最近、子どもに食事を与えず餓死させる、ゴミ箱の中に入れて窒息死させる、長期間にわたる激しい暴行を加えて殺害するなどすさまじい虐待の末に子どもを死に至らしめる児童虐待事案が相次いで発覚しました。 わが国では子ども親の所有物であるかのような意識が強く、体罰もしつけとして容認する風潮があり、児童虐待に関する社会的関心も薄く、法整備も遅れています。 最近の事案でも、近所の住民は虐待が行われていることを知りながら通報しない、あるいは、児童相談所や学校が虐待を、保健所が乳幼児健診を受診していない家庭であることを、それぞれ把握していながら有効な対応をとっていない、などの事案が見られます。また、児童相談所が把握している事案を警察等の他の関係機関に連絡しない事態も多く見受けられます。さらに、虐待が疑われる家庭については、平成19年の改正で裁判所の許可により児童相談所が立ち入ることができるとされましたが、要件