はじめに本連載では、ビジネスで活用できそうな経営学理論や重要なキーワードをご紹介しております。 今回は経済学の分野から「逆選択」というキーワードについて解説していきます。 1.逆選択とは逆選択とは、本来であれば市場で淘汰されるはずの粗悪な商品・サービスが淘汰されず、生き残ってしまう現象のことをいいます。 逆選択という現象が起こってしまう原因は、情報の非対称性にあるといわれています。 情報の非対称性とは、取引の当事者間で情報格差がある状態のことを意味します。 逆選択の代表的な事例である中古車市場の事例を使ってその構造を見ていきましょう。 例えば、以下のような中古車が市場に存在したとします。 A車:キレイな中古車B車:キレイな中古車C車:故障している粗悪な中古車この場合、通常C車を選ぶ人はいませんので、C車だけ最後まで売れ残ってしまい、最終的には廃車になります。 これが本来あるべき市場の姿です
