豊かさとは何か? 科学ジャーナリストのマット・リドレーは、豊かさとはより単純な生産活動で、より多様な消費活動ができるようになることだと定義した[*1]。「よりわずかな生産活動」と言い換えてもいいだろう。旧石器時代の人々は、森を一日中歩き回らなければ必要充分なカロリーを得られなかった。しかし現在ではアルバイト1時間分のカネで、カロリー過多な食事を取れる。これが豊かになったということだ。 これほど明快な「豊かさ」の定義を、私は他に知らない。この定義の強みは、時代や地域を超えて、社会の豊かさを比較検討できることだ。 たとえば文化や芸術は、かつては金持ちの特権だった。パトロンに飼われなければ、芸術家は才能を開花させられなかった。ところが18世紀末から産業革命が始まり、工場労働者を育てる目的で学校教育が整備された。19世紀後半にはイギリスの識字率は80%に達し[*2]、読書が庶民の娯楽になった。『二
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