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ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (8)

  • 長期停滞は終わらない - himaginary’s diary

    「Secular stagnation is not over」という小論をブランシャールが書き、クルーグマンが賛意を表している。 ブランシャールによると、長期停滞の議論を現代に甦らせたサマーズは、もう長期停滞に戻ることはない、とAEA大会で述べたという。しかしブランシャールは、そのサマーズに敢えて異を唱えている。 ここでブランシャールはr-gに焦点を当てる*1。彼に言わせれば、マクロ経済政策にとってこれ以上に重要な変数はない、とのことである。彼は様々な指標によるr-gを計算し、それが-0.7~-1.3%程度であることを示している。これはコロナ禍やインフレといった要因でプラスに転じることのない深い構造的ファクターである、と彼は言う。 こうしたr-gの低下傾向をもたらした要因は、貯蓄、投資、安全資産の選好の3つである、とブランシャールは指摘する。 このうち貯蓄は、高齢化と所得水準(所得の伸び

    長期停滞は終わらない - himaginary’s diary
  • ピケティについて簡単に - himaginary’s diary

    マンキューが表題のブログエントリ(原題は「Piketty in Brief」)でピケティの以下の新刊を一蹴している。 A Brief History of Equality (English Edition) 作者:Piketty, ThomasBelknap PressAmazon I just read Thomas Piketty's latest book, A Brief History of Equality. It is the best window into Piketty's thinking to date in part because it is, unlike his previous books, mercifully short (244 pages, not counting the appendix). Of course, Piketty's thin

    ピケティについて簡単に - himaginary’s diary
  • ベトナムの低予算COVID-19対策の成功 - himaginary’s diary

    について論文が書かれ、著者の一人Hong Kong NguyenがProject Syndicateにその概要を寄稿している(H/T Mostly Economics)。以下はそこからの引用。 Perhaps most remarkably, unlike South Korea, which has spent considerable funds on aggressive testing, or Singapore, which has established strong epidemiological surveillance, Vietnam has followed a budget-friendly approach that has proven equally effective. Despite expectations of high rates of transm

    ベトナムの低予算COVID-19対策の成功 - himaginary’s diary
  • 経済学と進化生物学 - himaginary’s diary

    先日、稲葉氏から、経済学と物理学に関する小生の以前のエントリ(こことここ)にTBを頂いたが、Economist's Viewで関連する話題が取り上げられていたので、かいつまんでその内容を紹介してみる。 取り上げられたのは、ギャヴィン・ケネディという経済学者のブログエントリ。 HPによると、この人は、経済の研究の傍ら、国防や交渉に関する研究をしてきた人らしい(交渉に関する著書の邦訳もあるほか、交渉術をトレーニングする会社まで作っている)。 また、「専門」の経済学では、アダム・スミスに関して研究してきたようだ(前述のHPではそれに関する著書が紹介されている)。今回、Economist's Viewが取り上げた内容は、(余技方面ではなく)後者のアダム・スミスに関連した話。 ケネディは、ここで、マッシモ・ピグリウッチという進化生物学者*1のブログエントリを取り上げている。そこでピグリウッチは、以下

    経済学と進化生物学 - himaginary’s diary
  • 経済学を勉強すると嘘をつきやすくなる - himaginary’s diary

    という点について研究した論文がUDADISIの2012年経済学論文ランキングの第2位として取り上げられていた。著者はマドリード・アウトノマ大学のRaúl López-Pérezとケベック大学モントリオール校のEli Spiegelmanで、論文のタイトルは「Do Economists Lie More?」。 以下はその要旨。 Recent experimental evidence suggests that some people dislike telling lies, and tell the truth even at a cost. We use experiments as well to study the socio-demographic covariates of such lie aversion, and find gender and religiosity t

    経済学を勉強すると嘘をつきやすくなる - himaginary’s diary
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2012/12/18
    某4K麻雀では、マヌK済学部のK藤君は嘘をつくのが下手で、テンパるとすぐ顔や態度に出たもんでしたが?
  • 消えた女性たち - himaginary’s diary

    雛祭りの日の相応しい話題では無いような気もするが、アジアにおいて来あるべき男女比に鑑みて女性が少なすぎる、というアマルティア・センが提起したMissing woman問題に関して新たな視点を提供する論文をタイラー・コーエンが紹介している。論文の著者はSiwan AndersonとDebraj Rayで、既に2年前にReview of Economic Studiesに掲載されたものとの由。 この研究の一つの特徴は、男女比の不均衡が出生時の間引きだけに起因しているのではなく、成長後に罹患した病気の手当てが不十分であることも要因となっていることを明らかにした点にある。また、中国とインドとサハラ以南のアフリカという3地域を対象に研究を行っており、対象をアジアに限定していないことも特徴となっている。 以下は推計された「消えた女性たち」の年齢別分布のグラフであるが、出生時以外にもこぶが見られ、

    消えた女性たち - himaginary’s diary
  • 地産地消は環境に良くない - himaginary’s diary

    とEd Glaeserがボストングローブに書いている(原題は「The locavore’s dilemma」;Economist's View経由)。 その理由は以下の通り。 2008年のカーネギーメロン大学の2人の研究者の調査によると、米国産の物の消費は一家計当たり年間8.9トンのCO2に相当する温室効果ガスを生み出す。そのうち物の配送から生み出されるのは0.4トンである。また、農作物の供給網上の輸送から生み出されるものの総計は一家計当たり年間1トンである。 我々は、配送を縮減することによる環境へのベネフィットと、物を必ずしも最適ではない栽培地で生育することによる環境へのコストを比較衡量する必要がある。例: 最近の英国での調査によると、英国産のトマトの消費はスペイン産のトマトの消費の約3倍の温室効果ガスを生み出すという。寒い英国でトマトを生育することによって費やされる余分なエネルギ

    地産地消は環境に良くない - himaginary’s diary
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2011/06/21
    そもそも、イギリスのような寒い土地でトマトを食べようと思うところに問題があるのでは?地産地消の意味を取り違えてるような気がする。
  • 我が孫たちの日本語の可能性 - himaginary’s diary

    分裂勘違い氏のこのエントリを読んで、ここで紹介したケインズの小論を思い出さざるを得なかった。これほど対照的な未来予測はないだろう。 ケインズの予測した未来では、技術の発達によって人々は働く必要がなくなり、暇を持て余すようになる。労働は習慣的に週15時間ほど行なうだけになり、金儲けのために働く人は一種の社会的病質者と見做される。人々は、その時その時を楽しんで生きることに価値を見出し、何らかの目的のためにあくせくすることはなくなる。経済的問題の解決は、歯医者が歯を治すのと同様、単なる専門家の技能の一つになる。 一方、分裂勘違い氏の描く未来(正確には近未来)では、技術の発達により仕事が無くなることはない。むしろ、要求される仕事がますます高度化されるため、人々は多くの時間を技術の学習に費やさざるを得くなる。そのため、そうした仕事に役に立たない芸術――就中、近代日文学――は等閑視されるのが当たり前

    我が孫たちの日本語の可能性 - himaginary’s diary
    takahiro_kihara
    takahiro_kihara 2008/11/21
    分裂氏のエントリも大体読んだけど、こっちの方が言ってることマトモそう。
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