タグ

ブックマーク / honz.jp (8)

  • 『文系と理系はなぜ分かれたのか』単純だが、悩ましい分類のこれまでとこれから - HONZ

    理系か文系か、この二分法は、日常に浸透し、まるで血液型のように、はじめて会う人同士の話題になることが多い。そして、文系であるか理系であるかでレッテルを貼り、個人を理解しようとする。Wikipediaの「文系と理系」というページで展開されている「文系と理系を巡る観念的な印象」は、その代表例である。 4.1数学のできない「普通の」文系、それ以外の「特殊な」理系 4.2文系は優雅、理系は律儀 4.3文系は言葉で考える 4.4文系は前提の吟味をしない 4.5理系は会話下手 4.5.1理系男子は結婚できない 4.6理系にはオタクが多い 4.7男子は理系、女子は文系 (Wikipediaより引用) 得意科目ならまだしも、性格、コミュニケーション能力、就職や結婚の適性など、過剰に二分化されている。高校時代に明確な理由を持って文理を選択した人もいれば、なんとなく選択した人もいるだろう。しかし、文系であるか

    『文系と理系はなぜ分かれたのか』単純だが、悩ましい分類のこれまでとこれから - HONZ
    takuwz
    takuwz 2019/10/10
  • 『NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く』で働き方を見直す - HONZ

    会社は、顧客を喜ばせる優れた製品を時間内に提供できるように努めることを除けば、従業員に何の義務もない 会社には、従業員の長年の功績に報いる義務も、中長期のキャリアパスを用意する必要性もない。元ネットフリックス最高人事責任者である著者パティ・マッコードはそう主張する。過激な発言に思えるが、これはまだ序の口。彼女は、人事考課連動型の報酬や仲間意識を育むためのイベントなど、現在広く用いられている人材管理の手法やそれが前提とする人間観に次々と異議を申し立てていく。変化の速いこの時代を勝ち抜くためには、来の業務を妨げる施策や制度を取り除き、人が来持っている力を解き放つ必要がある。書は、躍進を続けるネットフリックスがどのように革新的な人材管理手法を開発・導入していったのかを、ネットフリックス誕生とその成長過程とともに教えてくれる。 総会員数は1億人を超え、190カ国以上で配信事業を展開するネット

    『NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く』で働き方を見直す - HONZ
    takuwz
    takuwz 2018/09/14
  • 『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』 - HONZ

    書『ホモ・デウス——テクノロジーとサピエンスの未来』は、イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリが『サピエンス全史――文明の構造と人類の幸福』に続いて、該博な知識とじつに多様な分野の知見を独創的に結集して著したHomo Deus: A Brief History of Tomorrowの全訳だ。ただし、前作同様、最初のヘブライ語版が刊行されてから著者が行なった改訂や、日語版用の加筆・変更を反映してある。 全世界で800万部を超えるベストセラーとなっている前作では、主にサピエンス(著者は他の人類種と区別するために、現生人類であるホモ・サピエンスをしばしば「サピエンス」と呼ぶ)の来し方を顧みたのに対して、作ではその行く末を見据える。『サピエンス全史』では、認知革命、農業革命、科学革命という三つの革命を重大な転機と位置づけ、虚構や幸福をはじめとする斬新な観点を持ち込みながら過去を振り返り

    『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』 - HONZ
    takuwz
    takuwz 2018/09/06
  • 『Bullshit Jobs: A Theory(洋書)』どうでもいい仕事を理論化する - HONZ

    経済学者のジョン・メイナード・ケインズ(1883-1946年)は、 1930年に”Economic Possibilities for our Grandchildren(孫の世代の経済的可能性)”というエッセイの中で、イギリスやアメリカのような先進国では、テクノロジーの進化によって20世紀末までに週15時間労働が実現しているだろうと予言した。(”Essays in persuasion(ケインズ 説得論集)”) ケインズの指摘する通り、確かにテクノロジーは大いに進化したものの、結局、この予言は当たらなかった。ロンドンスクール・オブ・エコノミクス(LSE)の社会人類学教授のデヴィッド・グレーバーは、その理由を、テクノロジーがむしろ無意味な仕事を作り出す方向に使われたからだと説明する。 グレーバーは、”We are the 99%(我々は99パーセントだ)”というスローガンで行われた、201

    『Bullshit Jobs: A Theory(洋書)』どうでもいい仕事を理論化する - HONZ
    takuwz
    takuwz 2018/08/26
  • もの悲しい人間の虚飾『プライドの社会学』 - HONZ

    プライドが邪魔をすることもあれば、プライドがなくて動き出せないこともある。 プライドが逆境を支えるときもあれば、人を狂わせることもある。 自分がつくったプライドの檻の中から、いつの間にか抜け出せなくなることもある。 それでも、人間はプライドを持たざるを得ない存在である。 それが書の出発点である。 人間は理想の自分を思い描く。それと同時に、理想の自己で現実の自己のギャップに常に思い悩み、理想の自己を創造すると同時に、現実の自己を破壊することを求められている。この心的なメカニズムがプライドである。そして、多くの人が経験しているように、これが順調に機能することはめったにない。絶えず、その落差の大きさに思い悩む。 志賀直哉の代表作『暗夜行路』は、主人公の誇り高きプライドにもがき苦しむ物語である。容易に実現しえない目標をかかげ、あるべき姿を実現しようと邁進する。そこに見え隠れする自己の理想と現実と

    もの悲しい人間の虚飾『プライドの社会学』 - HONZ
    takuwz
    takuwz 2013/05/25
    >コミュニティが提供してくれていたアイデンティティやプライドがなくなると、私たちは絶えず自己を発見したり、創造したり、実現したり、表現したり、演出したり、提示したり、証明することで、自己をデザインしな
  • 無私が人を救う。『命のビザを繋いだ男』 - HONZ

    その男は今、エルサレムの墓地に眠っている。 日人として初めて審問を受けて正統派ユダヤ教に改宗し、74歳で永眠すると、彼を慕う多くのユダヤ人たちの手によって、その遺体はイスラエルに埋葬された。 彼こそが「命のビザを繋いだ男」、小辻節三だ。 「命のビザ」といえば、杉原千畝だ。1940年、ナチスの迫害に追われてリトアニア日領事館に逃げ込んだ多くのユダヤ難民たちに、国外務省の訓令を無視して独断でビザを発給し、「日のシンドラー」といわれたその偉業は、広く知られている。 でも、杉原が発給したのはあくまで通過ビザであり、許可された日滞在期間はせいぜい10日程度だったことは、あまり知られていない。最終受入国の入国ビザなど持っていない大半のユダヤ難民たちは、わずか2週間ほどで次の受入国を固めて、出立の船便まで確保しなければならなかった。ビザの有効期限が切れると、国に強制送還されてしまう。それは、

    無私が人を救う。『命のビザを繋いだ男』 - HONZ
  • インド攻略の鍵は高度成長期にあり - 『飛雄馬、インドの星になれ!』 - HONZ

    星飛雄馬がインド人になる。しかも、野球の世界で「巨人の星」を目指すのではなく、舞台をクリケットに移し「インドの英雄」を目指す そんなニュースが報道されたのは、今から一年くらい前のことだろうか。 そして年も押し迫った、昨年末の12月23日。TVアニメシリーズ・インド版『巨人の星』は、『スーラジ ザ・ライジングスター』というタイトルで放映をスタートした。だが驚くべきことに、一年前に報道された時には、インドにおける放映について何もかもが白紙に近い状態であったのだという。 書は、インド版『巨人の星』誕生の仕掛け人が、構想から第一話放映実現までのプロセスを綴った一冊である。著者は講談社で『フライデー』『週刊現代』『クーリエ・ジャポン』などの編集に携わった人物。休暇でインドを訪れ、かつて学生時代に貧乏旅行をした時の「インドで新しいことをやりたい」という思いが蘇ってきたところから話は始まる。 彼の目に

    インド攻略の鍵は高度成長期にあり - 『飛雄馬、インドの星になれ!』 - HONZ
  • 『なぜ、世界はルワンダを救えなかったのか』 地獄を見た司令官 - HONZ

    地獄というものがこの世に存在するのなら、著者が1994年にルワンダで見た光景こそ、そう呼ぶに相応しい。徹底的に破壊された都市、拷問の限りの果てに殺された人の山、その死体をべて犬の大きさにまで成長したネズミ。そこには、正気を保っているほうが異常であると思われるような、圧倒的な現実が広がっていた。 書の著者であるカナダ出身の軍人ロメオ・ダレールは、1993年10月にPKO部隊の司令官として内戦の続くルワンダに国連から派遣され、80万人の命がたった100日間で失われたジェノサイドを目の当たりにした。事態の鎮静化後に司令官を辞任したダレールは、カナダへ帰国してからもうつ病やPTSDに苦しみ、2000年にはアルコールとドラッグを用いて自殺未遂を起こす。 苦しみ続けた彼は、世界にルワンダの悲劇を伝えるために、そして、二度と同じような悲劇を起こさないために地獄の体験を振り返り、書にまとめた。この

    『なぜ、世界はルワンダを救えなかったのか』 地獄を見た司令官 - HONZ
  • 1