日経エレクトロニクス分解班の前には,「PSP-1000」および「PSP-2000」の内部がそのすべてをさらしていた。 既に,大方の解析は終えている。液晶モジュールも無線モジュールも,部材レベルまで解体された。もう,あらゆる部品は解体しつくしたはず…。場の空気が弛緩しかけたとき,技術者の一人が提案した。 「ねえ,あの電池モジュール,開けてみようよ」 それは,分解好きの技術者にとっては悪魔のような囁きだった。 モジュール内にムダな空間? PSPの電池モジュールには一つ,興味をそそる点があった。外装がゆるやかな曲面を持っていることだ。 もし角型の電池セルが入っているとすると,曲面がある分だけ内部に無駄な空間があることになる。 図1 PSP本体の筐体が持つ曲面に沿うように,電池モジュールの左端が薄くなっている。旧型「PSP-1000」の電池モジュール(下)は容量1800mAh,新型「PSP-200