Amazon: 精神科ER 緊急救命室 (集英社文庫) 備瀬 哲弘 / 集英社 / 2008年11月 精神症状によりER1 に運ばれてきた患者の対応をしていた精神科医師によるエッセイ集。文体は平易であるし、専門用語が出てきた場合は補足説明がなされているので読みやすい。描かれている患者の症状にはショッキングな内容2 もあるが、扇動的な書き方はされていないと感じた。 本の構成はプロローグとエピローグを含む全20章構成で、各章の最初に具体的なエピソード、中盤から後半にかけて著者の解釈・解説や思い入れなどが語られている。私はこの著者の本を読むのは初めてだが、この人の文章を書く姿勢はわりと好きだと思う。 全体的な話 全体を通して読んだとき、著者のいたのが ER であり、初日は著者のいる病院に入院させるが2日目以降は他の病院に転院させるという制限があり、一度来たきりでその後が分からない患者の例がい