小谷:世界経済を見渡すと、一時期隆盛を誇ったアメリカの資本主義に対して、中国のような国家主導の経済の方が圧倒的に伸びてきている。資本主義と国家主導主義、どちらが正解なのですか。 伊藤:これは恐らく、国の経済の発展段階によると思います。発展途上段階では、政治的には民衆を抑圧しながらも、優れた少数のリーダーが旗を振ってやった方が成長していくんだという議論があります。例えばかつての韓国がそうですね。軍事政権でした。シンガポールも、大変に立派なリーダーであるリー・クアンユー氏が作り上げてきた国ですね。 小谷:経済成長に勢いがありますね。 独裁政権の方がうまくいく発展段階もある 伊藤:それがインドのように、非常に民主的だけれども、みんな勝手なことを言って成長をできなかった国よりはいいということかもしれない。ではそれでずっといけるかというと、そうではない。恐らく中国は今そこに突き当たっています。よく「