デジタル教科書教材協議会(DiTT)は2012年6月5日、デジタル教科書に関するシンポジウムを開催した。その場で、同協議会がまとめた「デジタル教科書法案」を発表。デジタル教科書を正規の教科書として認めることなどを盛り込んでいる。 現在、デジタル教科書は法律的に正規の教科書として扱うことができない。学校教育法や著作権法などで、教科書は「図書」、つまり紙の書籍と定められているためだ。このため、デジタル教科書は教科書検定の対象になっていない。また著作権法では、教科書は必要な範囲で著作物を掲載できると認めているが、デジタル教科書はこうした特例が適用されない。DiTTでは2012年4月5日に「DiTT政策提言2012」を発表し、こうした法律の改正などを提言した。「これまでいわば“タブー”だった。それに思い切って切り込んだ」(DiTT事務局長で慶應義塾大学メディアデザイン研究課教授の中村伊知哉氏)。