ノーベル物理学賞を昨年受賞した中村修二・米カリフォルニア大学教授(61)が22日、つくば国際会議場(茨城県つくば市竹園)で講演し、受賞対象となった青色発光ダイオード(LED)開発のエピソードを披露した。 研究者らの交流などに取り組むつくばサイエンス・アカデミー(SAT)の主催。SAT会長で1973年にノーベル物理学賞を受賞した江崎玲於奈博士(90)と来場者を交えてのトークセッションも行われた。 中村教授は、青色LED開発に着手したのは「ドクター(博士号)をとりたかったから」と話した。研究者の少なかった窒化ガリウムを材料とした理由として、「論文がないに等しい。5本くらい書けるだろうと思った」と明かした。 企業に勤めながら論文執筆できた理由を来場者に尋ねられると、「会社は論文禁止だった。全部無視しました」と語り、会場の笑いを誘っていた。