日本で電子教科書プラットフォームが公式に採用されるには、超えなければならない障壁がいくつもある。電子教科書の必要性の切実さが、教育現場の関係者以外に理解されていないことも、その障壁のひとつなのではないだろうか。そこで、現在も東京学芸大学の客員教授であり、過去に民間企業出身者として初めて公立中学校の校長を務めた経験を持つ藤原和博氏に、日本の学校教育の現状を聞いた。 率直に言って、教材のデジタル化とその指導方法の標準化を急がないと、現在50代のベテラン教員がいなくなる10年後から、授業や生活指導の技術の継承は大変難しくなると思われます。 一般にはあまり知られていないことですが、都市部、特に東京や大阪では、50代の教員の数が多く、30代、40代が少ないというアンバランスな成員比になっており、それを補うために20代の教員を大量採用せざるを得なくなっている現状があります。「ワイングラス型」の年齢構成
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