『ライト、ついていますか?―問題発見の人間学』は、ソフトウェア開発者でありながら、心理学者、人間観察者でもあるジェラルド・M・ワインバーグが著した、問題解決に至る前段階ー「問題を発見する」という行為を徹底的に掘り下げた名著です。 一見すると技術書や組織論のようにも見えるこの本ですが、その本質は「人の思考をどう切り替えるか」という極めて汎用的なテーマにあります。特にIT業界のように「問題解決能力」が重要視される分野では、この「問題発見力」が不足していることこそが、成果物の質を左右する大きな要因となっているため、問題を発見するためには、どのような考え方・切り口で物事を捉えたらいいのか、その引き出しの多さが重要となります。 タイトルにあるこの問いは、本書の第4部で登場します。 ある長いトンネルの手前に「ライトをつけてください」という標識が立てられたところ、出口でライトを消し忘れたドライバーたちの
