左翼活動が後退期に入っていた80年代半ば。天皇在位60周年で少しの盛り上がりを見せたことがあった。そういう時期に反天皇制デモに参加していた私の先輩の体験。 そのデモ隊の警備に当たっていた機動隊はおとなしく、デモ隊に対して暴力行為や転び公妨などを行わなかった。それにつけ込んだデモ隊の一部が機動隊に対して挑発行為を始めた。唾を飛ばして機動隊を罵る。それにも耐える機動隊員。ついに一人の参加者が鼻くそを機動隊員に付けた。その瞬間、さすがに機動隊員もキレた。フル装備の手甲で参加者を殴り倒した。 デモ隊はここぞと挑発行為を繰り返し、さらに集会では「機動隊の暴力により参加者が負傷しました。我々は機動隊の蛮行を断固許しません」とシュプレヒコールが挙げられる。 その中でその先輩は周囲の人たちと話していた。「でもよ、普通殴るよな。鼻くそはだめだろ」と。 その話を私にしてくれた先輩は繰り返した。「機動隊が殴るの