関数本体の定義とそれを評価するための環境を合わせてクロージャと呼ぶ. クロージャの概念を用いれば,オブジェクト指向プログラミングの基本要素であるオブジェクトを作成することができる. オブジェクトとは,簡単に言えば,メンバ変数(フィールド)といわれるデータとそれを操作するためのメンバ関数(メソッド)をまとめた部品のようなものである. 各フィールドのスコープはオブジェクト内に局所化され,それらにアクセスするためには必ずメソッドを用いることになる. つまりオブジェクト内部のデータは予め指定された方法でのみ操作され,プログラムの他の部分から予期せぬ形で影響を受けることがない. こうすることによって,オブジェクトの内部構造がブラックボックス化され,オブジェクトを,ある機能を提供するプログラムの抽象的な部品として,その詳細な実現方法に左右されることなく利用することができるようになる. ここでは環境モデ