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ブックマーク / www.sankei.com (66)

  • 若者は「西暦」派、年代差浮き彫りに 元号アンケート(1/2ページ)

    天皇陛下の譲位を前に、産経新聞が実施した元号や皇室に関するアンケート。全体では日常生活で主に元号を使う人が多かったが、年代別に見ると若年層で結果が逆転し、西暦を使うと答えた人の割合が上回った。皇室との距離感についても、年代が上がるほど「身近になった」とする人が増え、年代間の意識の違いが浮き彫りになった。 アンケート結果によると、日常生活でよく使うのは「元号」と答えた人が、70代以上では6割以上を占めたのに対し、「西暦」は2割弱。60代では7割近くが「元号」だった。 一方、30代では「元号」が5割弱で「西暦」をやや下回った。20代以下では「元号」が約4割で「西暦」が6割近くに。「昭和以前の元号を使っても、生まれる前のことでぴんとこない」(大津市、25歳の女性会社員)などの声が目立った。 ただ、「西暦」をよく使うと答えた若者も、必ずしも元号が必要ないと考えているわけではない。大阪市西区の会社員

    若者は「西暦」派、年代差浮き彫りに 元号アンケート(1/2ページ)
  • 【書評】『人体大全 なぜ生まれ、死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか』ビル・ブライソン著、桐谷知未訳(新潮社・2970円)医師も納得 医学エンタメ

    医療・医学の最前線を取材して「人体」の全貌に迫り、米メディアで大絶賛されているエンタメ・ノンフィクション。医療・医学の話なのに、医師であり研究経験のある私が全く知らなかったことのオンパレードで、引き込まれるように読んだ。 23章で構成され目次だけで8ページもあるが、各章とも20ページ前後で読みやすい。膨大な調査や取材で得た素材を正確さを失わずに十分に咀嚼(そしゃく)し、ユーモアも交えて分かりやすく表現しているのが素晴らしい。例えば心臓について、著者は「一生のあいだに一トンの物体を空中に二百四十キロメートルの高さまで持ち上げるだけの仕事量をこなしている」と記す。日頃の診療で心臓は鼓動し命をつないでくれている単なる臓器としてしか認識していなかっただけに、改めて心臓のすごさを実感した。 また、イングランドの解剖学者、ウィリアム・ハーヴェイは血液が体の中を循環していることを発見したことで知られるが

    【書評】『人体大全 なぜ生まれ、死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか』ビル・ブライソン著、桐谷知未訳(新潮社・2970円)医師も納得 医学エンタメ
  • 【関西の議論】「南海トラフ巨大地震は2038年ごろ」 熊本地震〝予知〟の元京大総長が警告(1/4ページ)

    「南海トラフ巨大地震は2038年ごろ」。元京大総長で京都造形芸術大の尾池和夫学長は、過去のサイクルからこう予測しているが… 阪神大震災、東日大震災など大地震が続く日列島。4月に発生し、直接死の犠牲者50人を出した熊地震は発生から4カ月が過ぎたが、復旧は十分に進まず、いまだ避難所には多くの人が身を寄せている。活断層が動いた直下型地震となったこの熊地震について、以前から警告を発していた地震学者がいる。元京都大総長で、京都造形芸術大の学長を務める尾池和夫さん(76)だ。一体、どんな人物なのだろうか。(西川博明) 熊地震の予兆根拠 尾池氏は熊地震が起こる約3年前、熊市内で行った講演で、「今にも地震が起こりそうだ」などと話していた。 その根拠として「(熊県を横断する)日奈久(ひなぐ)断層で小さな地震が起こっている」とし、熊周辺で地震活動が活発化しつつある、と警鐘を鳴らした。 地震学

    【関西の議論】「南海トラフ巨大地震は2038年ごろ」 熊本地震〝予知〟の元京大総長が警告(1/4ページ)
  • 話題の『ムショぼけ』が描く出所後の悲哀と希望(1/2ページ)

    待ち焦がれた塀の外に出てみれば、独居房で増えた独り言が抜けず、小さな物音にも目を覚まし、コンビニの女性店員とはまともに会話ができない-。刑務所に長期間服役した元暴力団組員の社会復帰をテーマにした9月発売の小説「ムショぼけ」(小学館文庫)が翌10月にテレビドラマ化され、話題を呼んでいる。元組員でかつて服役した沖田臥竜(がりょう)さん(45)が自身の体験をもとに、原作を手がけた。出所直後の戸惑いや逆境をリアルに表現する一方、人間関係の中で希望を見いだす主人公の姿を前向きに描いている。 子とは音信不通に…「ムショぼけ」とは、自由を制限された刑務所で長期間過ごした人が、社会の環境の変化やスピードに合わせることができない現象をいう。 「受刑者は長い刑務所暮らしで塀の外の暮らしに夢を膨らませるが、出所してすぐに現実を突きつけられる」(沖田さん)。暴力団組織の指示で殺人未遂事件を起こし、懲役14年の刑

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  • 【書評】それでも必要な理由 『死刑のある国で生きる』宮下洋一著

    「自分の娘が殺されたのに、なぜ犯人は刑務所でのうのうと生きているのか」 「自分の子供が殺されても、裁判官は犯人に同じ判決を下せるのか」 いずれも日で起きた殺人事件の被害者遺族から私が聞いた言葉である。両者とも犯人に死刑を望んでいたが、裁判で無期懲役が確定した。 命を奪われたら命でもって償うべきだ-。多くの遺族は、犯人に対しそう感じているだろう。だが、中には慎重な見方を示す遺族がいるのも事実だ。それは犯行動機や犯人が内省しているか否か、遺族と被害者との関係性、犯人は未逮捕のままか、など事件を取り巻くさまざまな事情によっても微妙に変化する。 ゆえに遺族感情は複雑だ。犯人が死刑に処されても、被害者は生き返らない。では命と引き換えに「罪を償う」のは可能なのか。書は、白黒の判断が難しい死刑をテーマに真正面から切り込んだノンフィクションである。 現在、死刑を実質的に廃止している国は、欧州各国を含む

    【書評】それでも必要な理由 『死刑のある国で生きる』宮下洋一著
  • 「トランスジェンダーになりたい少女たち」 発行元や複数の書店に放火の脅迫、被害届提出

    4月3日に発行予定の翻訳トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇」を巡り、同書を扱う書店への放火を予告する脅迫メールが、発行元の産経新聞出版宛てに届けられていることが30日、分かった。複数の書店にも同様のメールが送られており、産経新聞出版は威力業務妨害罪で警視庁に被害届を提出した。 メールはドイツのドメインが使われており、産経新聞社のアドレスに送られてきた。「原著の内容はトランスジェンダー当事者に対する差別を扇動する」として、「出版の中止」などを求めた上で、発売した場合には抗議活動として同書を扱った書店に火を放つとしている。 翻訳は米ジャーナリスト、アビゲイル・シュライアーさんによるノンフィクション。ブームに煽られ性別変更したが、手術などで回復不可能なダメージを受け後悔する少女らを取材している。すでにアマゾンなどネット書店では予約が始まっている。 同書

    「トランスジェンダーになりたい少女たち」 発行元や複数の書店に放火の脅迫、被害届提出
  • ビールロング缶1本以上で大腸がんリスク 厚労省が初の飲酒ガイドライン

    厚生労働省は19日、飲酒のリスクや体への影響をまとめた初のガイドラインを発表した。年齢や性別、体質、疾病別で異なる飲酒による健康リスクを示したほか、酒量より「純アルコール」の摂取量に着目することが重要としている。 指針によると、大腸がんの発症リスクを高める飲酒量の目安は、1日当たりビールロング缶1に相当する約20グラム(週150グラム)以上などと例示。特に高齢者は体内の水分量の減少などで酔いやすく、飲酒量が一定量を超えると認知症が発症する可能性が高まる。 また、10~20代は脳の発達段階にあり、多量の飲酒で脳機能が低下するとのデータがあり、高血圧などのリスクが高まる可能性もある。女性は男性よりもアルコールの影響を受けやすく、少量でも肝硬変のリスクが高まるという。 指針では、健康リスクを減らすために、酒に含まれる「純アルコール量」を用いた健康管理を勧めている。純アルコール量は、アルコール

    ビールロング缶1本以上で大腸がんリスク 厚労省が初の飲酒ガイドライン
  • 子供の「免疫負債」波紋 感染症、適切な年齢でかからず コロナ対策の産物(1/2ページ)

    2年にわたる新型コロナウイルス対策が例年流行する他の感染症を広く抑制してきた半面で、乳幼児期に有益な免疫を獲得できない〝免疫負債〟を抱えた子供の増加につながったとの懸念が強まっている。コロナの感染状況が落ち着いた今冬は、夏風邪の「手足口病」と「ヘルパンギーナ」の患者報告が季節外れの拡大を見せた。昨年激減した「RSウイルス」も大流行が起きており、免疫負債の波紋が広がりつつある。 東京都港区にある小児科医院「クリニックばんびぃに」では10~11月、口腔(こうくう)内の発疹などの症状を訴える子供が急増。1週間に10~15人ほどが手足口病かヘルパンギーナに診断されるという例年にはみられない状況に直面した。 時田章史院長は「コロナのデルタ株流行がひと段落した後から患者が増え始めた印象だ」と分析。今月に入り、患者数はやや減ってきたが、併設された病児保育室では定員6人の半分近くを手足口病の子供たちが占め

    子供の「免疫負債」波紋 感染症、適切な年齢でかからず コロナ対策の産物(1/2ページ)
  • 枝野幸男さんが語る紅白 なぜ櫻坂が復活し、日向坂が涙を飲んだか~夜の政論(番外編)

    立憲民主党の枝野幸男前代表と、東京・四谷の老舗焼肉店「龍月園」を訪れた。枝野さんは政界随一のアイドルオタクという一面も持つ。話は、今年のNHK紅白歌合戦で、秋元康さんプロデュースの「坂道シリーズ」の下克上に及んでいく。なぜ櫻坂46は復活し、日向坂46は涙をのんだのか。そして今年の紅白のトリは誰か。 乃木坂は別格オーダーしたマッコリ「辛口虎」が、話を大きく脱線させていく。 枝野さんの番記者を務める児玉佳子記者がラベルを向けながら「おめでとうございます」と祝意を伝えた。枝野さんは、政界きっての虎党、阪神タイガースファンだ。38年ぶりの日一に酔いしれ、国会の議員会館事務所には「神戸新聞の号外が貼ってある」という。 そもそもなぜ阪神ファン? 枝野さんは、巨人のテレビ中継ばかりだった関東・栃木県の出身のはずだ。 「アンチ読売は、行きつくところ虎にいく」 松学野党キャップが「反骨心なのか」と問う。

    枝野幸男さんが語る紅白 なぜ櫻坂が復活し、日向坂が涙を飲んだか~夜の政論(番外編)
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2023/12/13
    3Kもスポーツ新聞化したの?あ、もともとスポーツ新聞みたいなもんだったか。
  • 枝野幸男さん「もう自民党は岸田文雄首相で総選挙をしてくれない」~夜の政論①

    内閣支持率の急落に自民党派閥のパーティー券問題も追い打ちをかけ、土俵際まで追い込まれた岸田文雄政権。野党第一党の立憲民主党はさぞ喜んでいるかと思いきや、枝野幸男前代表は「もう自民党は岸田首相をトップに総選挙をしてくれないだろう」と危機感を募らせている。安倍晋三元首相の死去で「パンドラの箱が開いた」と感じる枝野さんは、次の選挙では物議をかもしてきた野党連携も「古い話になった」と説く。一体、何が起きているのか。これは一杯やりながら聞くしかない。 9月終わりに空気一変枝野さんと待ち合わせたのは、東京・四谷の焼肉店「龍月園」。昭和39年創業の老舗で、安倍さんが首相時代、足しげく通ったことでも知られる店だ。おかみさんによると、枝野さんは通い出したころ、店内にある安倍さんの写真をみて「将来、私の写真も飾ってもらいたいなあ」とつぶやいたこともあったという。 枝野さん「夜の政論」少しだけ動画で 「とりあえ

    枝野幸男さん「もう自民党は岸田文雄首相で総選挙をしてくれない」~夜の政論①
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2023/12/10
    ”②は12月10日午前11時30分にアップします。"夜の政論なのに昼アップ。
  • 【書評】現代映し出す「装置」 『災禍の神話学』 沖田瑞穂著

    安全神話、不敗神話、土地神話…。現代社会の言説空間にはさまざまな「神話」が飛び交う。といっても、これらは人知を超えた現象を強調したり、それが崩壊・終焉(しゅうえん)したりしたときの装飾語としての意味合いが強いように思う。そんな曖昧な言葉が氾濫する中で、インド神話を専門とする気鋭の神話学者が上梓(じょうし)した『災禍の神話学』は、副題に「地震、戦争、疫病が物語になるとき」とあるように、近年で人類が経験した災厄や災禍と、古くから伝わる世界各地の神話との関係性をスリリングに読み解く。 そもそも神話とは何か。神々による荒唐無稽な物語のように見えるが、著者は「聖なる『装置』」だととらえる。人間はそれを用いて世界の成り立ちを理解する。繰り返し経験してきた戦争や自然災害にあっては、「『聖なる物語』に変換して、一般化・普遍化させることで、人々は災禍による痛みを癒し、己を戒める」のだという。なるほど。 とは

    【書評】現代映し出す「装置」 『災禍の神話学』 沖田瑞穂著
  • 【書評】『闇の脳科学 「完全な人間」をつくる』 消えた名医を追う

    まったく新しい治療法の記事を新聞で読んだとき、なんとなく不安になったという経験のある読者もおられると思う。最近では新型コロナのワクチン開発の話題が出るたびに、ほぼ条件反射的に副作用の可能性に思いを馳(は)せる声も聞く。 そのような、新しい発想の治療が世に出るや、社会に反応の渦を巻き起こした出来事が1950年代にも米国であった。主人公はコロンビア大学からテュレーン大学精神科教授に着任したロバート・ヒース教授。幻覚妄想状態の患者は劣悪な環境の慈善病院に隔離されるほかなかった時代に、ヒースはその類いまれな才能とパワーで、まったく新しい発想の治療にチャレンジしていた。「脳深部刺激療法」という脳内に電極を埋め込み電気刺激を与えることで症状の改善をめざすというもので、めざましい効果を上げ始めるかに見えた。 しかし、一般社会だけでなく専門家の間でも「人間の感情を人為的に操る」という斬新さに強い拒否反応が

    【書評】『闇の脳科学 「完全な人間」をつくる』 消えた名医を追う
  • 【痛みを知る】ニーチェも悩んだ群発頭痛 森本昌宏(1/2ページ)

    哲学者、ニーチェは激しい頭痛発作に苦しみ、ついには発狂した。12歳時に激烈な目の痛みを自覚し、目の結膜の充血、瞳孔の左右不同などを伴っていたとする点からは、典型的な「群発頭痛」であったと考えられている。なお、この群発頭痛( Cluster headache )のclusterとは、葡萄(ぶどう)の房を意味している。 目に焼け火箸を突っ込まれたような痛み 現在、国際頭痛分類では、群発頭痛は「三叉(さんさ)神経・自律神経性頭痛」とのカテゴリーで捉えられており、その発症には三叉神経と自律神経の関与が考えられている。つまり、「片頭痛」と同じく脳の血管(内頚(けい)動脈などの太い血管)が拡張した結果、その血管周囲に炎症が起こり、三叉神経が興奮する(→これにより激しい痛みを起こす)、さらには自律神経のうちの副交感神経が緊張する(→これにより同側の結膜が充血し、瞳孔が縮んで、流涙、鼻汁分泌などを引き起こ

    【痛みを知る】ニーチェも悩んだ群発頭痛 森本昌宏(1/2ページ)
  • 【産経・FNN合同世論調査】国民民主連立入り 自民支持層の5割、国民支持層6割「賛成」

    産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が16、17両日に実施した合同世論調査で、自民、公明両党の連立政権に国民民主党が加わる案について尋ねたところ、「賛成」(40・6%)と「反対」(42・3%)で賛否が二分した。 これを支持政党別に分析すると、自民支持層の52・1%、公明支持層の28・6%が「賛成」と回答。自民支持層の半数以上が歓迎し、国民民主支持層も6割程度が連立入りに「賛成」と回答している。 逆に「反対」と答えたのは自民支持層の32・8%、公明支持層の42・5%で、公明支持層の方が国民民主の連立入りに警戒感が強いようだ。 野党の立憲民主党や日維新の会の支持層では、いずれも「反対」が「賛成」を大きく上回る。「賛成」の回答は立民支持層の24・8%、維新支持層の24・4%で、「反対」はそれぞれ57・1%、60・9%だった。一方、支持政党がない「無党派層」では「賛成」(39・4%)と

    【産経・FNN合同世論調査】国民民主連立入り 自民支持層の5割、国民支持層6割「賛成」
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2023/09/19
    どうせ気が付いたら自民党に吸収合併、のパターンでしょ?今まで何度そののパターンを見たことか。
  • 【岡田阪神研究(1)】岡田氏の監督復帰、阪急トップの決断だった

    優勝ペナントを持つ阪急出身の阪神・杉山健博オーナー(左)と岡田彰布監督=14日、甲子園球場(撮影・安部光翁) プロ野球阪神タイガースが14日、18年ぶりのセ・リーグ優勝を決めた。「岡田監督の強いリーダーシップの下で見事に結実した」。誰よりも喜んだのは、同日夜、談話を発表した親会社の角和夫阪急阪神ホールディングス(HD)代表取締役会長兼グループCEO(最高経営責任者)だった。「グループの歴史に輝かしい一ページを加えてくれたことは、この上ない喜び」との言葉には「岡田阪神」誕生を決断したトップの思いが込められていた。 昨年9月、大阪・茶屋町にある阪急阪神ホールディングス(HD)の役員室に重苦しい空気が流れた。 「来季監督は岡田彰布(あきのぶ)氏に要請しなさい」 阪神の藤原崇起(たかおき)オーナー(現阪神電気鉄道相談役)の平田勝男2軍監督の昇格案は、角会長に瞬く間に却下され、阪神電鉄社首脳の覚悟

    【岡田阪神研究(1)】岡田氏の監督復帰、阪急トップの決断だった
  • 右も左もない「読書バリアフリー」 芥川賞 の市川沙央さんが本紙に寄稿

    作者と同じ難病の重度障害者女性を主人公として、健常者の特権性や多様性の意味を問いかける作品「ハンチバック」で第169回芥川賞を射止めた市川沙央さんが、産経新聞に「読書バリアフリー」について寄稿した。全文は以下の通り。 ◇ 電気式人工咽頭という機器がある。手のひらに収まる筒状の機器の先を喉元に当てて口を動かすと、声帯を切除した人や気管切開していて発声できない人でも、電子音で喋(しゃべ)ることができる生活補助具だ。ステレオタイプの宇宙人の声のような抑揚のない音だが、コツを掴(つか)めば電話もかけられるほど明瞭に話せるようになる。現在でもさまざまな病気で声を出せない人がこの電気式人工咽頭を使っている。 元々は第二次世界大戦において戦傷を受けて声帯を失った人々のため、アメリカで開発されたものである。戦後の日にも同様の戦傷障害を抱えた人は多くいただろうが、彼らに社会がどのように報いたのか私は知らな

    右も左もない「読書バリアフリー」 芥川賞 の市川沙央さんが本紙に寄稿
  • その物忘れ「スマホ認知症」かも 30~50代で急増中

    スマートフォンを多用する50代以下の世代で、心身に不調をきたす人が増えている。SNS(交流サイト)を通じた情報収集・発信、ショッピング、ゲームや動画視聴などで「長時間利用が当たり前」という依存状態も珍しくない。診療の現場では、脳への負担増が原因で認知症に似た症状に陥る患者が増えており、スマホ依存のリスクを指摘する声が高まっている。 ここ10年で急増認知症など脳機能に障害をきたした患者らを診療する「おくむらメモリークリニック」(岐阜県岐南町)の「もの忘れ外来」。従来、高齢患者が大半を占めてきたが、ここ10年ほどで急増しているのが30~50代の若年患者だ。 若年患者の特徴として、「人や物の名前が出てこなくなった」「簡単な計算さえできなくなった」など、日常的に深刻な物忘れの症状に悩まされているとの訴えが多い。 こうした症状はアルツハイマー型認知症と似ているものの、MRI(磁気共鳴画像装置)などの

    その物忘れ「スマホ認知症」かも 30~50代で急増中
  • 志位氏長期在任批判に反論 共産・小池書記局長「何が悪いか」

    共産党の小池晃書記局長は30日のインターネット番組で、志位和夫委員長の長期在任に対する批判に反論した。「長いのは間違いないが、長くて何が悪いのか。市民と野党の共闘に志位氏の果たした役割は大きい」と述べた。志位氏は平成12年に就任し、在任期間は22年を超えている。 出演者から、志位氏の在任中に党所属国会議員数が大きく減ったと指摘され「選挙結果はわれわれ全体の努力不足だ。党首だけの責任にするつもりは全くない」と強調した。

    志位氏長期在任批判に反論 共産・小池書記局長「何が悪いか」
  • 大学の珍部活「ヤギ部」って何?(1/2ページ)

    鳥取市郊外にある緑豊かな公立鳥取環境大学のキャンパスの一角で、5匹のヤギが暮らしている。学校のパンフレットに登場する大学の顔。飼育するのは全国でも珍しい「ヤギ部」の学生たちだ。ヤギをめでるのが主な活動で、春になると入部希望者が殺到するというヤギ部。開学とともに産声を上げた部活の誕生は、大学教授がふと漏らした一言がきっかけだった。 部員80人の大所帯 校舎前、柵に囲まれた雑草の生い茂る野原。部員たちが内側に入ると、奥の小屋からヤギが口をモグモグ動かしながら出てきた。いずれも雌の白ヤギ5匹。最年長の「クルミ」が群れをまとめる。「メイ」は温和な性格で、「コムギ」はマイペース。メイの双子の娘「アズキ」と「キナコ」は人懐っこい性格だ。5匹はともに行動し、小屋と野原を自由に行き来している。 5匹を世話するヤギ部は、現在は約80人もの学生が所属している。農業系の大学ではないため酪農は行っていない。主な活

    大学の珍部活「ヤギ部」って何?(1/2ページ)
  • 【書評】『恐怖の美学』樋口ヒロユキ著

    恐怖という言葉が懐かしく思える時代になったのは、あらゆるものを可視化することで、人間が恐れることを知らなくなったからではないか。書を読みながら、そんなことを考えた。 副題は「なぜ人はゾクゾクしたいのか」。妖怪やUFO、心霊写真にノストラダムスの大予言など、どきどきしながら見た映像、出版物の考現学的考察に加え、ゴヤ、ルドン、ムンクら巨匠のぎょっとする絵画作品の美学的な論考など、ギャラリー経営者らしい視点で「恐怖」を説いていく。各章に参考文献が付けられており、読書案内も兼ねている。(アトリエサード・2750円)

    【書評】『恐怖の美学』樋口ヒロユキ著