一時のブームに沸いたシェールガス業界の崩壊は、環境の面からも、雇用の面からも必然であった。同業界が創出すると期待された雇用の数は大幅に水増しされており、しかも、その多くはすでに存在していない。 by Colin Jerolmack2021.07.04 99 9 8 水圧破砕法(フラッキング)と呼ばれるシェールガスと石油の採掘は、米国の製造業において、数百万とまでは行かなくとも数十万人の雇用を創出するとして、しばしば保守派の支持を得てきた。なかでもペンシルベニア州は、「天然ガスのサウジアラビア」とたとえられるほどに、水圧破砕産業の看板的な役割を担っていた。ところが実際には、ペンシルベニアだけでなくオハイオなど近隣の州でも、創出された雇用の数は期待をはるかに下回り、しかも今ではその多くが消滅してしまっている。 この記事はマガジン「脱炭素イノベーション」に収録されています。 マガジンの紹介 例え