鳥取市郊外にある緑豊かな公立鳥取環境大学のキャンパスの一角で、5匹のヤギが暮らしている。学校のパンフレットに登場する大学の顔。飼育するのは全国でも珍しい「ヤギ部」の学生たちだ。ヤギをめでるのが主な活動で、春になると入部希望者が殺到するというヤギ部。開学とともに産声を上げた部活の誕生は、大学教授がふと漏らした一言がきっかけだった。 部員80人の大所帯 校舎前、柵に囲まれた雑草の生い茂る野原。部員たちが内側に入ると、奥の小屋からヤギが口をモグモグ動かしながら出てきた。いずれも雌の白ヤギ5匹。最年長の「クルミ」が群れをまとめる。「メイ」は温和な性格で、「コムギ」はマイペース。メイの双子の娘「アズキ」と「キナコ」は人懐っこい性格だ。5匹はともに行動し、小屋と野原を自由に行き来している。 5匹を世話するヤギ部は、現在は約80人もの学生が所属している。農業系の大学ではないため酪農は行っていない。主な活