無線LAN用チップ大手の米Broadcom Corp.は,家庭のテレビとパソコンなどを無線LANで直接接続する仕様「Wi-Fi Direct」を,強く推進していく方針であることを明らかにした。米Broadcom社の日本法人であるブロードコム ジャパン シニアビジネスディベロップメントマネージャーの織田常治氏が,2010年10月8日に日経BP社主催したセミナー「NEテクノロジー・シンポジウム2010@CEATEC」で述べたもの。 Wi-Fi Directは,アクセス・ポイント無しで,テレビやノート・パソコン,スマートフォンなどを無線LANで接続するための仕様。「Wi-Fi Peer to Peer」とも呼ばれる。Broadcom社は今後,家庭内のさまざまな機器が無線LAN機能を搭載すると見込んでおり,その際に直接接続するWi-Fi Directのような機能が有効になるとみている。「Broad
前回、『写真に基づく3D空間構築手法の到達点』としてバラバラの写真から3D空間を構築する手法について取り上げた。コメントで言及された人もおられたが、MicrosoftはPhotosynthとして、同様にStructure-from-Motion (SfM)を用いて写真をつなぎ合わせ、インタラクティブにブラウズできるPhotosynthを公開している。 Photosynth Overhead View on Vimeo Photosynth + Bing Maps on Vimeo 現在、研究レベルではWeb上にアップされた不特定多数のユーザによる膨大な写真から街一つを再現するプロジェクトが推進されている。その名も"Building Rome in a Day"(ローマを一日にして成す)だ。下の動画はFlickr検索された画像から生成された3Dモデルを示している。本エントリでは、論文*1に基
トヨタの東富士テストセンターにあるドライビング・シミュレータのマネージャーは「NASAは同じようなものを1基持っていますが、かなり小さいですよ」と言う。 彼は白い猫を連れていないし、人民服を着ているわけでもない。しかし彼の制御室には、またたくランプやトグルスイッチがちりばめられたインダストリアル・グレイの調整卓がある。どこか向こうの方から日本語の声が聞こえてくる。「開始まで30秒。カウントダウン...」 少なくともそんな風に聞こえる。 強化ガラスの窓を通じて、わたしたちはジェイムズ・ボンド映画を撮影するパインウッド・スタジオのように見える飛行機の格納庫を見ている。あとはダニエル・クレイグとビキニを来た女の子がいれば完璧だ。フロアの上では、巨大なアルミ合金のトラックが正しい角度で突き出し、24,100馬力の電気モーターが構台をどんな方向にも移動させる。 その上には、最高速度22km/hで移動
F1のレーシング用エンジンは、規約がもっと多くの自由を認めていた頃の魅力を一部を失ってはいるが、現在使われているエンジンはどれも多くの時間とアイデアを必要とする高度に進んだ工学技術作品である。(エンジンによって生まれた力によって間接的に充電される2009年のKERSシステムを除き)エンジンはF1マシンの唯一の動力源であり、シャシーの構造部品である。 事実と数字 規約とエンジニアリング最適化のため、現在のエンジンはすべて同じタイプで、以下のような類似点を有している。 ・ F1エンジンはすべて自然吸気2400ccV8である。 ・ エンジンの回転数は18,000rpmに制限されている。 ・ 重量は正確に95kgである(各マニュファクチャラーは簡単にこの最低重量に達する)。 ・ エンジンブロックは、鋼鉄に比べ重量的アドバンテージがある鍛造アルミニウム合金製である。他の材質もさらなるアドバンテージを
先週土曜日のハンガロリンクまで、ヘルメットが見出しを飾るのは、ドライバーが新しいカラーリングを施すことに決めたり、チャリティのためにオークションにかけられたりするときしかなかった。しかしハンガリーGP予選中のフェリペ・マッサの劇的な事故のため、ドライバーの安全と、特に過去数年間のヘルメットの大きな進歩に注目が集まった。 F1レーシングの初期、優先されていたのは安全性ではなくスピードだった。伝説的なワールドチャンピオン、ファン・マニュエル・ファンジオは、簡単なバラクラヴァ帽でレースをするのを好んだ。しかし1953年、ファンジオも流れに逆らうことはできず、ヘルメットが義務づけられた。だが現在使われているヘルメットは、原始的な1950年代のヘルメットとはほとんど似たところがなく、数年間の研究開発の結果である。 FIAは、F1の安全性をあらゆる面から検討して基準を設けている。最新のヘルメット規約F
東レは,熱可塑性樹脂を母材に用いた炭素繊維強化樹脂(CFRP)の成形品を「人とくるまのテクノロジー展 2009」に出展していた(関連記事1)。同社は従来,熱硬化性樹脂を母材に用いた成形品の技術発表や展示を行っていたが,サイクルタイムの点で「量産に向くのは熱可塑性樹脂」(同社の説明員)。今後は,熱可塑性樹脂を用いたCFRPの研究開発を積極的に進めていくという。 前述の通り,CFRPには,母材に熱可塑性樹脂を用いるタイプ(CFRTP)と,熱硬化性樹脂を用いるタイプ(CFRTS)がある。現在,航空機や一般産業などの分野で使われているCFRPのほとんどは,母材に熱硬化性のエポキシ樹脂を用いたCFRTSである。 CFRTSの欠点は,サイクルタイムが長いことだ。東レは,型内に炭素繊維基材を置いて樹脂含浸後に硬化させるRTM(Resin Transfer Molding)法をベースに,CFRTSの高速成
5月20日から22日までの3日間、パシフィコ横浜において「人とくるまのテクノロジー展 2009」が開催されている。発表されたばかりの新型自動車の展示や画像認識技術を応用した運転支援システムの展示風景などをすでに西尾氏が記事として掲載しているが、今回はカーエレクトロニクスという視点で見かけた展示物の紹介をしたい。 会場の様子 注目の的はリチウムイオン電池 会場内に人だかりができていたブースをカーエレクトロニクスの視点で見ると、そこは日立グループのブースと東芝のブース。 何が注目を集めているかというと、ハイブリッド自動車(HEV)用の2次電池。現在の一般的な乗用車クラスに使用されている2次電池はニッケル水素電池だが、両社のブースに展示されているのはリチウムイオン電池。 日立のブースでは、先日発表したばかりの第4世代リチウムイオン電池のセルを展示していた。性能は出力密度が4,500W/kgで、2
今シーズンのF1GPも何かと話題を呼んでいるが、そんな話題の一つが「KERS」。 日本語にすると「運動エネルギー回生装置」となるこのデバイスには、機械式と電気式がある。機械式はフライホイールを回転させることでエネルギーを保存する方式で、電気式はモーターで発電した電力をバッテリーに保存し、加速時にそれを補助動力として利用するのだ。 こうしたエネルギー回生システムは、ハイブリッドカーや電動アシストサイクルでは当たり前のように使われている技術だ。もっともF1マシンの場合、重量増になったりトラブルの原因になったりと、必ずしもアドバンテージになる要素ではないのが現状のようである。 そんなKERSを「人とくるまのテクノロジー展2009」で見つけた。出展していたのは英国トロトラック社、フルトロイダル式無段変速機技術の専門会社だ。展示したKERSは、フライホイールはフライブリッドシステム社が開発、CVT部
ジルコテック社のプラズマ溶射コーティングは金属部品に応用されており、一部のアプリケーションでは表面温度を170℃以上低下させる。英国の原子力公社から独立した同社は以前からコンポジット・コーティングを開発しており、レースでのアプリケーションのためいくつかのF1チームにこれらコーティングのサンプルを提供している。ジルコテックの「設計した」多層ソリューションは、動作条件において層間剥離あるいは構造破損を予防するよう調節することができる。同社の "Thermohold" 技術に基づいたコーティングは強固であり、振動や機械的破損に対して極めて耐性がある。このコーティングはその下のコンポジット構造に非常によく付着する。 ジルコテックのセールス・マネージャー、ピーター・ホワイマンは「モータースポーツや航空宇宙分野の温度環境は、必ずしもコンポジットに向いていない」と語る。「そのため、より重い材料やかさばる
高速道路が発電所になる? 次に,振動から発電する技術について触れる。振動は,歩行時など熱よりもやや身近な場面で利用できるため,携帯機器などへの給電を目指した開発が多い(表2)。ただし,「首都高速道路全体の振動で東京23区内の家庭に供給する電力の4割に相当する4GW以上を発電できる」(音力発電)という試算もある。将来的な用途は微小発電だけとも限らない。 技術的には,タービン以外は,音を電力に変えるマイクとほぼ同じ技術が用いられている。ただし,振動のエネルギーは周波数と振幅によって決まるため,発電量は素子やモジュールの大きさに大きく依存する。寸法が1~2cm角かそれ以下の寸法の発電素子の発電能力は最大で数十μWと,決して大きくない。携帯機器でも,まずは2次電池に充電して使う用途が主体になる。 慶応義塾大学発のベンチャーである音力発電は,2007年になって寸法が約30cm×60cmの板の上を体重
情報通信研究機構(NICT)は,空中に浮かんだ映像を触って操作できるディスプレイ「フローティングタッチディスプレイ」を開発したと発表した。医療現場などで手を汚すことができない場合や,料理などで手が汚れている状況などでの利用を想定する。
電界と電流,二つの方式で 消費電力や伝送速度を競う各社 人体通信は信号の伝送方法によって,電界方式と電流方式の2種類に大別できる(「絶縁しても使える電界方式,電磁雑音に強い電流方式」を参照)。現在,国内ではNTTやアドソル日進,カイザーテクノロジーが電界方式を,KDDIと松下電工が電流方式を採用して,それぞれ独自に技術開発を進めている(表1)。 起爆剤の一つとなったFirmoは,電界方式を採用したNTTのRedTactonの製品化の第1弾で,製造・販売をNTTエレクトロニクスが担当している。7mm厚のカード型ID送信機と,電界を検知するセンサ電極を備えた受信機からなる。5MHz帯の搬送波を利用し,ID番号を約230kビット/秒で繰り返し発信する。ドアノブや床に埋め込んだ受信機がID信号を受け取って作動する。 送信機,人体,受信機とも接地面と容量結合しているために浮遊容量の変動が大きくなると
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