→紀伊國屋書店で購入 「サンタは昔、ブタの橇に乗っていた!」 クリスマスという社会現象には以前から多大の関心がある。だから、この季節になると血が騒いで仕方がない。前世はトナカイだったのではないかとおもうほどだ。じじつ、昨年はさる研究会でトナカイの着ぐるみを着て「クリスマス・ソングの文化研究」というような発表をした。 トナカイといえばサンタクロースである。でっぷり肥って白髭をのばし、赤い服を着て、トナカイの牽く橇に乗ってやってきて、よい子にプレゼントを配るやさしいおじいさん。こうしたイメージを共有しないひとは、いまの日本ではほとんど存在しないだろう。サンタクロースは、だれもが知っているこの季節のアイドルだ。本書『サンタクロースの大旅行』は、そのイメージがどのような歴史的プロセスを経て形成されてきたのかを手際よく教えてくれる好著である。 サンタクロースのモデルは、紀元4世紀に実在したキリスト教