ファッションは昭和後期から平成の時代、ある種の「自己表現方法」として機能してきました。ボディコン、渋カジ、コギャル、裏原系、コンサバ、ゴスロリ、原宿Kawaii系……。どんなファッションスタイルを選ぶのかによって、その人の価値観やマインドが表現されていたのです。 それが2010年代になると、SNSの普及によって、自己表現の手段は多様になりました。「いいね!」数やフォロワー数で、「どれだけ評価を得ているのか」が可視化され、自己承認欲求を満たすツールとして機能するようになった結果、「自己表現としてのファッション」の役割が弱くなっているように感じます。