ヒトと、ヒトに最も近い種で絶滅したネアンデルタール人のゲノム(全遺伝情報)を独米などの研究チームが比較した結果、過去に一部が混血し、ヒトにもネアンデルタール人に由来する遺伝子が残っている可能性があることが分かった。チームが7日発行の米科学誌サイエンスに発表した。【斎藤広子】 独マックスプランク進化人類学研究所などの研究チームは、クロアチアで出土した約3万8000年前のネアンデルタール人3体の骨の化石の細胞核からDNAを取り出し、ゲノムを解析。アフリカ南部▽同西部▽パプアニューギニア▽中国▽フランスのヒト5人のゲノムと比較した。その結果、アフリカ人を除く3人の方がネアンデルタール人のゲノムと一致する率がわずかに高かった。チームは、アフリカで誕生したヒトの一部が8万年前以降にアフリカを離れた後、ユーラシア大陸に広がる前に中東近辺でネアンデルタール人と混血した可能性があると指摘。「ヒトの遺伝子の