日本の製造業が生き残るためには新興国への進出はもはや避けられない。特に中国と並び、インドは重要な産業拠点となる可能性が高い。ところが、インドで知的財産を保護し、活用するために必要な現地の特許制度については、日本ではあまり知られていない。インド、日本、米国の特許事情に詳しいインド国特許弁理士のVinit Bapat氏と、三好内外国特許事務所所長で弁理士の伊藤正和氏が「インドと日本の特許制度の違い」について対談した。 伊藤: 「強制実施権」については、日本では形骸化していますが、インドではどのような扱いですか。 Bapat: インドでは、「強制実施権」が有効だと思われています。インドでは特許を持っていたら、基本的にインド国内で実施しなければいけません。実施していないと、ほかの人が「私に使わせてほしい」ということになり、ライセンス交渉の相談になります。それでも「使わせない」となった場合、「この