多くの人が、経済は合理的な予測や判断で動いていると堅く信じている。実際、競合激しいビジネスの世界で求められるのは、“感情的な判断”ではなく、むしろ理性に基づく“理論的な決断力”のほうだ。 もし、合理性が大切と思っている人たちに「経済は感情で動いている」などと言ったら、どんな反応をするだろうか。 だが、考えてみてほしい。たとえば出勤途中で選ぶ缶コーヒーだ。何十種類の中から毎回合理的な判断に基づいて「今日は無糖ブラック」などと決めているだろうか。ほとんど説明のつきようのない心情で選択しているのではないか。 人間の感情も、経済学で取り入れられようとしている。2002年、ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンは経済学と認知心理学を統合した。彼の影響でがぜん活気づいたのが「経済行動学」だ。研究者たちは、人の感情や直観、記憶を重視し、現実に即した経済学を再構築しようと試みている。 今回は日本の
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