アスベスト(石綿)関連がんの中皮腫による国内の死者が、昨年1年間で1209人に上っていたことが厚生労働省の人口動態統計で分かった。現在の中皮腫統計が始まった15年前の2.4倍にあたる。専門家は死者数は今後も増え続けるとみて、国に対策の充実を求めている。 中皮腫の死者は、95年に500人だったが00年に710人、06年は1050人と1000人を超えた。09年は前年より14人減って1156人だったが、10年は前年比53人も増えた。10年の都道府県別の死者は▽兵庫122人▽大阪121人▽東京101人--の順に多かった。 国内では現在、石綿の使用が原則的に禁止されているが、多くの中皮腫の潜伏期間は20~60年。 古谷杉郎・石綿対策全国連絡会議事務局長は「過去の石綿消費から今後10年以上、死者が増えると予想される。患者の診断漏れを防ぎ、救済にもつなげるため、全国的な中皮腫登録制度が必要だ。どういう人