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ブックマーク / www.anlyznews.com (26)

  • うわぁ、ノビーがまたやっちゃってるー

    と、経済評論家の池田信夫氏の「アベノミクスの挫折で深まる安倍政権の危機」と言う記事がつっ込まれていた。いつも通りミスの多い記述で、少なくとも四箇所、おかしいところがある。 まず、用語定義。「財政・金融政策で需要を追加しても、供給不足が悪化してコストプッシュ・インフレになるだけだ」とあるのだが、こういう場合は普通はディマンド・プル・インフレーションと言う。池田氏が普通かは存じないが。 次に、会計知識。「日銀は20兆円以上の評価損をこうむる。日銀は86兆円の紙幣をもっているので、それを発行すればいくらでも債務を埋めることができる」は、既存の債務(発行済み日銀券)で損失(評価損)を埋められると言う事になっていて、意味不明。 次に、マクロ金融の知識。「今のうちなら日銀がテーパリングの計画を示しても、すぐ金利が上昇するとは考えにくい」とあるのだが、一般に量的緩和を辞めたらインフレ懸念が下がるので、均

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    sin16waki
    sin16waki 2014/10/23
  • ニュースの社会科学的な裏側: あずまん、ソーカル事件の余波にもっと苦しもうよ

    現代思想の専門家で、批評家・作家の東浩紀氏がソーカル事件で現代人文思想が風評被害に晒されていると嘆いているらしい*1。風評被害と言う所がひっかかった。物理学の比喩をハッタリで使っていたデリダの研究者である東氏からすると、重度に意味不明な文章を書いていたラカンと一緒にされるのが嫌なようだ*2が、同罪に思える。東氏の姿勢にソーカルが批判していた部分が見え隠れするからだ。 1. 数学・科学用語を濫用するポストモダンな現代思想家 ソーカル事件からおさらいしておこう。1994年にアラン・ソーカルが数学・科学用語をデタラメに使った論文を作成し、著名評論誌にそれを送ったところ掲載されてしまい、ソーカル自身は数学・科学用語の使い方が間違っている事しか指摘していないが、現代思想のデタラメさが露見した事件である。ソーカルが書いた『「知」の欺瞞』を見ると、ドゥールズ、デリダ、ガタリ、イリガライ、ラカン・・・とポ

    ニュースの社会科学的な裏側: あずまん、ソーカル事件の余波にもっと苦しもうよ
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    sin16waki 2014/07/23
  • 香山リカは児童の心が壊れても気にしない

    橋下徹氏を“曖昧”に批判している香山リカ氏だが、状況を把握しないでテレビ討論会に望んでいたのか、その主張が不評だ(e.g. いま、香山リカ女史の無能さがヤバい)。香山リカ氏の主張が著しく論拠の欠く事から、大多数の感想は彼女に批判的である(livedoor ニュース)。 恐らく香山リカ氏は大阪府に関するニュースを全く読んでいないのであろう。「変化を訴える前に、目指すべき社会像を語るべき」と主張している。しかし、変化の方向性を理解できていない時点で、政治音痴も甚だしいと言わざるをえない。公務員削減が何を目的としているかと言えば、大阪府が財政再建団体に転落し、公共サービスの水準が落ちるのを防止するためだ。教育改革が必要なのは、大阪府の児童・生徒の学力が低下しているためだ。 学力低下の問題は、2008年9月から始まっており、橋下氏の目標が児童・生徒の学力向上にあるのは間違いない。それに府教育委員会

    香山リカは児童の心が壊れても気にしない
    sin16waki
    sin16waki 2014/02/24
  • 経済学を知ったかぶりするための独学方法

    すらたろう氏が独習者のためのおすすめ経済学入門テキストを紹介しているのを見て、ask.fmを始めたところ、経済学研究科に行かないで経済学を学ぶ方法を質問されたのを思い出した。 用途が分からないのだが、SNSで聞かれたのでSNSで使うための知識なのであろう。主に文系学問を学んできた人が、インターネットの交流サイトで経済学を知ったかぶりするための独学方法を考えてみたい。 1. 基礎的な数学を学ぶ 経済学は言葉として数学を利用しているため、ある程度の数学の知識が必要だ。記号の意味ぐらい分からないと、読み飛ばしもできない。しかし経済学の教科書の数学の説明は極端に省略されているので、やさしめの数学書を読んだ方が理解が深まる。線形代数、集合、位相、解析のイロハを学ぼう。 一般教養数学を履修していなかった人は、『微分・積分30講』と『線形代数30講』を読んでおく方が良いと思う。だらだら読んでいても一ヶ

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    sin16waki
    sin16waki 2013/12/25
  • 文芸評論家のための民主主義に関する読書ガイド

    文芸評論家の東浩紀氏の民主制度に対するツイートが人気になっていた。はてなブックマークに「民主主義について考えたいなら、政治学の教科書でも読んだほうがいい。」と言うコメントがついていたが、当に「政治学 補訂版」でも読んだ方が良さそうだ。文芸作品の読みすぎで、虚構と現実の見分けがつかなくなっている気がしなくも無い。 1. 政治学の知見が忘れ去られている 「民主主義(大衆の多数決による政策決定*1)」が暴走すると主張しているのだが、そんな事は大昔から理解されている。さらに現在の大半の国の民主制度*2では、それの防止は意識されている。代議士を選ぶ間接民主制で大衆による情緒的な意思決定は避けているし、行政や立法と距離のある司法制度で代議士の暴走も抑制されている*3。 2. 気に入らない政治が民主制度の暴力とは言えない 政治学の文脈を無視しているだけではなく、社会科学としての文脈も問題がある。東氏は

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    sin16waki
    sin16waki 2013/10/02
  • 「美しい国、日本」な安倍晋三の政策にある問題点

    予想通りに自民党総裁になり、次の内閣総理大臣だと目される安倍晋三元総理だが、このまま上手く選挙を乗り切れるか、その後の政局運営が上手く行くかは分からない。 機能性胃腸障害で辞めたはずだったのに難病の潰瘍性大腸炎だった事はともかく、安倍氏の政治姿勢に議論を呼びそうなものがあるからだ。 安倍氏は改憲派で、教育改革に関心が強い。この関心事項に問題はないが、安倍氏が改革したい方向が問題になる。さらに経済政策を全面に出さないのは、経済政策への無関心を表している可能性がある。 1. 改憲の方向を示さない改憲 改憲は、改憲の容易化を主張しているが、具体的な改憲案を全面に打ち出して選挙が行われた事がないのに、改憲が不合理に困難であるかは分からない。改憲の容易化後に、何をどう改憲したいのかを明らかにする必要がある。真の目的を明らかにしないと、その前段である第九十六条の修正も否定される可能性が高いであろう。も

    「美しい国、日本」な安倍晋三の政策にある問題点
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    sin16waki 2012/10/08
  • 現代マクロ経済学の基本モデルを知る

    以前に「イマドキのマクロ経済学には非自発的失業はねぇ!」と言う重鎮の若手への説教があったのだが、「良く勉強してから発言しろ!」では経済学の素養が無い人には事情を理解できないと思うので、解説してみたい。つまり、イマドキのマクロ経済学の基礎、実物的景気循環理論(RBC)における失業だ。コースワークで上級マクロ経済学を履修した人には、常識的な話となる。 1. マクロ経済学史の中心にいるRBC Wikipediaの記述に詳しくあるが、1937年にケインズの一般理論をヒックスがIS-LMモデルで解釈を行った後、新古典派の動学成長モデルがソロー・スワン・モデルから50年代、60年代に発達した。以前にDiamond OLGモデルを紹介したが、同じ年に開発されているRamseyモデルがRBCのベースになっている。 Ramseyモデルはマクロ経済学への貢献だけではなく、オイラー・ラグランジュ方程式やハミルト

    現代マクロ経済学の基本モデルを知る
  • 池田信夫『デフレを巡る3つの神話』を批判する

    経済評論家の池田信夫氏が「デフレを巡る3つの神話 日銀をいじめたらデフレから脱却できるのか」と言うコラムを書いているので、簡単に批判してみよう。 予想通りだが、【神話1】と【神話3】は経済学的なバックグラウンドを失った議論になっており、奇妙な言説になっている。評論するのは自由だが、クルッグマンのIt’s Baaack!論文を良く読んでからの方が、もっとまともな文章を書けると言わざるを得ない。 【神話1】不況の原因はデフレである 池田信夫氏はデフレが不況を引き起こさないと主張している。しかし、これは大きな留保条件がつく。つまり、(1)自然利子率が十分に高く、(2)賃金や価格の調整速度が十分に迅速な時のみ成立するからだ。 理論的には考えられる負の自然利子率の可能性(平田(2012))については言及していないし、慶應大学の小幡績氏が紹介した東大の渡辺努氏の研究では、価格が緩慢にしか下がらないこと

    池田信夫『デフレを巡る3つの神話』を批判する
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    sin16waki 2012/04/26
  • 日銀はクルッグマンの勧める政策をやったの?

    橋下大阪市長と経済評論家の池田信夫氏の間で、インフレ目標政策とリフレーション政策(量的緩和)についての混乱が続いている。 クルッグマンが主張しているのは、どちらかと言えばインフレ目標政策だ。単純なリフレと混同したままでは、日銀がクルッグマンが主張するような政策を既に行っていると言う頓珍漢な指摘が出てきてしまう。 クルッグマン主張と池田信夫氏の批判が噛みあっていないのを確認してみよう。 1. クルッグマンの主張は14年前からインフレ予測の引き上げ まずは橋下氏の発言だが「ノーベル経済学賞のクルーグマン氏は量的緩和論。中央銀行、もっと量的緩和やれよと」と、クルッグマンが量的緩和に効果があると認めているかのように主張している。これは間違いで、クルッグマンは1998年から14年間も、名目金利が限界までゼロに近い流動性の罠にはまっているときは量的緩和は無効で、インフレ予測を引き上げないといけないと言

    日銀はクルッグマンの勧める政策をやったの?
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    sin16waki 2012/04/25
  • インフレ目標政策に関する池田信夫の4つの誤信

    uncorrelated ソフトウェア・エンジニアJava JavaScript PostgreSQL Oracle 等を使っています。Oracle Certified Professional。Sun Certified Programmer。 詳細プロフィールを表示

    インフレ目標政策に関する池田信夫の4つの誤信
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    sin16waki 2012/04/22
  • 生活保護制度とベーシックインカムと負の所得税の違い

    『ベーシックインカムは「愚者の楽園」』『ベーカムは「愚者の楽園」追記』で橘玲氏が、産業革命勃興期に英国で実施されたスピーナムランド法の経験を元に、ベーシックインカムを否定している。しかし、批判は妥当とは言えない。 現在の生活保護制度の方がスピーナムランド法に近くなっており、ベーシックインカムは生活困窮者のインセンティブ・メカニズムにも考慮しているからだ。分かりづらい所もあるので、生活保護制度とベーシックインカム、そして負の所得税について違いをまとめてみた。 1. 生活保護制度とその問題点 スピーナムランド法は端的に言えば、所得が生活扶助額以下の困窮者に生活扶助額を与える、現在の日で行われている生活保護に近い制度だ。大雑把な例を図示する。 実線が手取り、破線が所得税や生活扶助費が無い状態を表す。実際の制度は、家族構成や居住地域資産の有無等で生活扶助を受けられる所得が変化し複雑だが、基的な

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  • ニュースの社会科学的な裏側: 一般意志2.0は世論調査にも劣る

    東浩紀氏の提唱している『一般意志2.0』は、ルソーの一般意思とは異なり意思決定メカニズムでは無く、「情報技術によってサポートされた、世論調査を遥かに超えた、細かい精度をもった民意の可視化システム」だそうだ(BLOGOS)。定義不可能な“民意”は論理的に可視化できない(もしくは“民意”から“正解”は導き出せない)わけだが、それを置いたとしても、世論調査をSNSデータのテキスト・マイニングが超える事は無い。 1. サンプリング・バイアスの問題 「分布の状態を調べる上でランダムサンプリングであることほど重要なことはねぇんだよ」と端的に指摘している人もいる(唐突に分布の話をしているように思えるが、東氏が『「一般意志2.0」のシステムで出てくるのは、どちらかというと、様々な意見がどのように分布しているかという一つの地図』と説明している)のだが、もう少し平易に補足してみよう。Twitter2chやニ

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  • 集団的知能の限界

    SNSの普及でインターネット上には多様な意見が氾濫するようになった。巨大なデータベースになっている。そしてテキスト・マイニング技術の発達で、このデータベースは効率的に利用できるようになった。検索サーバーを通して必要そうな情報に高速に辿り着けるようになった事はもちろん、検索キーワードのトレンドも可視化(Google Trends)され、Twitterの情報で流行予測や選挙予報をするなどの応用もされはじめている(クチコミ@参院選2010)。 1. 集団的知能は「正解」が分かるときに機能する これらの応用事例には一つ特徴があって、“正解”が分かる事に適用されている。流行や選挙は事後的に結果が判明するし、検索サーバーも検索結果が妥当なものかは、主観的にでも判断は可能であろう。不適切な結果が出るシステムであれば、それは改修・修正される。ゆえに、意見・見解の集約は行わない。対立する意見があった場合、ど

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    sin16waki
    sin16waki 2012/01/15
  • 統計学を勉強するときに知っておきたい7つのポイント

    マイクロソフト社が技術分野でもっと熱い専攻の一つとして分析/統計をあげている(Microsoft JobsBlog)。同社以外でも統計学は、今後最も有益なスキルの一つだと考えているようだ(NYT - For Today’s Graduate, Just One Word: Statistics)。しかし、データマイニングの話も一般化しつつあって学習ノウハウなども公開されているが、経験にあわない部分が多い。統計学を初めて勉強するときに知っておいた方が良い7つのポイントをあげてみた。 1. 学習機会やテキストは山のようにあるので利用する 確率・統計の日語テキストは山のようにあり、大学のコースワークを振り返っても、理文問わずにほとんどの学部で確率・統計はあったはずだ。大学院のコースワークでは英語の文献を好む傾向があるが、上級テキストでも日語のものも少なくない。また「マンガでわかる統計学」のよ

    統計学を勉強するときに知っておきたい7つのポイント
  • 現代思想としての『物理数学の直観的方法』

    『物理数学の直観的方法』と言うがある。初版は1987年10月5日に出されているが、普及版が2011年9月20日に出されていたので、紹介してみたい。 著者は現在は研究者ではないようだが、理論物理を専攻していた人物で、物理学者などを含めて多くの人が書を高く評価している。社会科学、特に経済学は物理学の数学部分を模範としており、文系が読んでも得るものが多いはずだ。 1. 文系にも関連する内容 書で取り上げている分野は幅広いが、文系にも関係があるものが多い。第1章線積分、面積分、全微分、第2章テーラー展開、第3章行列式と固有値、第6章のε-δ論法と位相空間は多くの文系学生が学ぶものだ。他の章、第7章フーリエ級数・フーリエ変換はBS式の関係でファイナンス理論の人には親しみがあるであろうし、第10章解析力学は経済学のマクロ動学理論の人には必須だ。ただし厳密な説明や練習問題は一切無いので、テキストを

    現代思想としての『物理数学の直観的方法』
  • 一般意志2.0に漂う素人臭

    東浩紀氏と言う現代思想の専門家がいる。批評家・作家と言う方が良いのかも知れない。最近、氏が「一般意志2.0」を提唱しだした。 著名人の最新作なので、精神科医の斎藤環氏などの書評は色々出ている(朝日新聞社の書評サイト)。ウェブ学会の動画などで、東浩紀氏の説明も見る事ができる。 それらによると、「一般意志2.0」は、フランスの思想家ルソーが提唱した概念である「一般意思」を、インターネット上のデータから特定アルゴリズムでロボットが機械的に汲み上げ、それを政治に反映させようと言う事のようだ。ソフトウェア技術者から見ると、「一般意志2.0」は素人の妄想にしか思えない。 まず、ルソーが主張した「一般意志」が存在するか否かが分からない。「一般意志」は有権者全員と意見を相違する可能性もある、浮世を超越した何かだからだ。人々が好き勝手な思いで何かを主張しているソーシャル・ネットワークから、それら全てと相反す

    一般意志2.0に漂う素人臭
  • 経済学を学習すると疑心暗鬼に陥る

    大東文化大学の郡司大志氏の「やさしい経済学論文を紹介しやがれ」と言う呼びかけに応じて、多くの論文が紹介された(やさしい経済学論文)。その中で、北海道大学の大野由夏氏が紹介していた論文を拝読したので、紹介したい。 1. 初歩的な知識で読める論文 Frank, Gilovich and Regan(1993)は、経済学教育がプレイヤーの戦略に与える影響を分析している論文だ。今風で言えば実験経済学になり、理学系心理学に近いアプローチをとっている。初歩的なゲーム理論の知識と重回帰分析(OLS)の知識さえあれば読める。 2. 問題意識と結論はシンプル ゲーム理論のナッシュ非協力ゲームの囚人のジレンマは、有名な問題だ。もしプレイヤー同士が協力し合えば多くの利得を得る事ができたとしても、他者が裏切ると予想することで協力し合うことができない。筆者らは、経済学を学習することで、この囚人のジレンマを引き起こ

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  • イタイイタイ病とセシウム汚染土壌の違い

    福島県の放射性セシウムに汚染された土壌の除染に関連し、イタイイタイ病のカドミウム要因も科学的に不明だと言う指摘があった。土壌汚染と言う面では似た事象ではあるが、確認されている科学的な事実の水準と状況は大きく異なるので指摘したい。 まず、イタイイタイ病(慢性カドミウム中毒)と、チェルノブイリ(放射性セシウムによる低レベル長期被曝)は状況が全く異なる。前者は存在が確認された問題で、後者は被害を確認できていない状況だ。次に、除染技術は進歩しており、イタイイタイ病のときの除染活動の費用計算から、そのまま福島の除染費用を計算する事もできない。 汚染レベルが高い地域の放射性セシウムの除染は、イタイイタイ病の経験と関係なく必要で、両者を関連付けた議論は意味が無い。イタイイタイ病のレベルの健康被害が放射性セシウムに確認されていたら、もっと状況は深刻に捉えられている。 1. イタイイタイ病は存在するが、放射

    イタイイタイ病とセシウム汚染土壌の違い
    sin16waki
    sin16waki 2011/09/20
    イタイイタイ病とセシウム汚染土壌の違い: ニュースの社会科学的な裏側
  • 高齢者雇用対策と若年失業率

    厚生年金の支給開始年齢の引き上げで、退職年齢と年金支給開始年齢に差が出る事から、企業に65歳までの再雇用を義務付ける現行の制度をより厳格にする方向になっているそうだ。ただし、定年の延長の義務化は見送られる。 この高齢者雇用対策に関して、労務屋ブログでは若年者雇用に与える影響は少ないものの若者の不満を高めると指摘している。それを受けて、濱口氏が「ワカモノの味方神聖同盟?」で高齢者の自活を促進するほうが、社会保障制度の面から若者の負担が少ないと指摘している。主張はどちらも正しいが、議論が噛みあっていない。 1. 定年延長?再雇用義務化? まず、定年延長か再雇用かと言う点で、事実認識で両者に相違がある。労務屋ブログでは「今回のような、全世代被雇用者100万人のところ定年延長を行って」と言っているので、何故か定年延長だとしている。これは報道と一致しない。濱口氏は「定年後の処遇をがくんと落とすことで

    高齢者雇用対策と若年失業率
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    sin16waki 2011/09/14
    高齢者雇用対策と若年失業率: ニュースの社会科学的な裏側
  • 電気代が人頭税? ─ 池田信夫と藤沢数希が経済学音痴を露呈する

    人頭税は全ての国民1人につき一定額を課す税金の事だ。経済学者を自称する池田信夫氏と、人気ブロガーの藤沢数希氏が電気代が人頭税だと言っている。 税金では無いのは、電気が現代生活に不可欠と言う事で同等だと理解を示そう。しかし、電気代は重量課金だし、基料金も契約に応じて変化し、家族構成とも関係ないので、定義上は人頭税とはとても言えない。そもそも電力消費における家庭の割合は約29%だ。そして実質的にも、電気代は人頭税とは言えない。 1. 金持ちは電気を多く消費する 貧乏人も金持ちも同じ額の電気代を払っているって? ─ そんなわけがない。 経済学の入門テキストには、電気は必需品だから需要の所得弾力性が低いと書いてある。確かに所得が倍になっても、電気を倍使うわけではないであろう(追記(2012/05/31 22:10):推定では大雑把に1.28倍程度)。しかし、金持ちは光熱費のかかる広い家に住み、電

    電気代が人頭税? ─ 池田信夫と藤沢数希が経済学音痴を露呈する
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    sin16waki 2011/07/04
    池田信夫は政治(哲学)とメディア(権力/ゲーム)論、藤沢数希は金融論に寄っているので、経済学の細かい所まで手が回らず微妙な内容になってしまいがちだということだろうか。