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ブックマーク / takedanet.com (13)

  • 武田邦彦 (中部大学): あと3年・・・日本に住めなくなる日 2015年3月31日

    ある読者の方が線量計を持っておられて、それを使って毎日、定点観測を続け、その結果をお送りいただいた。測定は毎日、朝は職場、夕はご自宅玄関前、夜は自宅居間就寝前 の3回の測定を標準として、その平均値を整理しておられます。場所は三重県です。 それをグラフにプロットしてご自宅付近の放射線量の変化を見ておられます。科学的に正確でデータもシッカリして、これこそ「被曝の問題を日人一人一人で取り組み、より安全な生活を目指そう」という活動のなかですばらしいものと思います。 データの詳細は別にして、昨年の9月頃より三重県の放射線量はわずかならが上がっていて、一次方程式(y=ax+b)で書けば、今年の1月から3月までの平均がb(つまりおおよその最初の状態)が毎時0.10マイクルシーベルト、a(変化)が0.004(マイクロシーベルト/日)です。 もちろんデータは個人が測定したもので、ある場所に限定されますし、

  • 武田邦彦 (中部大学): 世田谷の高線量率と福島の新米(緊急)

    哀しい事実と、国や自治体のウソがまだ続いています。 もともと、原発事故というのは「原子炉からの放射線で被曝する」のではなく「自分の身の周りに飛んできた死の灰」によって被曝するのですから、「距離には関係が少ない」と覚えた方が被曝を減らせます。 それを、事故が起こった直後、政府、NHK、東大教授の連合軍が「遠くに逃げろ、距離の二乗に反比例する」、「直ちに健康に影響がない」と科学的に間違ったことを言ったので、多くの人が「余計な被曝」をしました。またかつては言論が自由だったので「死の灰」と呼んでいた放射性物質を「言葉狩り」が流行しているので使えずに綺麗な言葉を使ったために分かりにくく、これも「余計な被曝」につながりました。 ・・・・・・・・ 世田谷で1時間あたり2.7ミリシーベルトが観測されましたが、道路の脇の藪の傍で、当然、死の灰の性質からいって予想されることです。毒物が飛散した場合、「どこに毒

  • 武田邦彦 (中部大学): お金をもらいたがる子供

    小学校5年の少年が父親と家電量販店でテレビを物色している。 父親がある小型のテレビの前でしばらく腕を組んで考えていたとおもったら、その少年に、 「これにしよう。ちょっと小さいけれど」 と父親は言った。 するとその少年。 「こっちがいいんじゃない? エコポイント22000点って書いてあるよ。大きいし・・・」 二人は店員を呼んで、大きめのテレビを買っていった。 ・・・・・・・・・ 私がその父親だったら、こういうだろう。 「なに言っているんだ。エコポイントって名前がついているけれど、お隣さんのお金(税金)だぞ! 武田家は乞じゃない! お父さんが病気したら仕方がないが、こうして元気で働いているんだ。テレビぐらいお父さんが買う。 おい、貧乏は恥ずかしくないぞ。恥ずかしいのは人様からお金をもらうことだ!」 ・・・・・・・・・ かつて2年前ほどだろうか、テレビを見ていたらあるお母さんが幼稚園に通ってい

  • 武田邦彦 (中部大学): 科学者の日記110520  哀しい茶葉の検査拒否

    今日は哀しいニュースが目につきました。 「厚生労働省が、生茶葉を乾燥させた「荒茶」の放射能検査を東日の14都県に求めた問題で、神奈川、埼玉、栃木の3県は19日までに、検査をしない方針を決めた。 静岡県の川勝平太知事も18日、検査要請に応じないと表明しており、産地自治体の反発が広がっている。」 ・・・ お茶の葉っぱに放射性セシウムが付着していた問題は、大きな波紋を投げかけています。 お茶を生産している側の論理は、 「消費者が最終的に飲む時に安全ならばいいのであり、途中の段階で検査するのは嫌だ」 ということであります。 つまり、現在の東日の放射線の汚染状況から言えば、かなり広い範囲でお茶の葉っぱにセシウムが検出される可能性があります。 従って、一度、セシウムが検出されると、「汚染されているというレッテル」が貼られるので検査をしないというのが生産者側の言い分のようです。 ・・・・・・・・・

  • 武田邦彦 (中部大学): 科学者の日記110515 「奴(やつ)」はどこにいるか?

    4月から放射性物質が地面に降り注いだので、「奴(やつ)」は地面にいて、草に隠れている。 それを福島の測定の画像を使って「目」で「奴」を見てみよう。まず地上1メートルのところ。おおよそ2.7マイクロだ。 次に、地面に近づけると徐々に放射線量が増えてきて、5マイクロ、10マイクロとなり、測定者が装置を道路の上に置くと、20マイクロ(19.9)になった。 「奴」は地表にいたのだ!! 私が子供を心配しているのはこのことで、自治体の多くは地上15メートルのところで測っている. この例では、地表に対して1メートルのところが7.4分の1になっている。もともと放射線が出ているところが点(点線源)ならが「距離の二乗に反比例」して下がるけれど、全体が汚れているところが全体の場合、平面の線源だから「距離の1乗」になるだろう。 そうなると、この場合、自治体から報告される空気中の放射線量は1時間0.5マイクロ(マイ

  • 武田邦彦 (中部大学): 規制値の再整理

    「放射線は体に良い」、「20ミリまで大丈夫」、はては「核実験の時には今より放射線物質が多かった」など、いかがわしい話が横行しています. まるで今まで何も検討されてこなかったというような報道が行われています。 そこで、ここで放射性物質の規制値を再整理しておきます. この規制値は、私が勝手に決めたわけではなく、「国際勧告」と「国内法」で決まっているものです。 また、テレビで「専門家」という人が登場し、「一般人で100ミリまで良い」などと発言していますが、ここに示す値はその人達が決めたものです。 決定に当たっては、もちろん膨大なデータをもとに1970年代から20年かけて「今、テレビに出ている専門家」が多く参加して議論をし、1990年にハッキリ決まり、それから20年間も守ってきたものです。 また、福島原発が起こったから、日人が急に放射線に強くなったということはありません。 ・・・・・・・・・低い

  • 武田邦彦 (中部大学): 「福島県人差別」の原因を作っている人たち

    福島県人の「差別」が進んでいます。福島県人が避難してくるのをいやがったり、酷い例では福島県人の診療を拒否する病院すらあります。 言うまでもありませんが、福島県の人は他の都道府県の日人とまったく同じで、クリーンです. でも、これほどバカらしいことが「科学技術立国」の日で起こるのは、それを仕掛けている人がいるからです. ・・・・・・・・・ 1)     日政府が「福島県人から放射線がでている」と言ったから  ある時、テレビを見ていましたら、福島原発の近くの人たちが「被ばくしているかどうか」ということで、「体の外側から放射線の測定器をあてて」、「被ばくを測定する」という映像が何回か流れました。 そして、「体から放射線が出ていない人は、被ばくしていません」と言っていました。 これを見た素直は人なら、次のように受け取るでしょう. 「へえー! 被ばくしているかどうか外から判るの!? なら、その人

  • 武田邦彦 (中部大学): 原発深層流001 信用できる人、できない人 その1

    福島原発の事故から1ヶ月が経ちました. 放射性物質は「半減期」というのがありますから、原発の西北や南の近い場所を除いて、これまでなら普通の生活に戻れるところですが、事故後の処理に手間取っているので、連休明けに向けて準備をする期間です. とりあえず、汚染された身の回りのものや部屋を綺麗にしておくことで、念のため洋服なども外でブラシをかけておくなどの後始末をすることが有効です. また、連休明けからの水や材の選択などは来週ぐらいから書きはじめますが、これからの準備の一環として、少し深く理解をしておきたいと思います。 その参考にしていただくために「原発事故の深層」を覗いてみます. ・・・・・・・・・ 原発について「日政府」はまったく信用できません. 福島の教育委員会は「政府が安全と言っているから、児童生徒を被曝させても良い」などと言っていますが、困ったものです。 政府が信用できないのは、主とし

  • 武田邦彦 (中部大学): 原発 緊急情報(53) 海と魚

    福島原発の事故レベルが7になり、多くの人がビックリされていますが、3月中旬に起こった最初の2回の水素爆発で、1時間1万テラベクレルの放射性物質がでていましたので、実は3月中旬の時期でレベルは7だったのです。 でも、その頃にはまだ政府は「健康に影響はない」などと言っていたので、レベル7にしませんでした。民主主義の世の中なのに、政府は情報操作をしたのです。 まったく、国民不在の事故対応で、その結果、浪江町をはじめとした近隣町村の人を中心として初期被曝をされたので、実に残念です. また、国際的にも大きな不信感を買いました。 それに加えて、福島原発がこれまでのチェルノブイリと違うのは、「海に直接、放射性物質が放出された」ということす。これは日の漁業への影響ばかりではなく、「海」は「世界につながっている」という点で、さらに難しいことになっています。 ・・・・・・・・ 難しい事が起こりつつあります。

  • 武田邦彦 (中部大学): 予防原則がもたらしたもの

    はじめに 現代の日の環境問題(リサイクル、ダイオキシン、環境ホルモン、温暖化など)のほとんどが幻想であることの原因の一つが、予防原則の存在であり、予防原則自体が環境破壊の原因となる可能性があり、また日の誠実な文化を根底から崩壊させる可能性も含んでいる。予防原則とはどういうものなのか、それは何をもたらしてきたのか、現状から簡単に振り返りたい。 1. 予防原則の成立 予防原則(Precautionary principle)は1992年にリオデジャネイロで宣言されたいわゆるリオ宣言第15原則に端を発する。その内容は、「重大な、或いは不可逆的な損害の恐れがあるときには、完全な科学的確実性に欠けていることが、環境悪化を防ぐための費用効果的な対策を延期するための理由として用いられてはならない」というものである。 この予防原則に補完するものに「代替原則」(より有害性の低い代替物質への代替を検討する

  • 武田邦彦 (中部大学): 原発 緊急情報(51) 窒素を入れた理由と影響

    4月7日に、東電が福島原発の格納容器に「窒素を入れる」と発表され、事実、窒素を入れ始めたようです。この意味は、 1)   格納容器に水素と酸素があって、爆発する可能性がある、 2)   窒素を入れた分だけ、強い放射線をもつガスが放出される、 ということです。そして私たち「被曝側」としては、 1)   窒素が入れば爆発はしない、 2)   まだ不安定なので、貯金通帳など身につけておいた方がよい(福島、茨城北部など)、 ということです。 ・・・・・・・・・ 原子炉の爆発には、核爆発、水素爆発、水蒸気爆発があります。そして爆発する場所としては、建屋、格納容器、圧力容器の3つがあります。 もっとも危険なのは、「圧力容器内の核爆発」で、これを止めるには「ホウ素の投入」が必要です。ですから、「ホウ素」という文字が出てきたら、逃げる準備が必要です. 次に、今回の格納容器の水素爆発などの大量の放射性物質が

  • 武田邦彦 (中部大学): 原発 緊急報告(43) 「水」の行方

    福島原発から「大量の汚染水」があることが報告されています. 施設の中の水の放射線は1シーベルト程度と極端に高く、取水口から300メートルでも、放射線ヨウ素が規制値の3000倍以上と、これも高い値が報告されています. これからどうなるでしょうか? 1)   発電所の中の水をかなり除去しないと、放射線が強いので、作業ができず、それが原発の処理に時間がかかることになります.私の個人的見通しでは2ヶ月というところです。 2)   それは放射線が強いと一気に作業をすることができず、「今日はこれ」という具合に一つ一つになるからです. 3)   水は少しずつ海を汚染していきます. 幸い、黒潮が福島県で太平洋の真ん中に折れるので、 三陸、釧路沖などには大きな打撃を与えることはないでしょう。 4)   近くの海水浴、釣り、ダイビング、ボートなどは控えた方が良いでしょう。また漁船も付近には行かない方が良いと思

  • 武田邦彦 (中部大学): 原発 緊急情報(8) 放射線はどこまで行くか?

    福島原発の問題は第2段階に入りました。 つまり、どこで爆発が起こるかというのはこれからも警戒しなければなりませんが、とりあえず原発で放射能物質が漏れることは確実になった事、それが400ミリ シーベルトと健康にかなりの影響を及ぼすようなようになった事です。この二つで第2段階に入ったと考えられます ここで、今回は、放射線についての知識を深め、自ら判断できる情報を提供したいと思います。 ・・・・・・・・・ 一般に放射線と言っているものには2種類あって、 1)   レントゲンのような「放射線」、つまり光や電子と同じように四方八方に飛び散って行くもの、 2)   ガス(おならのようなもの)やミスト(霧吹きからの霧や煙のようなもの) があります。 学問的にはこの二つを分けて呼びますが、般的には「放射線」とか「放射能」とか区別します. この2つをいつも区別すると非常にややこしいので、このブログでも今まで

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