知財をうまく使うには、その国の事情を知っておくことが必須である。事情を知らずに特許を出願しても、出願したという事実が残るだけで実際にはほとんど使えないであろう。途上国の知財制度は、表面上きれいに整備されているところが多く、文献で制度を調べていてもそれだけでは不十分である。より重要な情報はどれだけ知財制度が機能しているかであり、それを得るには実際に使ってみた経験や事例を、人脈を通じて集めることが有効である。ホンダはアフリカでも原告として知財の権利行使をし、勝っている。勝つにはそれだけの準備をしており、情報を集めていたのである。 知財が最も機能しているアフリカの国はガーナである。ガーナの知財弁護士たちは、アフリカで最も頼れる存在で、ガーナ政府は海外の権利者に好意的であり、知財裁判は客観的で公平である。そのためアフリカでの知財活動を考えるにはガーナを軸にして、他の国はガーナとの差異を認識する。
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