3時間00分(2冊合わせて) 昨年来、70万部以上を売り上げている前作『世界の日本人ジョーク集』は、テレビドラマや映画とのタイアップによる書籍ではない。出版社が巨大な宣伝費をかけたわけでもない。市井の研究者である1人の人間がコツコツ集めたジョーク集であり、そのジョークが読者の口コミでじわじわと評判を上げていった、いまどき珍しい、自然発生的なベストセラーである。冗談からコマーシャリズム……というよりも、一種のお伽噺だろうか。 それだけに、次回作を望む声は多かったようで、この度、新作『日本の戦時下ジョーク集』は、2冊同時に刊行される運びとなった。構成は、1冊目が「満州事変・日中戦争篇」、2冊目が「太平洋戦争篇」。1941(昭和16)年の日米開戦を境界線に、それ以前と以後の大日本帝国ジョークを集成した形になっている。 取材範囲は、非常に幅広い。巻末の参考文献索引が6ページに及んでいることを見るだ
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