日本の中枢に属する情報組織・内閣情報調査室の元職員が語る衝撃の告白。北朝鮮や米国・ロシアの元工作員、公安警察への取材を重ねてきた報道記者・作家で『スリーパー 浸透工作員』の著者でもある竹内明氏が、日本社会の「水面下」で繰り広げられている諜報戦の実像に迫ります。 (これまでの記事はこちらから) ついにやってきた「運命の日」 日本の中枢に属する情報機関、内閣情報調査室。その元職員である水谷俊夫氏(仮名)は、海外情報の勉強会で紹介されたロシア大使館員たちと付き合ううち、現金を渡されるようになった。 カネには中毒性があった。やがて彼は、所属する内閣衛星情報センター、通称「ホシ」に送られてくる海外メディアの記事から、当たりさわりのない中国情勢の分析レポートを作成しては、ロシア側に渡すようになっていた。重要文書ではないとはいえ、内部文書であることに変わりはない。 そんな綱渡りの生活を数年続けたある日、