春にウグイスが練習している歌を聞くと、ほほ笑ましい気持ちになる人も多いのではないだろうか。「ホーホケ、……ホーホケッキョン」。あー惜しい。こうした未熟な歌を聞くことができるのは、鳥が練習をして歌を身につけているためだ。 鳥の鳴き声には二種類あると言われている。一つは短い音で構成される「地鳴き」だ。例えば、ウグイスの地鳴きは「チャッチャ」と聞こえる。地鳴きは日常会話のようなもので、英語で「CALL」と言う。喧嘩のときや、ヒナがご飯を欲しいとき、仲間に自分が近くにいることを知らせるときなどに鳴くものをいう。この地鳴きは、練習を必要としない種の方が多い。 もう一つは色々な音で構成されていて、まるで歌っているように聞こえる「さえずり」である。英語での呼び方は「SONG」だ。さえずりは、オスがメスに求愛する際や自分の縄張りの防衛、自分と同じ種であるかを判断する「種の識別」のために使うと言われている。