貨幣の発行について難しく考えている人がいるようだが、原理は資産の証券化と似たものである。「証券化」を「貨幣化」と呼び変えればよい。 商品貨幣と信用貨幣の違いは、貨幣化される原資産が実物資産(主にコモディティ)か金融資産(主に負債性金融商品)かにある。貨幣を1円発行するのであれば、商品貨幣なら財市場で価格が1円の実物、信用貨幣なら金融資本市場で価格が1円の金融資産が貨幣価値の裏付けとして必要になる(多重発行は禁止)。発行体のバランスシートの資産側に原資産、負債側に貨幣が両建てで増える。 商品貨幣の特徴は、貨幣と裏付け資産が一体化していることにある。歴史上、商品貨幣の裏付け資産として多用されたのが貴金属で、そのまま金貨や銀貨として用いられた。兌換紙幣は貴金属貨幣から裏付け資産を分離したものである。 信用貨幣では、貸出債権や債券等の有価証券が裏付け資産になるが、品質が長期安定している貴金属と違っ
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