文房具売り場には針なしホチキス専用のコーナーが設けられている=東京都千代田区の東急ハンズ東京店(写真:フジサンケイビジネスアイ) 針を使わないホチキスの市場が急成長している。10年以上前からある商品だが、最近になって改良が進んだ上、環境に優しいこともあって需要が急増している。 さらに10月、都内で開かれた国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会で各国関係者に配布されたことをきっかけに世界的な認知も広まった。文具各社は海外展開も視野に入れた新商品の開発を競っており、“日本発”の新しい商品文化の発信に期待が高まっている。 「針なしホチキス」の市場に火が付いたきっかけは、業界最大手のコクヨが、2009年12月に発売した「ハリナックス」シリーズの大ヒットだ。従来品は3、4枚の紙をとじるのが精一杯だったが、ハリナックスはとじる力を強化することで、最大10枚を可能にし、需要が急拡大したという。