アベノミクス効果で景気回復に明るい兆しが見えてきたことで、巷では「80年代に起きたようなバブルが再来するのでは?」との待望論まで出るようになった。 ところが、「実体経済を伴わない景気拡大は、いずれ手痛いシッペ返しを食らうことになる」と警告するのは、近著に『バブルの死角 日本人が損するカラクリ』がある大阪経済大学客員教授の岩本沙弓氏だ。消費税増税となれば2016年に日本経済は腰折れすると予測する岩本氏に、最悪のシナリオを聞いた。 * * * ――アベノミクス効果による景気回復期待はより高まっている。岩本さんは日本を含めて世界中が未曾有のバブル期に突入すると予測している。 岩本:リーマン・ショック以降、アメリカや日本を筆頭に、先進諸国は金融緩和を続けてこれでもかというほどの余剰資金を市中にバラ撒いています。過去数十年にわたって、バブルが崩壊するたびに過剰な資金が市場に放出されてきました。前回の