WSLのシェルである「bash」の最大の魅力は、コマンドラインで指定する引数に対してさまざまな表現方法が用意されている点にある。例えば、Windows OSでは、制御文字(改行やタブなど)を引数として指定することはできない。しかし、bashでは8進数や16進数を表現する方法が用意されているため、Linuxのコマンドには引数として制御文字を受け付けられるものがある。 また、複数のファイルを正規表現や数式、範囲指定などで表現できるため、複数の、それも大量のファイルを引数として受け付けるコマンドも多い。bashでは、こうした機能を「展開」といった用語を使い「履歴展開(ヒストリー展開)」「パス名展開」「変数展開」「算術式展開」などの機能がある。 Linuxのコマンドラインが便利なのは、コマンドが多数用意されているというだけでなく、bashが提供する強力な「展開」機能により、引数の指定が容易かつ強力