回復シナリオは描きにくい 足元で、韓国経済の減速が鮮明化しつつある。中国への依存度が高い韓国にとって、中国経済の景気低迷が響いている格好だ。特に、韓国経済の中心的であるサムスンは、スマホの販売が伸び悩みなこともあり先行きに厳しい見方が出ている。それに伴い、ウォンの下落が鮮明になりつつある。 米国の利上げが近づいているだけに、ヘッジファンドなどの投機筋は、新興国中心に株式の保有高を減らし、ドル買・新興国通貨売りのオペレーションを進めるだろう。それは、ウォンなどの下落圧力を高めやすい。その結果、さらなる通貨安は、株価の一段の下落や景気下振れリスクにつながる可能性が高まっている。 4~6月期、韓国の実質GDP成長率は前期比で0.3%だった。昨年4~6月期以降、5四半期連続で前期比ベースの成長率はゼロ%台に落ち込んでいる。 主な要因は、輸出の不振と消費の伸び悩みだ。ウォン安が進んでいるにもかかわら