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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/reizei (19)

  • なぜアメリカはFIFA汚職の摘発に踏み切ったのか?

    何とも突然でした。新任のロレッタ・リンチ司法長官率いるアメリカの司法省は今週、贈収賄などの疑いでFIFA(国際サッカー連盟)の幹部9人を含む15人を起訴したと発表したのです。起訴された幹部には、現職の副会長2人と元副会長が含まれているというのですから大変です。ちなみに、今週末の会長選挙で再選を目指しているゼップ・ブラッター会長は現時点では入っていません。 起訴に踏み切ったのは米司法省ですが、スイス当局と密接な連携の上で捜査が行われており、リンチ司法長官は、被疑者の逮捕についてはスイス当局に依頼しています。その逮捕は、例えばFIFA幹部に関しては会長選挙などの会議のために滞在していた高級ホテルで、27日に粛々と進められたそうです。 捜査の指揮をしているのはリンチ司法長官ですが、今回の捜査に関しては司法省(日で言う最高検察庁)に加えてその傘下にあるFBI(連邦捜査局)、更にはIRS(内国歳入

    なぜアメリカはFIFA汚職の摘発に踏み切ったのか?
    smoothtooth
    smoothtooth 2015/05/28
    なんでアメリカが?と思ってたんだよ。興味深いわあ。
  • 三原議員「八紘一宇」発言は笑えない問題

    3月16日の参議院予算委で、与党議員として内閣に対する質問を行った自民党の三原じゅん子議員は「八紘一宇」という大戦中のスローガンを肯定的な意味で使用したばかりか、「日が建国以来、大切にしてきた価値観」という発言までしています。 すでにこのニュースには色々な論評がされていますが、念のため確認をしておきますと「八紘一宇」とは元来は日書紀の中で、神武東征伝説に関連付けて「日全国を1つに」というニュアンスで登場した言葉です。それが、戦時中にはいわゆる「大東亜共栄圏」という構想と結びつけられて「全世界をひとつの家のようにする」という意味に拡大されています。これでは日軍の侵略のスローガンだとされても仕方がありません。 三原議員の発言ですが、話題としては大企業が「タックスヘイブン」、つまり租税回避地を使って「節税」をする問題を批判する文脈で飛び出したようです。「八紘一宇の理念の下に、税の仕組みを

    三原議員「八紘一宇」発言は笑えない問題
  • 「朝型勤務」で仕事の効率は上がるのか?

    報道によると、日政府が長時間労働の見直しに向けて「朝型勤務」を普及させる意向だそうです。この「朝型勤務」ですが、すでに伊藤忠商事などが実施していて、伊藤忠のホームページには「効率化が実現した」という報告が掲載されています。 伊藤忠の場合は2013年10月から2014年3月までを「トライアル期間」として「22時以降の深夜勤務は禁止」、「20時以降の残業も原則禁止」とする一方、「午前5~8時の時間帯」に「150%の割り増し賃金」をつける形で「朝型勤務」へと誘導したそうです。 結果としては、総合職の1カ月の残業時間が導入前は「49時間11分」だったのが、「45時間20分」と約4時間減になったということで、「第三者保証業務」を行う大手会計事務所の系列法人による保証書が示されています。 この4時間の「効率化」ですが、理由としては次のような要素が考えられます。 (1)仕事を大きく「対面型」と「個人作

    「朝型勤務」で仕事の効率は上がるのか?
  • 日本の「テロ対策」8つの疑問

    イスラムテロ組織「ISIL」の日人人質殺害事件を受けて、日のテロ対策のあり方が議論されていますが、安倍政権の反応、それに対する批判ともにちぐはぐな印象を拭えません。一連の議論で浮かんだ疑問を整理してみました。 (1)アメリカ人女性ボランティアの殺害が確認されたことを受けて、安倍首相は「深い悲しみに包まれている」と述べ、アメリカに「連帯を表明」しています。一方で日人人質の殺害に対して政権や与党からは、「痛恨の極み」、「強い怒り」という事件への感想が先行し、死者に対して「蛮勇」だという非難も浴びせられました。今回の悲劇に際しては、何よりも自国の死者や遺族への最高の礼節を示すのが「為政者の常識」だと思うのですが、そうした考え方は古いのでしょうか? (2)その背景には「自己責任で危険を冒した」人間のために「国策」が左右されるのは「迷惑だ」という発想があるように見えます。ですが、仮に「迷惑」で

    日本の「テロ対策」8つの疑問
  • 18歳を「成人年齢」にして大丈夫か?

    それにしても、順序がおかしな話だと思います。「憲法改正の国民投票は18歳以上としたい」というのが最初にあって、「ならば公職選挙法の投票年齢も18歳に引き下げよう」という話の順番というのは、順序が逆であると同時に「根拠、理念」が希薄だからです。 世界の多くの国は18歳から選挙権を認めていますが、その多くの場合は、60年代末から70年代に団塊の世代が新しい価値観を創造しながら「上の世代に挑戦」する動きの中で生まれたものです。いわば人口動態の結果として政治力を持ったからです。つまり「自分たちを一人前として認めよ」という人たちの要求があり、それが「成人年齢の引き下げ」という結果となって、その派生として選挙権を与える年齢も18歳になっているわけです。 そうした「順序の議論」はともかくとして、18歳に選挙権を与えるのであれば、成人年齢を18歳にしなくては社会的に妙なことになります。例えば、選挙権を持

    18歳を「成人年齢」にして大丈夫か?
  • 人種対立暴動の背景にある3段階の差別とは

    ミズーリ州ファーガソンでの白人警官による黒人少年射殺事件について、11月24日夜に大陪審が警官を不起訴の決定をしたことを受けて、現地では暴動が発生してしまいました。2夜連続して自動車や商店への放火を含む激しい暴力行為が続き、2日目だけで44人と多くの逮捕者を出しています。 また抗議行動は全米に拡大し、現場に近いセントルイスをはじめ、シカゴ、ワシントンDCからロサンゼルスまで各地で発生しました。ニューヨークではタイムズスクエアが占拠される事態に対して、今年就任したデブラシオ市長はあくまでソフトな警備を指示しており、大きな混乱はありません。ですが、保守系のジュリアーニ元市長は「全国的には黒人同士の暴力行為が圧倒的に多い。それを収める白人警官こそ被害者」というような発言を続けており、事件に対して国論が分断されていることを象徴しています。 この事件ですが、発端は白人警官による黒人少年の射殺という事

    人種対立暴動の背景にある3段階の差別とは
  • 愛国歴史教育に対する「米高校生の異議申し立て」が勝利した日

    最近の各国の保守主義の運動には「自国の歴史に誇りを持てるような教育」へと、歴史教育を改変するという志向があります。アメリカも例外ではありません。例えばブッシュ時代の「草の根保守」の復権を契機として、ハッキリとそうした運動が立ち上がっています。 そのリーダー格といえば、リン・チェイニー氏です。チェイニー前副大統領の夫人ですが、歴史家というより文学者という立場で「愛国歴史教育」を推進していたのです。 チェイニー氏はまず「建国の歴史」に関して「トーマス・ジェファーソンの理想主義とか、権力への牽制」といったエピソードではなく、「独立戦争の苦しい戦いを勝利に導いたワシントンの勇気」を前面に出して教えよとか、ベトナムや公民権の話ばかり教えるのはバランスを欠くなどという主張を「運動」にしたのです。 更にチェイニー氏の前にフランシス・フィッツジェラルドというジャーナリストは79年に出した『アメリカ史の改善

    愛国歴史教育に対する「米高校生の異議申し立て」が勝利した日
  • 朝日「誤報」で日本が「誤解」されたという誤解

    いわゆる「従軍慰安婦」問題をめぐる証言記事に関して朝日新聞が誤りを認め、取り消したことに関連して、あらためてこの「従軍慰安婦」の議論が盛んになっています。その議論の多くは「誤報」、つまり「狭義の強制」があったと報道されたことで、「国際社会の誤解」を招いた朝日新聞には責任があるという考え方です。 例えば安倍首相は9月14日のNHKの番組で、朝日新聞が「世界に向かってしっかりと取り消していくことが求められている」と述べたそうですし、加藤勝信官房副長官も17日の記者会見で、「誤報に基づく影響の解消に努力してほしい」と述べています。 また朝日新聞の訂正直後に実施された、読売新聞の世論調査によれば、『朝日新聞の過去の記事が、国際社会における日の評価に「悪い影響を与えた」と思う人が71%に達した』そうです。 しかし、こうした「国際社会に誤解されている」という議論は、それ自体が「誤解」であると考えるべ

    朝日「誤報」で日本が「誤解」されたという誤解
  • 異常なことばかり、集団的自衛権議論の周辺 | 冷泉彰彦 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    安倍首相は7月1日に記者会見を行い、内閣によって「集団的自衛権の合憲化」が閣議決定されたとアナウンスしました。これと前後して、首相官邸前ではかなりの規模のデモが行われ、メディアも大きく取り上げているようです。 今回の一連の動きですが、どうにも「異常な」ことだらけだと思います。私には、集団的自衛権に関する問題に加えて、以下に掲げる問題の「異常さ加減」の方に、より深刻なものを感じました。 一つは、アメリカのオバマ政権は今回の「憲法解釈変更」をとりあえず歓迎しているわけですが、その意味合いというのは「制度としての変更」は支持するものの、「制度変更を後押しした政治的な動き」に関しては、支持ではなく警戒しているということです。 つまり、歴史認識の見直しを中心に中国との摩擦を強め、同盟国であったはずの韓国との結束も弱体化させつつある安倍政権の政治的な姿勢には賛同していない一方で、「米軍の負担軽減」とい

    異常なことばかり、集団的自衛権議論の周辺 | 冷泉彰彦 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
  • 日本経済の競争力回復のために「労働時間規制」は強化するべき

    第一次安倍内閣の際に廃案になった「ホワイトカラー・エグゼンプション」が、今度は「残業手当ゼロ化」とでも言うべき拡大案として、再び検討されているようです。今回は、管理職一歩手前の年収1000万円超クラスに加えて、労使協定を行えば全社員にも適用可(その場合は時間の上限規制はあり)というものです。 この法案に関しては、過労死推進であるとか、日経済の総ブラック化といった言い方で批判がされているようですが、私はそのような批判では足りないと思います。現在の日社会で労働時間規制を緩和するということは論外であり、反対に徹底的に強化するべきです。そうではないと、日経済の衰退を加速する、そのぐらいの問題であると思います。 中には、当面は「高すぎる人件費の削減」の一環として「残業手当の廃止」を行うのは「企業の生産性向上と国際競争力回復」のためには仕方がない、それが日経済を延命させる唯一の現実的判断だ、と

    日本経済の競争力回復のために「労働時間規制」は強化するべき
  • 道徳教材に「二宮金次郎」、何が問題なのか?

    先週、テレビ朝日の番組『朝まで生テレビ』に出演しました。テーマは安倍教育改革に関してでしたが、そこで、この4月から学校現場で使用されるという道徳教材『わたしたちの道徳』が紹介されていました。番組内では中身を見ることはできなかったのですが、終了後に文部科学省のホームページへ行って内容を見た私は愕然としました。 小学校1・2年生用の教材に、何と「二宮金次郎」が取り上げられていたのです。戦前の「修身」教育の象徴として、全国の学校に「焚き木を背負って運びながら読書をする」銅像の建てられていた、「あの」二宮金次郎です。 ストーリーは単純で、「幼くして両親と死別した金次郎は、おじの家に引き取られた。読書好きの金次郎は夜遅くまで読書をしていたところ、菜種油を無駄遣いするなとおじに怒られた。そこで金次郎は自分で畑を耕して菜種を収穫して読書を続けて立派な人になった」というものです。 愕然としたというのは、こ

    道徳教材に「二宮金次郎」、何が問題なのか?
  • 『永遠の0』の何が問題なのか?

    先月に一時帰国した際、評判の映画『永遠の0』を観ました。また、小説も評判であるというのでこちらも読みました。どちらもプロの仕事であると思います。技術的に言えば、ストーリー・テリング(物語の展開)だけでなく、セッティングやキャラクターの造形、そして何よりも時空を超えた大勢のキャラクターが、物語の進行とともに「変化していく」効果が見事です。 キャラクターの「変化」というのは、「成長」したり「相互に和解」したり、あるいはキャラクターに「秘められていた謎」が明かされたりしてゆくという意味です。そうした効果を、時空を超えた複数のキャラクターを使って、しかも2000年代と第二次大戦期という2つの時間軸の中で実現している、そのテクニカルな達成はハイレベルだと思います。 更に言えば、老若男女の広範な層にまたがる読者あるいは観客は、多くのキャラクターの中から自分の感情を投影する対象を見出すことができるように

    『永遠の0』の何が問題なのか?
    smoothtooth
    smoothtooth 2014/02/12
    特攻から話はズレるけど、あの戦争に行った世代のクズ野郎が身近にいれば、美化なぞする気にならないんだけどね。今とは桁違いにモラルが低く、詐欺師みたいな連中がゴロゴロいたんだよ。
  • 追悼、フィリップ・シーモア・ホフマン

    ハリウッド映画には、アート的な人間ドラマというジャンルがあります。小説で言えば、純文学的なカテゴリであり、マーケットとしては大きくはありません。その一方で、こうしたアート的な映画、あるいはその中での演技というのは、それがオスカーの対象になることは多いわけです。 ですが、それは賞レースに組み込むことで、来は小さな市場しかない作品群をムリに売り出しているわけではないのです。こうしたジャンルの映画があり、そこで人材を鍛えるというシステムがなければ、ハリウッドというビジネス全体のクオリティが確保できないわけで、その意味ではこうしたアート系の映画を、アメリカ映画産業としては真剣に制作しているのだと言えます。 悪いことではありません。むしろ、必要なことだと言って良いと思います。日で言えば、古典芸能の世界と芸能界の関係に近いかもしれません。また、こうしたアート系の映画で活躍する「演技巧者」の人々は

    追悼、フィリップ・シーモア・ホフマン
  • 「金髪・付け鼻」はどうして差別になるのか?

    ANA(全日空輸)は今月中旬から放映が始まった同社のテレビCFに対し、人種差別的だとの苦情が寄せられていることを理由に放映を打ち切ったようです。問題とされたのは、3月から羽田空港発着のANA国際線が増便されることをアピールするキャンペーンのCFで、ANAのパイロットに扮した俳優の西島秀俊さんとお笑いタレントのバカリズムさんが、今回の「大増便」に伴って同社のイメージアップをしようと英語で会話している内容です。 就航地を紹介して「増便の喜び」で盛り上がったところで、バカリズムさんが「じゃあ、ハグしよう」というと、西島さんは「何とも日的なリアクションだね」とこれを否定。そこで "Let's change the image of Japanese people!" と西島さんが言うと、バカリズムさんが "Sure." と応じるのだが、このときバカリズムさんの見た目は、金髪のカツラと高さを強調

    「金髪・付け鼻」はどうして差別になるのか?
    smoothtooth
    smoothtooth 2014/02/01
    「そもそも人間の身体的特徴を不要な形で表現することへの反省という点で捉えるべき」ほんとこれ。で、付け鼻と聞いてこれが頭から離れなくて困る。http://www.youtube.com/watch?v=ehKGlT2EW1Q
  • 安倍首相はダボスで何を言ったのか? | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    安倍首相はスイスのダボス会議の席上で、海外の記者との懇談の際に、英『フィナンシャル・タイムス』のギデオン・ラッチマン記者から「日中国の関係が戦争(war)に発展する可能性がある(conceivable)のではないか」と問われたところ、「今年は第1次大戦から100年を迎える年。当時、英独は大きな経済関係にあったにもかかわらず第1次大戦に至った歴史的経緯があった」と説明したといいます。 この「事件」に関しては、通訳が余計な文言を追加したためにトラブルが大きくなったという解説もあるようです。事の真相は、仮にビデオなり音声が残っているのであれば、それを検証する必要があると思いますが、問題は、このラッチマンという記者だけでなく、多くの有名なジャーナリストが「安倍発言に驚き、かなり深刻な報道をしている」という事実です。 特にアメリカのネット誌『インサイダー』のCEOであるヘンリー・ブロジェット氏は

  • 「橋下発言」はアメリカからどう見えるか

    所用でニュージャージー州外に行っていたのですが、その間にこの問題がどんどん拡大していたのには驚きました。現在の事態は、この欄で過去に申し上げた「管理売春は現代の基準では性奴隷」という指摘、また「国境を越えたコミュニケーションでは理念型の発信しか通用しない」というコメントが生かされなかった点、何とも残念に思います。以下は、とりあえず、現時点で気づいたことを箇条書きにしておこうと思います。 (1)アメリカなど欧米諸国はキリスト教国だから性的なタブーの強い「偽善的な国」だという主張があります。もしかしたら問題の奥の背景にはそうした宗教やカルチャーもあるのかもしれません。ですが、アメリカがいい例ですが、買春行為に対して社会が厳しい目で見ているのは宗教や文化のためではないと思います。核家族のイデオロギーが確立する中で、買春行為というのは、と子への裏切りであり、社会の最小単位である核家族を破壊し、自

  • 拉致監禁被害者の実名報道はどうして可能なのか?

    先週の月曜日、5月6日に発生したオハイオ州クリーブランドでの「拉致監禁被害者の救出劇」は、1週間にわたってアメリカのニュースメディアのヘッドラインを独占しました。被害者は3名の女性で、それぞれ2002年、03年、04年に拉致されて後、この5月6日に至るまで、ずっと加害者男性の家に監禁されていたのです。 男性は3人の女性に性的なものを含む暴力を加え続け、1人の女性は10年間に5回も妊娠させられ、その度に腹部を殴られたり、事を与えられないなどの暴行により流産をさせられているようです。また1人の女性は女の子を出産し、その子は監禁されたまま成長して現在は6歳になっていますが、その女の子も無事に保護されています。 その後の報道では、DNA鑑定により、この6歳の女の子の父親は加害者男性であると特定されています。また、加害者男性に対して、起訴の是非を決定する大陪審へ向けての準備に入っていますが、オハイ

  • 「高学歴ワープア」から高校教師というキャリアパスはどうか?

    ここ10数年の文部科学省の「急速な博士号授与数拡大」と「それに伴う研究職の不足」により、博士号を取得しながらも定職につけない人の増加が、日では問題になっているようです。とてもイヤな言葉ですが、こうした現象を意味する「高学歴ワーキングプア」という言葉も流行語になっているわけです。 昭和の頃であれば、アカデミアの世界で運に恵まれなかった人は、予備校や塾の先生になるというキャリアパスが機能していました。大変に優秀だけれども、保守的な組織の枠からは「少々はみ出した」という匂いのする人の講義には、若い人の心をつかむ独特のものがあり、同時に内容はハイレベルであったために歓迎されたのです。ですが、この予備校や塾の教師というのは、現在では大変な人気職種であって、それ自体の求人は少ないようです。 そこで思い浮かぶのが、アメリカでの状況です。アメリカの高校では、毎年秋に新学期が始まると定例の保護者会がありま

  • 従軍慰安婦問題、いわゆる「河野談話」の訂正は可能か?

    安倍政権がいわゆる従軍慰安婦問題に関して、「軍の強制連行があった」とする「河野談話」を見直すかもしれないという報道に関しては、韓国だけでなくアメリカの政界やジャーナリズムによる関心も高まっています。 この問題に関する事実関係に関しては、私は池田信夫氏が様々な史料を参照しながら丹念に調査を続けて来た結論、つまり「軍による強制連行はなかった」という立場を取ります。 では、問題になっている河野談話を訂正すればいいと考えるのかというと、こちらはそうは簡単ではないと考えます。この点に関しては、日の政界や世論には根的な誤解があり、注意深い議論をしないと、日の国益を大きく損なう危険があるからです。 誤解というのは、「軍による強制連行はなかった」という訂正に成功したとしても、全く「日の名誉回復にはならない」ということです。一言で言えば「強制連行はしなかったが、管理売春目的の人身売買は行なっていた」

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