私もタヌキというアスペルガーとおぼしき配偶者がいる。 だから一応よんでおこうかと…思ったわけだ。 この本はアスペルガーのパートナーを持つ女性によって書かれたものだ。 さほど厚くなく、活字も大きめなのでさらっと読める。 さて。 アスペルガー症候群者を夫や恋人に持つ女性は鬱になりやすいという話はよく聞く。 それはカサンドラ愛情剥奪症候群という名前で、海外ではすでにある程度認知されている現象だが、そういった事態になるリスクを最小限にするために著者はこの本を書いたという。 アスペルガーのパートナーにありがちな行動、それを女性側がどうとらえていったらいいか?が、どうやって女性自身が自分を保っていけるようにできるかについての提案とともに書かれている。 さて、この本を読んでどう思ったか? というより、私が読みながらどういう状態になったか? 実は…目をひんむいて読みふけり、腹を抱えて笑ってしまうこと数回以
セクハラの誕生: 日本上陸から現在まで 作者: 原山擁平出版社/メーカー: 東京書籍発売日: 2011/06/22メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (5件) を見る 内容説明 セクシャル・ハラスメントが日本に本格上陸してから30年、「流行語大賞」受賞から20年、そして今。 議論を呼びながら定着していった新しい概念は日本社会をどう変えたのか? バブルと狂騒の80年代を背景に、〈セクハラ〉の上陸を決定づけた2つの裁判の当事者たちの証言から描き出す。 渾身のノンフィクション巨編! この本、「西船橋駅ホーム転落死事件」「福岡裁判」という、日本での「セクハラ」の概念をつくる大きなターニングポイントとなった2つの裁判を描いたノンフィクションです。 1986年1月14日に起こった「西船橋駅ホーム転落死事件」のあらましは、以下の通りです(Wikipediaの「事件概要」より)。 1
関係する女 所有する男 (講談社現代新書) 作者: 斎藤環出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/09/17メディア: 新書購入: 27人 クリック: 497回この商品を含むブログ (47件) を見る 新刊出ました。基本的にジェンダー本です。 ただでさえジェンダー本は誤解や反発を受けやすいうえ、生物主義的なジェンダー理解への徹底批判に抵抗を覚える方もいることでしょう。 主張したいことはおおむね書き尽くしたつもりですし、後付けで著者が意図を説明するのは反則かもしれませんが、念のために書いておきます。 この本では、ジェンダーの差異がもたらす一定のリアリティをひとまずは肯定した上で、そのリアリティがけっこう無根拠だったり曖昧だったりもするという事実を検証しようと試みました。 だから生物主義の批判は必然的な手続きなんですね。男女格差本のパロディというスタイルにしても、「関係原理」や「所有原理
赤坂 真理 / 『モテたい理由 男の受難・女の業』 / 2007-12-19 / 講談社現代新書 / B はじめに 個別の議論については「鋭いなぁ」と感心することしきりなのだけど、全体としては首をひねりながら読んで、読み終わってもやっぱりすとんと納得できないもやもやが残る、そういう作品でした。 何とかそのもやもやが晴れてきたので、それをまとめてみました。 赤坂真理のファンではない人がこの『モテたい理由』を読んで理解できなかったり嫌いになりそうになったときに、どう読んだらいいのかのヒントを提供できるように書いてみます。 前半には私個人の意見を、後半に他の方のblogからこれはと思われる感想や書評を取り上げてみます。 結論を先に言ってしまうと、この本は「モテ」を取り上げてはいますがモテや男女論は主題ではないのです。 テーマは、これまでの赤坂真理の小説と同じく「生きにくさ」「閉塞感」なのです
2007年12月26日08:30 カテゴリ書評/画評/品評Love 男女論の最高峰 - 書評 - モテたい理由 マーフィーの法則、書評ブログ篇。 モテたい理由 赤坂真理 スゴ本は、まとめ記事を出した後にやってくる。 今年読んだエッセイの中で最高傑作。面白くなかったら買い取るを通り越して、買い占めて配りたいぐらいの一冊。 本書「モテたい理由」は、副題に「男の受難・女の業」とあるように、男女論である。書籍にもblogosphereにも掃いて捨ててもまだ捨てきれぬほどありふれているあの男女論である。はっきり言ってレッドオーシャンである。そのレッドオーシャンの中に埋もれない力強さを、本書は持っている。 目次 - BOOK倶楽部より 第1章 女の目から見た世界 第2章 獰猛な恋愛資本主義 第3章 蔓延するライフスタイル語り 第4章 女子が生きるファンタジー 第5章 ライフスタイルの先祖たち 第6章
2008年11月12日03:00 カテゴリ書評/画評/品評Love むしろ肉食系が読むべき - 書評 - 草食系男子の恋愛学 メディアファクトリー永井様より献本御礼。 草食系男子の恋愛学 森岡正博 ぐぬぬ。 関係者は、本書の対象読者を誤って設定してしまったのではないか。 本書「草食系男子の恋愛学」は、「草食系」男子、すなわち自らは恋愛に積極的になれないにも関わらず、恋愛を渇望している男子が、いかに異性と恋愛するかについて、自らも草食系である著者が自らの失敗経験を元に綴った一冊--であるはずだった。 目次 - Amazonより はじめに 私はなぜこの本を書くのか 第1章 女性に集中し、話をよく聴くこと~いまこの時の大切さを知る~ 1「私だけに集中してくれる」が女性の求めるもの 2 心を通わせるための「話の聴き方」 3「あなたを尊重しています」を伝えること 第2章 女性の「身」になって考えるこ
森岡正博『草食系男子の恋愛学』(メディアファクトリー、定価1050円)という本を2008年7月に出しました。その後、「草食系男子」という言葉がメディアでどんどん広がっていって、2009年には流行語になりました。 草食系男子の恋愛学 (MF文庫ダ・ヴィンチ) 作者: 森岡正博出版社/メーカー: KADOKAWA / メディアファクトリー発売日: 2015/11/06メディア: Kindle版この商品を含むブログ (2件) を見る 草食系男子とは、「新世代の優しい男性のことで、異性をがつがつと求める肉食系ではない。異性と肩を並べて優しく草を食べることを願う、草食系の男性のこと」だと、本の中では書きました。基本的に心が優しく、自分の欲望をがつがつ押していくのが苦手で、傷つくことと相手を傷つけることが苦手で、性欲や恋愛願望はあるが、それほど積極的ではないという感じの男性でしょうね。上記の本の表紙に
はてなグループの終了日を2020年1月31日(金)に決定しました 以下のエントリの通り、今年末を目処にはてなグループを終了予定である旨をお知らせしておりました。 2019年末を目処に、はてなグループの提供を終了する予定です - はてなグループ日記 このたび、正式に終了日を決定いたしましたので、以下の通りご確認ください。 終了日: 2020年1月31日(金) エクスポート希望申請期限:2020年1月31日(金) 終了日以降は、はてなグループの閲覧および投稿は行えません。日記のエクスポートが必要な方は以下の記事にしたがって手続きをしてください。 はてなグループに投稿された日記データのエクスポートについて - はてなグループ日記 ご利用のみなさまにはご迷惑をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。 2020-06-25 追記 はてなグループ日記のエクスポートデータは2020年2月28
草食系男子の恋愛学 作者: 森岡正博出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2008/07/16メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 106人 クリック: 2,311回この商品を含むブログ (119件) を見るid:kanjinaiとしてブログも書かれている、森岡正博氏の「草食系男子の恋愛学」を読んだ。好著。 この本では、「女性は男性に対し、必ずしも『社会的能力』や『男らしさ』を求めるわけではなく、『安らぎ』や『癒し』を第一に求める女性も非常に多い」ということが、繰り返し書かれている。これが、この本で森岡氏が主張したいことの核心なのだろう。 この主張をベースに、「男らしい男=デキる男=モテる男」という理解が一般的で、男性自身もそう思い込みがちな恋愛において、「癒し系」の「草食系男子」たちが、いかにして内面化した劣等感を克服して恋人を得、その女性と良い関係を維持していくかという
今週は、女をモノ扱いし女の人格を尊重しない男が世の中には多いので、女性にとって性的に欲望されることは単純に歓迎できないという話のブクマタワーがどんどん高くなっていくのを、あっけにとられて見ていた。 おそらくここでも、内容の是非というよりは話法を巡って(もちろん話法は立ち位置に深く関係する)対立や齟齬が生じていると思われるが、それに深入り言及するのは避ける。 一つだけ、ブコメやハイクでid:simplemindさんが、何の得にもならないのに焼け石に水的な介入と議論整理の努力をされているのに少し感動した。特に感心したのは(別の記事のメタブだが)これ。 自分の事を「殴るどころか怒った事もない優しい性格」だと長年思ってたけど単に人と距離を置いてただけだと結構最近気が付いた/自分の暴力衝動とどう付き合うかは強さとか優しさだけじゃなく経験とか技術も要るよね http://b.hatena.ne.jp/
こんにちは、kobeniです。きょうは長めなので前置きなしです。この本↓を読んだ感想を書きます。お忙しい方は見出しだけ読んでみてくださいね。 迷走する両立支援―いま、子どもをもって働くということ 作者: 萩原久美子出版社/メーカー: 太郎次郎社エディタス発売日: 2006/07メディア: 単行本購入: 11人 クリック: 82回この商品を含むブログ (37件) を見る 「少子化対策」機運の高まりにより、2000年以降の「家庭と仕事の両立支援策」は、かつてないほど進んだと言われます。2003年に次世代育成支援対策推進法が成立し、「ファミリーフレンドリー企業」等の言葉も聞かれるようになりました。この本は、両立支援の追い風の中で、出産や育児を迎えた母親達に100人近く取材を重ねることで見えてきた、両立支援にかかわる幅広く複雑な問題を、丁寧に書いています。 最初にことわっておくと、この本では、いわ
メイド喫茶元オーナーが書いた 女の子の取扱い説明書 *Kindle版アリ 【本の概要】◆今日ご紹介するのは、結構使える「モテ本」。 タイトル&装丁でスルーしがち(私もそうでした)ですけど、中身は「かなり真っ当」なので、読んで思わずビックリしました。 アマゾンの内容紹介から。メイド喫茶元オーナーが書いた恋愛指南書。 女の子はもう怖くない! 女の子は、こんなことを考えていたのか! 目からウロコの思いです。 なお、タイトルはもちろんホッテントリメーカー作でございます。 いつも応援ありがとうございます! 【目次】女の子をひとくくりにしてしまうことが、そもそもの間違い 女の子は外見で好きになる。男子の君がそうであるように 女の子は男子の何倍もモテたがっている 女の子は絶対平和主義 イイヒトでいいじゃないですか。イイヒトから始めよう ベタでわかりやすいキャラになること 女の子との会話は、女の子に喋らせ
タイトルが面白かったので、橋本治の新刊『あなたの苦手な彼女について』(ちくま新書)を読んでみた。書名からは分かりにくいが、これは「男にとってフェミニズムとは何か」を論じた本である、と要約しても、さほど間違っていないと思う(正確に言えば、話はいろんな方向に飛ぶ。古事記の時代はどうだったとか)。表紙カバーに印刷された本文からの引用が、この本の内容を非常に的確に要約している。 …男は「女」を差別なんかしません。その逆に、大切にしようと思います。でも、この「女」は、「自分の恋愛の対象にしたいとおもう女」だけです。そこからはずれたものは「女」ではなくて、ただ「どうでもいい」なのです。…男にとっての「男女平等」は、「どうでもいい女をどう位置付けるか」でしかない。……… あなたの苦手な彼女について (ちくま新書)作者: 橋本治出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/12/10メディア: 新書 僕
先月の話ですが、bk1で面白そうな新書を見つけました。タイトルは『男は、なぜ缶コーヒーが好きなのか?』です。 身近に「何はともあれコーヒー」というひとがいて、気がつけば、いつも片手に缶コーヒーを持っているのです。そのひとに感化されて、何度か、缶コーヒーを昼食後や、昼過ぎに飲んでみましたが、習慣化には至りませんでした。量販店でまとめ買いするならまだしも、自販機や店頭で缶コーヒーを買うと100円〜120円します。1日に3本も飲めば、1ヶ月でそれなりの額になります。いったい、缶コーヒーの何が、そんなに魅力的なのでしょうか……? 『男は、なぜ缶コーヒーが好きなのか?』は、そんな秋山の素朴な疑問に回答をもたらしてくれそうな良書に見えました。 そんな訳で、とりあえずカートに入れました。そして、次の日、都内の某書店にて、偶然、この本を見つけるのです。 「あ、昨日、カートに入れた本じゃん。後で買うけれど、
親が読んで、ほっとする本。 フェミニストが何と言おうが、男の子の子育てと、女の子の子育ては、ちがう。男女は、性差ではなく性格が性別に定着していくもの。つまり、「男の子らしさ」や「女の子らしさ」は、お互いもともともっており、成長の過程で(主として環境により)際立たせられていくものでないかと。 しかし、ほとんどの育児本は、性差を意識していないか、あるいは「男の子限定」の内容となっている。なぜなら、育児本を手にするのはたいていママだから。「女の子=自分が小さかった頃」を考えて、自分を基準にしてしまうだろうから。 そんなニッチにピッタリとあてはまる本を読んだ。なじみの図書館の予約待ち順位は、「100位」。amazonでは見えにくいが、本書がどれだけ望まれているか、よく分かる数字だ。娘を持つ親のためのアドバイスが満載しており、まさにいま読みたかった一冊。 とはいうものの、デジャヴ感やライフハック臭も
内田樹新刊。テーマはフェミニズム批判である*1。とはいえ、内田は批判に主軸を置いていない。フェミニズム退潮の原因をさぐり、なぜフェミニズムは知的威信を失ったのかを検証し、かつてフェミニズムが達成した文化的成果のうちで良質なものを見直そうというのがこの本の目的になっている。内田はこの作業について、「フェミニズムという船は沈みかかっているけれど、だからといって、ここまで運んできた財宝(知的達成)まで一緒に沈めてしまうのはもったいない。だから持ち出せるだけのものは持ち出して、これからも使うのだ」と例えており、「ポジティブな再検討」といっていいとおもう。 旧態依然としたフェミニズム的価値観──これを内田は「私たちは『そういうことばづかい』で何かを説明されることにしだいにうんざりしてくるのだ」と説明している──をふりまわすような人、ステレオタイプなフェミニストを素でやっているような人がほとんどいなく
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