記者会見で東大の授業料改定案について説明する藤井輝夫学長=東京都文京区の東大本郷キャンパスで2024年9月10日午後6時32分、西本紗保美撮影 20年ぶりとなる東京大の授業料値上げが正式に決まった。「大学無償化」も議論されているいま、なぜ値上げなのか。背景には、国立大学協会が「もう限界」と表現するほど厳しい財務状況がある。 「東京大学でこれから学ぶ学生のための教育学修環境の改善は『待ったなし』である」。東大は24日にホームページで公表した文書で、値上げがそうした環境改善の「安定的・基盤的な資源」になると説明した。 東大が値上げに踏み切った要因に、運営費交付金の削減がある。2005年度以降、授業料の標準額は据え置かれた一方、各大学の基盤的経費となる国からの運営費交付金は少子化や国の財政難を理由に削られ続けている。24年度は総額1兆784億円で、04年度に比べて13%減少した。 6月に東大生と