新潮文庫がスゴい!(徹夜小説編)」。これは「新潮文庫」+「寝忘れる徹夜」という組み合わせで厳選したもの。そして、人力検索はてなで質問したのが、「『この新潮文庫がスゴい!』という、あなたのオススメを教えてください」になる。わたしの偏見「理系のはてな」を跳ね返す文理入り乱れの怒涛のラインナップが揃った。 そして、実際にみんなで語り合ったのがスゴオフ。新潮文庫の良さ(

    本好きが選んだ新潮文庫の160冊
  • 「音楽の科学」はスゴ本

    音楽とは何か? 音楽を「音楽」だと認識できるのは、なぜか? 音楽を「美しい」と感じたり、心を動かされるのは、なぜか? 音楽好きなら、誰でも一度は思ったことを、徹底的に調べ上げる。そして、究極の問いかけ、「音楽は普遍的なものか」に対して真正面から答えている―――答えは"No"なのだが、そこまでのプロセスがすごい。 類書として「響きの科楽」を読んでいるが、こちらのほうが入りやすい。リズムや平均律、協和音、周波数といった音楽に関するトピックを取り上げ、音楽と快楽のあいだにあるものを浮かび上がらせる。 いっぽう「音楽の科学」はかなり踏み込んでいる。音楽の定義から、楽曲と使う音の恣意性、「良い」メロディの考察、音楽のゲシュタルト原理、協和・不協和音、リズムと旋律、音色と楽器―――ほぼ全方位的に展開される。さらに、音楽を聴くときの脳の活性状態についての研究成果と、音楽に「ジャンル」がある理由、「音楽=

    「音楽の科学」はスゴ本
  • この本がスゴい!2011

    今年もお世話になりました、すべて「あなた」のおかげ。 このブログのタイトルは、「わたしが知らないスゴは、きっとあなたが読んでいる」。そして、このブログの目的は、「あなた」を探すこと。ともすると似たばかり淫するわたしに、「それがスゴいならコレは?」とオススメしたり、twitterやfacebookやtumblrで呟いたり、「これを読まずして語るな!」と叩いたり―――そんな「あなた」を探すのが、このブログの究極の目的だ。 昨年までの探索結果は、以下の通り。 このがスゴい!2010 このがスゴい!2009 このがスゴい!2008 このがスゴい!2007 このがスゴい!2006 このがスゴい!2005 このがスゴい!2004 昨年から始めたオフ会で、たくさんの気づきとオススメと出会いを、「あなた」からもらっている。目の前でチカラ強くプッシュしてもらったり、物語談義を丁々と続けたり

    この本がスゴい!2011
  • 3週間でやりなおす「高校数学の教科書」

    習うより慣れろ、学ぶより真似ろ。 やりなおし数学シリーズ。いつもと違うアタマの部分をカッカさせながら、3週間で一気通貫したぞ。もとは小飼弾さんへの質問「数学をやりなおす最適のテキストは?」から始まる。打てば響くように、吉田武「オイラーの贈物」が返ってくる……が、これには幾度も挫折しているので、「も少し入りやすいものを」リクエストしたら、これになった。 書の特徴は、「つながり」。アラカルト方式を改め、高校数学の体系を一化しているという。なるほど、上巻の「数と式」の和と差の積の形に半ば強引に持ち込むテクは、下巻の積分の展開でガンガン使うし、図形と関数はベクトルと行列の基礎訓練だったことに気づかされる。ベクトルが行列に、行列が確率行列に、さらに行列がθの回転運動や相似変換に「つながっている」ことが「分かった」とき、目の前がばばばーーーっと広がり、強制覚醒させられる。 上巻 1章 数と式 2章

    3週間でやりなおす「高校数学の教科書」
  • わが子がイジメられてるらしいと思った親が最初にしたこと

    それは記録。 背中が痛いと訴えてくる息子を裸にしたところ、広範囲に内出血跡を見つける。詳細は省くが、殴られたらしい。「すわイジメ」と気負いたつのではなく、ゆっくりと子どもの話を聞く。度を越した悪ふざけなのか、陰湿なやつなのか見きわめがつかないし、子どもの話なので一貫性が見出しにくい。 まず、子どもの話を遮ることなく最後まで聞く。たずねるニュアンスの「訊く」のではなく受け入れるように「聞く」。そいつを逐一記録する。客観的に述べるのは難しいだろう(大人だってそうだ)、だから矛盾点には目をつぶり、ありのまま記録してゆく。ついでに写真も撮っておく。トラブルが大きくなり、収拾がつかなくなってからではなく、(たとえ一面からでもそれを自覚しつつ)子どもからヒアリングを続ける。 次に、「親は味方だ」というメッセージを伝える。独りで抱え込むなという。どうしても言いたくないのであれば、無理に聞くことはない。親

    わが子がイジメられてるらしいと思った親が最初にしたこと
  • さよなら、日経

    ようやく、「リーマン日経」の呪縛を解くことができる。 「社会人になったら、ニッケイ・ヨクヨム」と呪文をかけられ幾年月。半導体は日の魂とか、(アメリカン・スタンダードという名の)グローバルスタンダードとか、中国ワッショイとか、いろいろ吹き込まれましたな。日経新聞だけでなく、日経ビジネスとか日経コンピュータとか日経コミュニケーションズとか、たくさん貢ぎましたな。 その結果→職場や会議卓で「話を合わせる」役にはたった。 ビジネスのヒントや、業界の動向や、はたまた日経済の先行きは、すでに新聞よりもRSS+クオリティ紙で充分。具体的には、「ニューズウィーク」「クーリエ・ジャポン」「フォーリン・アフェアーズ」になる([経緯])。「出勤途上で新聞に目を通す」という習慣は、とうの昔にやめた。車内を見渡してみて、あらためて気づく、新聞読んでる人は珍しい部類に入る(リクルートスーツ姿の人が読んでいるのは常

    さよなら、日経
  • 自分でエラーに気づくために「失敗のしくみ」

    『失敗のしくみ』は、現場のリスクマネジメントの好著。「失敗」の原因と対策について、ケアレスミスから重大な過失まで幅広くカバーしている。見開き左右に文+イラストの構成で非常に分かりやすい。 仕事上、センシティブな情報に触れることがあるし、失敗の許されない作業もある(この「許されない」とは、失敗したら損害賠償という意)。クリティカルな作業は、複数人でレビューを経た手順を追い、チェックリストを指差呼称するのがあたりまえ。それでもミスを完全になくすことはできない。テストファイルを番環境に突っこんだり、間違ったスクリプトを実行したり、ヒヤリハットは忘れた頃にやってくる。 ありえないミスとして、単位の取り違えも有名だろう。1999年に起きた火星探査機の墜落事故は、メートルとフィートを間違えたことが原因だし、2010年早々に発生した「2000年問題」は、10進数(10)と16進数(0x10)を取り違

    自分でエラーに気づくために「失敗のしくみ」
  • 大人のための数学「変化する世界をとらえる」

    やりなおし数学シリーズ。 ガチャピンの名言に、こんなものがある→「すごい!うみには、ふしぎな生き物がたくさんいるね」。うむ、きみのほうがよっぽど不思議だ。同様に、微積分を易しくかみ砕きながら、「sinを追いかけるcos波の高さが、sin波の(接線の)傾きだということは、不思議だよね」という著者に、同じセリフを贈ろう。 数学のプロフェッショナルでありながら、同時に数学へのワンダーを口にする、いわゆる「天然」なのだろうか。あるいは逆で、その「不思議さ」を感じ取れるように人だからこそ、数学の第一人者となったのだろうか。さておき、今回も愉しい数学の復習だった。わたしが高校生だったころ、微積分あたりから授業のペースについていけず、理解ではなく暗記ばかりでテストを乗り切っていた。その復習をしているだけで、なぜこんなにも面白いのか。 まず、分かるまでくりかえす姿勢だろう。単に数式の操作だけで証明するので

    大人のための数学「変化する世界をとらえる」
  • 屍体愛好者の憂鬱「ネクロフィリア」・「蟲」 【劇薬注意】

    久しぶりに、黒い文学シリーズ。 清く正しくエロティックな、いわゆる「表」ばかり読んでると、バランスとるために、黒くて臭くておぞましいものに触れたくなる。世の中、良心と道徳が清潔に行き渡っていると無邪気に信じる馬鹿にならないように読むのだが、「程度」の見当がつかなくなる。狂気と正気のあいだには、遮るものなどなにもない。例えば過去のエントリだと、こうなる。 「ジェローム神父」 マルキ・ド・サド×澁澤龍彦×会田誠 「ブラッドハーレーの馬車」 沙村広明 「城の中のイギリス人」 マンディアルグ つまり、道徳も反道徳も、単なる程度問題じゃね?善なんて量的に見て外野が判定するものじゃないか――といった、陳腐な結論に至る。だからといって書いてあることを実行しようなんて気は起きないけれど、それでも自分のリミッターカットができて満足しちゃう読書に相成る。 ここで描かれるのは、「愛」。ただし屍を愛する男の話。彼

    屍体愛好者の憂鬱「ネクロフィリア」・「蟲」 【劇薬注意】
  • やっぱり尻が好き「お尻とその穴の文化史」

    女は、尻だ。 もちろん、おっぱいも大切だ。そんなことはガッテン承知してる。しかし、おっぱいの谷底と、尻のあわいめ、どちらが見たい?と自ら質してみよう。結果は明白だ、おっぱいは尻の代替物なのだから。おっぱいの谷間から出てくるものは、色香や乳首にすぎない。いっぽう、お尻のあいだからは、糞尿だけでなく釈迦やキリスト、あなたやわたしも出てきたのだ。 そんなお尻好きへの逸品が、これ。 書は、偏見と差別の仕打ちを受けてきたお尻とその穴について、医学的・歴史的観点から考察している。アヌスの機能にはじまり、浣腸やスパンキング、ソドミーの歴史が、豊富な図表とともに紹介されている。同時に、お尻やアヌスに魅せられた人びとの芸術的成果が、古今東西関係なく紹介されている。肉体の最も秘められた部位に関する知見をもとに、古代からある命題「アヌスは性器か排泄器か?」について、あらためて考えると興味深い。 まず「お通じ」

    やっぱり尻が好き「お尻とその穴の文化史」
  • このミステリーがスゴい!ベスト・オブ・ベスト20

    「このミステリーがすごい!」の集大成を別冊宝島でやってる。 1988-2008年の過去20年でもっとも面白かったベスト・オブ・ベスト。だいたい予想のつく顔ぶれだ。これを見習って、書からマイベストを選んだ。ミステリの定義は長話になるので、書でランキングされているものとする。「なぜコレが入ってないッ!」ツッコミは当然のこと、「それがスゴいならコレを読め」はいつでも募集中ですゾ。はてなユーザーは「極上のミステリを教えてください」から回答していただくとポイントを振舞いますゾ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ■  国内編ベスト10 と 海外編ベスト10 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 以下のとおり、古いメンツばかりなんだが、どれも鉄板のオモシロさを保証する。そういや、最近ミステリミステリしたやつを読んでいないかも。 ■

    このミステリーがスゴい!ベスト・オブ・ベスト20
  • イノベーションの神話10

    見えてる穴に落ちていたことに気づかされる一冊。 革新的なアイディアは、どこからか「ふってくる」と考えている人は、けっこういる。わたしもその一人で、アイディア出しの手法・ツールを準備すれば、あとはインスピレーションの女神が降りてくるのを待つだけと考えていた…そして、今も待ちつづけている。 あるいは、天才肌のカリスマが全く新しいアイディアで世界を変えてしまうことを、「イノベーション」だと考えている人は、かなりいる。わたしもそう思ってた、iPod の「新しさは」ジョブズだから生まれたんだと、ね。 書を読んで、わたしの思い込みは粉砕された。もちろん、エジソンが電球を発明したわけじゃないことや、Google の最初のアイディアはYahooで却下されてたことは知っていた。が、知っていたにもかかわらず、わかっていなかった。著者はそれを、イノベーションの神話と呼ぶ。そして、 イノベーションにまつわる神話

    イノベーションの神話10
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 「DS文学全集」レビュー

    ポケットに文学全集、こんなん欲しかった。 類書、というか類ソフトはいくつか出ているが、これが決定版だな。いま夢野久作「少女地獄」が終わったところ。選書がいい感じなのと、Wi-Fiで新しいをダウンロードできるところがツボ。 ■1 操作性は良いが、満員電車に向かない このテの電子書籍は、おもちゃのようなガジェットが浮かんでは消えている。書(というか、ソフト)を読みながら、「買わなくてよかった」としみじみ。消えていったガジェット、いくつか店頭で試してみたことがあるが、「使うのにマニュアルが必要」というのが第一印象だった。 ページをめくる、戻す、特定の箇所までパラパラ送る。今のページ数と、あと何ページあるかを見る。しおりをはさむ、しおりまでたどる。ただを読むのに、実にさまざまなことをやっている。 DSでいいのは、こうした様々な操作を、タッチペンで直感的に扱えるところだろう。感覚的なスライド

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 「DS文学全集」レビュー
  • わたしの7つの「ふりかえり」

    [チームリーダーは「アジャイルレトロスペクティブズ」から盗め]の続き。わたしの「ふりかえり」をふりかえってみる。 ■01 定期的に、ふりかえる 実は、定期的なふりかえりは、したことがない。たいていは、プロジェクト終了直後や、さらにずっと後になって、「あんな時代もあったね」と語ることはあっても。ただし、「笑って話せる日」は絶対こない。笑わず小声で真剣に「あの二の舞だよ」、あるいは「まだ学習してへんのかッ」と刺す。 そういうチーム運営を定期的にふりかえる必要性に気づいただけでも、書に感謝しないと。 まずいチーム運営は、トラブルという見えやすい形でフィードバックをもらっていた。メンバーの不満や、作業プロセスのボトルネック、品質チェックの不備は、プログラマの喧嘩や明白なサボタージュ、収拾のつかないバグズライフに化す。 そして、「トラブルの対処」という形で皆の不満を吸い上げたり、手順書を見直したり

    わたしの7つの「ふりかえり」
  • なぜ片づけができないのか?「持たない暮らし」

    そもそも女は片づけなんてムリ。 「片づける=収納する=仕舞う」という固定観念から逃れることはできない。というのも、「なぜ片付けられないか」について唯一かつ根源的な原因が理解できないから→【答】モノが多すぎる。だから、仕舞うための「棚や箱というモノ」が部屋を占拠しはじめる。 ―― なんて嫁を挑発すると、「君のカイショーがないからだ」と一蹴。ごめんなさいがんばります。それでも、あふれるモノに侵蝕されているのは、わが家だけではない。だから、「持たない暮らし」なんてステキなが出る。 書の主張はシンプル。「もったいない」からといって、大量のモノを抱え込み、使いもせず、譲りもせず、捨てることもしない。そのうち、持っていることすら忘れてしまっている。死蔵品が部屋を占領しているのに気づかず、「収納できない…」と悩むのはバカバカしい。 だから、 使っていないものは、「使う人にあげる」、「売る」、「寄付す

    なぜ片づけができないのか?「持たない暮らし」