政府税制調査会は二〇一一年度税制改正で、地方税である住民税の各種控除を廃止する検討に入った。生命保険料控除と地震保険料控除、退職所得の税額控除が対象。給与所得控除など、国税の所得税について控除の縮小を進めている方向性に沿い、地方税を管轄する総務省も長年の懸案を俎上(そじょう)に載せた。 生命保険料控除は、支払った保険料の一部を所得から差し引き、課税所得を圧縮する仕組み。所得税、住民税の双方にあるが、総務省は「地域社会の会費という性格が強い住民税に、保険加入を促す政策誘導的な措置はそぐわない」と主張し、住民税分の廃止を提案した。所得税分については存続させる。住民税で同控除の適用を受ける一人当たり平均の減税額は年約四千円。 地震保険の加入者が支払った保険料の二分の一を所得から差し引くことができる地震保険料控除(一人当たりの平均減税額は年約千円)も、住民税分は廃止する方針。所得税分は存続させる。